制度改正Watch

自立支援法・後期高齢者医療制度の「廃止」に伴う混乱を防ぐために

ハローワークのワンストップ化、規模を拡大して試行中

2009年11月30日 09時45分43秒 | その他
「年越し派遣村」が繰り返されることがないようにと、「ハローワークでのワンストップサービス」が始まる(経済と雇用の情勢は今年のほうが厳しいと思う)。28日には詳細が明らかになり、「17都道府県の77ヶ所」で試行されることになった。東京都、愛知県、大阪府のハローワークは全て。政令指定都市のハローワークや船橋市、横須賀市、岐阜市などのハローワークでも試行される。

失業者の問題まとめて相談、17都道府県で30日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091128-00000892-yom-soci

実施ハローワーク等
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/employ/onestop01.html

サービス内容
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/employ/onestop.html


場所によっては、弁護士が多重債務の相談に応じたり、臨床心理士が相談に応じたりするとのこと。各地で様々な創意工夫がなされること、そのノウハウが全国各地のハローワークに展開できることは、とてもよいことである。ハローワークは国の出先機関であるために、地域社会とのつながりが薄い。失業者・生活困窮者をトータルで支えるためには、地域社会とのつながりは不可欠であり、ワンストップ化の成否は、市区町村や社会福祉協議会、弁護士会、臨床心理士会、地域の様々な支援団体などといかに良好な関係を築くかにかかっている。つながりの広さと強さは、地域の失業者・生活困窮者の将来の生活に直結するのだから、職員には、(慣れない仕事で大変だと思うが)何としても頑張ってほしいし、困っている人たちが頼りにして集まってくる「ハローワークという場所」の可能性を引き出してほしい。
ハローワークは、頼りに集まってくる「困っている人たち」と、かれらを「支援する人たち」が出会う「場所」になりうる。ハローワークの職員が常に前面に出なくても構わない。時には、場所を提供し、出会いを活性化させる「裏方」に徹することも必要である。地域の支援者・団体においても同様である。ハローワークという場所=地域の社会資源の可能性を引き出すために、主義・主張と縦割りの壁を越えて協力していただきたい。


ハローワークのワンストップ化に並行して、内閣府の「自殺対策緊急戦略チーム」が「自殺対策100日プラン」をまとめている。自殺者が11年連続で3万人を超えており、雇用情勢の悪化などにより年末や年度末にさらに増えることが懸念されることから実施される緊急対策で、ハローワークに総合的な窓口を設けるとのこと。自殺のおそれのある人たちに保健師やNPOなどが提供する専門的なサービスをつなぐなど、今回のワンストップサービスと連動させることを前提としている。また、様々な支援策を紹介する「生きる支援のガイドブック」も作成し、配布するらしい。
この2つの対策は、このブログでも発信してきたことであり、ぜひとも成功に結びつけてほしい(生活=生命がかかっているのだから、成功するまで知恵を絞らなければならないのだが)。

自殺対策100日プラン=福島担当相
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-091127X522.html

政府が自殺対策100日プラン 年度末に向け職安に窓口
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009112701000456.html


「自殺対策100日プラン」は、年度末までの緊急施策として、
・地域別や職業別などで自殺の原因を分析し、仕組みをつくる「自殺実態に基づく対策の立案」
・失業者や経営者ら「自殺のハイリスク群」への支援
・自殺多発地を拠点にした支援
・問題を抱えた人向けのガイドブック作成など、支援策を活用するためのツール開発
の4つが掲げられているとのこと(詳細はいずれ公開されると思う)。