制度改正Watch

自立支援法・後期高齢者医療制度の「廃止」に伴う混乱を防ぐために

事業仕分けのリストとインターネット中継のURL

2009年11月11日 09時45分19秒 | 予算・事業仕分け
行政刷新会議の「事業仕分けの対象となる事業・組織等(案)」が公開されている。
http://www.cao.go.jp/sasshin/kaigi/honkaigi/d2/pdf/s2.pdf

その中から、このブログに関連するものをピックアップすると、次のようになる。

健康増進対策費(地域健康づくり推進対策費)
労災レセプト電算処理システム
延長保育事業(次世代育成支援対策交付金)
保育所運営費負担金(保育所の利用料の設定の仕組みを含む)
生活保護受給者のうち就労能力がある者の支援対策
生活保護費等負担金(医療扶助の不正請求対策)
生活保護費等負担金(住宅扶助の不正請求対策)
障害者保健福祉推進事業費(障害者自立支援調査研究プロジェクト)
障害者保健福祉推進事業費(工賃倍増5か年計画支援事業費)
介護予防事業(地域支援事業の一部)
介護サービス適正実施指導事業
介護支援専門員資質向上事業
診療報酬の配分(勤務医対策等)
柔道整復師の療養費に対する国庫負担
後発品のある先発品などの薬価の見直し
入院時の食費・居住費のあり方
レセプト審査の適正化対策
国保中央会・国保連に対する補助金(国保連・支払基金の統合)
レセプトオンライン導入のための機器の整備等の補助
社会保障カード
医師確保、救急・周産期対策の補助金等(一部モデル事業)
健康増進対策費(女性の健康支援対策事業委託費)

国民電子私書箱と同じく検討が中止されるのではないかと書いた「社会保障カード」がある。来年7月までの予定で実証事業が進められているが、早くも「出口戦略」を検討したほうがよさそうである(そもそも実証事業を続ける意味がないのでは?後からは何とでも言えるので不公平だが... 選挙前には「政権交代」は確実視されていて、民主党が国民電子私書箱も社会保障カードも続けるつもりはないことは明らかだった。選挙前に「駆け込み」で公募し、契約してしまえという厚生労働省の考えが裏目に出たわけで、もし「不要」とされ、実証事業が宙に浮いてしまったとしても自業自得だろう)。

また、「国保連・支払基金の統合」もある。市町村の数だけある市町村国保、その数よりも多い健保組合、実態があまりよくわからない国保組合や共済組合など、医療保険者数が多すぎる。保険者の機能と役割は法律で決められているので、それだけの数があっても、ほとんど変わらない。「無駄」を無くすためには、保険者を統合していくとともに、審査支払機関も1つに統合してしまえばよいのではないかという考え方は、民主党のマニフェストからも読み取れる。
介護保険の場合には、住民に近い市町村が保険者になるべきだとの主張がなされた。しかしながら、医療保険の場合はそうではない。医療計画は市町村をまたがって策定されているし、後期高齢者医療の広域連合でそれほどの(事務面での)不都合が生じていないのだから、市町村が保険者でなければならないとは主張できないだろう。
国保連合会と支払基金の事務には、多くの「無駄」がある。民間企業と比べれば、絞りに絞っても事務を回せるのではないかと思われる。補助金を段階的にカットしていくことで、民間企業並みの創意工夫がなされ、審査のIT化・効率化が進むのではないだろうか。金を絞れば知恵が出てくるもの。できないと言ってきたこともできるようになる。国保中央会が提供するパッケージシステムを使わずに(あるいはカスタマイズして)47の国保連合会がそれぞれ独自仕様のITシステムを導入するといった無駄遣いも無くなるだろう。

「レセプトオンライン導入のための機器の整備等の補助」は「不要」だろう。事務の効率化を進めるためのIT投資であり、審査支払機関のIT投資は、レセプトの審査支払の手数料に含めて回収すればよい(IT化を促すためにも、紙レセプトの手数料に!)。医療機関などに必要になる機器は、医療機関などが自前で購入すべきものである。介護保険や自立支援法の事業者などは自前で購入している。医療機関だけを特別扱いする必要はない。

行政刷新会議ワーキンググループの日程とライブ中継サイトのURLは、以下のとおり。
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/live.html

ただし、これだけの注目を集めているので、なかなかつながらないと思われる。