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高度情報通信ネットワーク社会推進本部(IT戦略本部) 鳩山政権下で再始動

2010年03月20日 09時33分13秒 | 情報化・IT化
鳩山政権が発足して半年、ようやくIT戦略本部の会合が開かれた。
半年もの間、何の動きもなかったために、これまで民主党はITのことがよくわかっていないのではないかなどと噂されてきた。しかし、鳩山首相が「半年たつまで戦略的なことを決めていなかったが、やはり戦略性が重要だと認識し、遅ればせながら立ち上げた」と述べるなど、これから数ヶ月で大きく動きそうである。関係省庁の副大臣・政務官からなる企画委員会が新設され、「政治主導」で政策の立案が進められる。具体的なスケジュールは、

4月
・新IT戦略を決定
5月
・必要な法整備や予算措置、目標年次や担当省庁党を明記した工程表を策定
6月~
・新成長戦略に反映

で、ITの利活用を阻む既存制度などを徹底的に洗い出して抜本的に見直すとのこと。前政権との違いは、「政府・提供者主導から、国民主導の社会への転換のためにITを活用する」ことにあり、そのためにITが果たす役割が大きいとの認識。多少の焼き直し感はあるが、今後の詳細化に期待したい。
新IT戦略は、「国民主権」の観点から、次の3つの柱=重点戦略に絞り込むことになる。

(1)国民本位の電子政府の実現
・政府CIOを設置して、行政の効率化を推進するとともに業務を見直し、共通基盤を整備する
・行政が保有する統計情報を匿名化して、インターネットで容易に入手できるようにする
・行政が保有する情報の公開を進め、民間部門の新事業を創出する
・便益の高い行政サービスをオンライン/オフラインでいつでも利用できるようにする
・国民ID(共通番号)制度、自己の情報活用を本人が監視できる制度等を整備する

(2)地域の絆の再生
・市民メディア(地域SNS)の全国展開など、地域主権をITで実現する
・双方向でわかりやすい授業の実現など、21世紀にふさわしい学校教育の環境を整備する
・国民が自らの健康・医療情報を電子的に活用可能な全国レベルの情報サービスを創出する
・独居高齢者の安否確認や在宅医療・介護などでITを積極活用する

(3)新市場の創出と国際展開
・ITの研究開発を重点的に推進し、早期に市場に投入する
・デジタルネイティブの能力を活かし、新事業を創出する
・クラウドコンピューティングサービスを推進する
・スマートグリッドや人やモノの移動のグリーン化などにより低炭素社会を実現する
・戦略分野についてオールジャパン体制を整備し、国際標準を獲得する


診療情報活用、全国で受診可能に…IT戦略案
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/politics/20100319-567-OYT1T01037.html

共通番号制のシステム整備 政府の新IT戦略骨子
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010031901001004.html

政府のIT戦略本部が始動 企画委新設、5月に工程表
http://www.asahi.com/politics/update/0319/TKY201003190530.html?ref=goo

診療履歴をデータベース化=IT新戦略骨子を決定-政府
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-100319X995.html



なお、政権交代後の初会合となった第52回の資料は、すでに公開されている。詳細は、配布資料をご覧いただきたい。

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(第52回)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai52/gijisidai.html