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自立支援法・後期高齢者医療制度の「廃止」に伴う混乱を防ぐために

第1回生活保護受給者の社会的な居場所づくりと新しい公共に関する研究会、開催される

2010年04月06日 09時13分41秒 | ベーシックインカム
厚生労働省は、「生活保護受給者の社会的な居場所づくりと新しい公共に関する研究会」を立ち上げ、第1回会合を開催した。
不況の影響で生活保護の受給世帯・受給者は増加を続けており、昨年12月の統計データによると全国で約181万人。申請の急増で職員・ケースワーカーの対応が追いつかず、自立支援までつながっていないケースが増えている。

生活保護は「セーフティネット」であり、本来は一時的なものであるべき。保護費を支給して当面の生活を支えると同時に「自立」に向けて様々な支援をし、生活保護から抜け出すような運用をしないと、生活保護の受給世帯・受給者は増え続けることになる。しかしながら、市町村の職員は当面の仕事に追われていることに加えて、ケースワーカーとしての専門教育を受けた職員が十分にいないこともあり、必要な自立支援をしようにもできない。その結果として、受給者が地域社会から孤立したり、勤労意欲を失ったりするケースがあると指摘されている。この悪いスパイラルに早く楔を打ち込まないと、状況はさらに悪化していくことになる。
しかし、市町村の職員が手探りで取り組んでいるようでは限界がある(ようやくわかってきた頃にローテーション人事で異動してしまうため、ノウハウを蓄積できない)。また、ホームレスや生活保護の受給者(生活困窮者)を支援する民間の力にも限界がある。

そのため、厚生労働省は、研究会を立ち上げ、先進的な取り組みをしている地域や団体から意見をきくなど支援のあり方を研究して夏頃までに提言をまとめるとのこと。状況の悪化を食い止めるために、自立支援の「成功事例」を取り上げ、共有するだけでも意味がある。実効性ある提言を期待したい。

5日の第1回会合では、地元の介護事業者や農家の協力を得て職業体験の機会をつくり、社会参加・就労を促している北海道・釧路市の取り組みとホームレスの自立を支援する東京都・新宿区の取り組みが紹介された。これらを、全国の市町村で実践できるように汎用化し、専門教育を受けていなくてもある程度の生活支援・自立支援ができるように取りまとめていただきたい。

生活保護支援探る研究会 厚労省、民間の力活用
http://www.47news.jp/CN/201004/CN2010040501000799.html