競争の激しい分野でソフトウェア製品を選択しようとすると、ある一時点での機能比較では優劣を決めがたいことが良くある。それは、継続的な機能強化が行われており、製品の進化が速いからである。そんなときに、重要になるのがその製品が目指すビジョンであり、そこに共感できるかである。
ASTERIAが位置するデータ・インテグレーションのマーケットも、国内外の競合がひしめいており、決して楽な世界ではない。ASTERIAの開発元であるインフォテリア社の東海林・中川・江島3氏による『ASTERIA 実践ガイド』は、そのタイトルの示すように実践ガイドであり、評価版を利用したASTERIAの体験に重きがおかれている。しかし、本書はそれだけではなく、ASTERIAがどのようなビジョンを持つ製品であるかを示すものであり、それゆえに他のプロダクトとそのコンセプトにおいて何がユニークであるのかを知ることができる。
先ほどASTERIAをデータ・インテグレーションのマーケットに位置づけたが、本書を読み終わってみれば、それもASTERIAのビジョンを理解していないが故の安易な分類であったと言わざるをえない。現時点、機能面ではデータ連携がその中心ではあるが、その目指すところは「グラフィカル・ランゲージ」であり、これまでのテキスト表現を中心としたプログラム言語からの脱却なのである。また、目指す最終ターゲット顧客は大企業ではなく、個人である。(これは、ASTERIAがエンタープライズ向けではないと言うのではなく、ASTERIAの開発者はこうした製品が個人でも利用可能な世界を志向しているということである。)
もちろん、個人向けとエンタープライズ向けでは、ビジネスのモデルも大きく異なる。しかし、「ソフトウェアなんかあとはコモディティ化するだけだ」などと言う人も多い中、「まだまだソフトウェアの世界は発展途上です」と真摯にそのビジョンの実現へ向けて邁進する執筆陣には素直に共感できるのである。
ASTERIAが位置するデータ・インテグレーションのマーケットも、国内外の競合がひしめいており、決して楽な世界ではない。ASTERIAの開発元であるインフォテリア社の東海林・中川・江島3氏による『ASTERIA 実践ガイド』は、そのタイトルの示すように実践ガイドであり、評価版を利用したASTERIAの体験に重きがおかれている。しかし、本書はそれだけではなく、ASTERIAがどのようなビジョンを持つ製品であるかを示すものであり、それゆえに他のプロダクトとそのコンセプトにおいて何がユニークであるのかを知ることができる。
先ほどASTERIAをデータ・インテグレーションのマーケットに位置づけたが、本書を読み終わってみれば、それもASTERIAのビジョンを理解していないが故の安易な分類であったと言わざるをえない。現時点、機能面ではデータ連携がその中心ではあるが、その目指すところは「グラフィカル・ランゲージ」であり、これまでのテキスト表現を中心としたプログラム言語からの脱却なのである。また、目指す最終ターゲット顧客は大企業ではなく、個人である。(これは、ASTERIAがエンタープライズ向けではないと言うのではなく、ASTERIAの開発者はこうした製品が個人でも利用可能な世界を志向しているということである。)
もちろん、個人向けとエンタープライズ向けでは、ビジネスのモデルも大きく異なる。しかし、「ソフトウェアなんかあとはコモディティ化するだけだ」などと言う人も多い中、「まだまだソフトウェアの世界は発展途上です」と真摯にそのビジョンの実現へ向けて邁進する執筆陣には素直に共感できるのである。