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e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

新生銀行 素朴なマーケティング戦略

2005-01-10 | ◆ビジネス
長期低金利商品が続々と出てくる中、変動金利の住宅ローンを長期固定に切り替えようと、複数の先から資料を取り寄せている。

都銀や信託、新生銀行のようなユニークな商品を出しているところ、更にはグッドローンのようなノンバンクも参入してきている。どこも資料の請求はWebから行えるようになっているが、その後が結構違う。

請求後、翌日に資料が届いたのは新生銀行のみで、それ以外は数日から1週間かかった。新生銀行の封筒には「即日発送」とシールが貼られていた。更に、新生銀行は1週間おきくらいに3回メールが送られてきて、新生銀行住宅ローンの特徴を紹介してくれる。また、電話での問い合わせ窓口は24時間オープンである。新生銀行以外は、みな資料送付のみで放置状態となる。

銀行業界では、インターネット・バンキングの黎明期には、CRMシステムの導入が盛んとなった。そして、今、銀行窓販の解禁が進むにつれて投信、保険、証券など多様な金融商品の販売が可能となりつつあり、アップセル/クロスセルといった言葉が頻繁に聞かれるようになってきた。

しかし、先の住宅ローンの件を見てみても、以外に既存の顧客基盤に安住する姿勢が大手の金融機関には見える。最近話題となっているマイレージとの提携などポイント制も、基本は既存顧客の囲い込み戦略である。

一方、新生銀行は明らかに新規顧客を奪いに行く姿勢が鮮明で、いかに顧客の気を引くかに最適化されたマーケティングを展開している。高金利、低金利の住宅ローン、ATM手数料無料という商品性もそうだが、今回の問い合わせへの対応のように、即日配達、メールによる注意喚起、24時間問い合わせといった、他のやっていないサービスで顧客といち早く接触し、より接触面を拡大することに全てが向いている。

1つ1つを取ると素朴だが、全てが新規顧客開拓という(新生銀行にとってはある意味、宿命だが)方向に向いて最適化されていると強いと感ずる。戦略とはかくあるべし、ですね。