社長の独り言

資産運用コンサルタントの社長日記です

カルロス・ゴーンの限界

2007-03-05 08:58:12 | 日常
ルノー社員の自殺が相次いでいるとのこと。
最近3ヶ月で4人の自殺者がいたそうです。
ルノーの労組は会社に対し、勤務改善の要望を出し、
ゴーン氏もこれを了承しました。

日産自動車も苦しい状況にいます。
売上、収益共に伸び悩み打開策が見えない
状況です。
かろうじて、円安効果による為替差益の恩恵
がありましたが、これがなければもっと
悪い状況になったでしょう。

ゴーン氏が改革を進め、日産は確かに
生き返りました。
それは、「コストカッター」の名前通り
無駄を省くことから始まりました。
その方法は確かに効果を生み、
日産は生き返りました。

しかし、その一方で多くの下請け企業が
倒産しました。
日産の一方的なコストカット方針に付いて来れない会社は
切捨てられました。
これが、ゴーン氏のやり方です。
日本人には出来ない、割り切った考え方です。

そのゴーン氏も苦境に立たされています。
「努力目標」という言葉で、彼は改善を推し進めて来ました。
コストカット・収益改善においては、その方法は効果的なのでしょう。
しかし、売上を伸ばす為に「努力目標」は効果が出ませんでした。
ここが、ゴーン氏の限界なのです。

売上を伸ばすこと、つまり魅力ある車を作ること。
これには、マニュアルはありません。
何が必要なのでしょうか?
泥臭い言葉で言えば、「情熱」だと思います。
本当にいい車を作りたい、という情熱だと思います。
故本田宗一郎さんの情熱、その「志」を受け継いだ
ホンダは、今なお魅力的な車を創り続けています。
そこには、単なる雇われ経営者はいません。

今後、日産はゴーン氏の下どうなるか分りません。
ただ分っていることは、ゴーン氏のやるべきことは終わった
ということです。