社長の独り言

資産運用コンサルタントの社長日記です

就職戦線

2007-06-30 10:51:43 | 日常
来年の新卒採用の就職戦線では
バブル時代以上の売り手市場
になっています。
卒業予定数の倍以上の
採用予定数になっています。

大手以外の企業が内定者確保に
あの手この手を使い、採用者確保に
苦心をしている様です。
大卒、短大卒の学生にとっては
喜ばしいことでしょう、
しかし、本当に喜んでいていいのでしょうか?

以前のバブル期に就職した学生が
10数年経ち、今どうなっているでしょう?
その後のバブル崩壊で、居場所が無くなったり、
リストラの波に飲まれた人達は多いです。
バブル時代の採用合戦、海外旅行や
豪華なパーティー、企業も金を使い捲り
学生を「接待」しました。
一方、何も分らない学生は
すっかりお客様気分で社会に出ました。
しかし、世の中そんなに甘くありません。
いい事は長続きしないのです。
現実に直面した人達は、初めて社会の厳しさ
を肌で感じました。
「時すでに遅し」です。
会社は冷たい組織です。
本当に必要な社員しか残れないのです。
力のない中途半端な社員は、窓際族になります。
日本企業の甘いところは、社員を「クビ」に出来ないところです。
ここに、日本企業の「甘さ」があります。
いずれにしろ、窓際族には二つの選択肢しかありません。
どんな嫌な思いをしても会社にしがみつく
他にいい条件の会社を探す。
しかし、バブル崩壊後は後者の可能性は低かったのです。

この様な状況が今再び繰り返されようとしています。
間違いなく、10年以内に同じことが起きるでしょう。
これから就職する学生に心掛けてほしいこと、
会社に利用されないこと、
自分の明確な目標を作ること、
自分が起業家として自覚を持つこと、
これを実行出来れば、会社に頼ること無く
社会を生き貫けるでしょう。

入社したら、職場の先輩の顔をじっくり観察して下さい。
その人達の表情や眼を見て下さい。
生き生きとした顔や眼の人が多ければ
その会社は大丈夫です。

ハゲタカ

2007-06-29 09:00:40 | 日常
外資のファンドを「ハゲタカファンド」と
呼びます。
「ハゲタカ」から連想されるイメージ
死骸を食い尽くす恐ろしいものが
一般的です。
バブル崩壊後、日本市場に入ってきた
外資ファンドは沢山あります。
彼らは一様に「ハゲタカファンド」と呼ばれ
嫌われもの扱いでした。
不良債権を買い捲り、安く買って高く売り抜く
金儲け集団。

しかし、「ハゲタカ」は別の一面を持っています。
それは、死骸を食いつくし草原を綺麗に掃除することです。
日本の不良債権という死骸を食い、
それを綺麗に再生させるということです。
問題は「ハゲタカファンド」を悪者扱いすることよりも、
不良債権を創りだした銀行の責任です。
バブル景気を煽り、担保価値以上の資金を
過剰融資したことです。
バブルが弾けると、貸しはがしがはじまります。
大企業の大型融資については、自己保全の為、
債権放棄、再生計画を進めます。
ところが、中小企業に対してはそんなことをしません。
厳しい債権回収、それが不可能であれば
外資ファンドへ安く売り渡す。
この銀行の身勝手なスタンスこそ
責められるべき行為です。
自ら、債権先の責任を放棄し、
融資先がどうなろうが、関係ないという態度です。
「晴れの日には傘を貸すが、雨の日には傘を貸さない」
という銀行の論理なのです。

その銀行の犯した「罪」の尻拭いをしてきたのも
「ハゲタカファンド」の一面です。
昨日も取引先とのゴルフをしてきました。
バブル絶頂期に開場したゴルフ場でした。
クラブハウスの建設費50億円、
当時の会員権5000万円です。
当然のごとく、バブル崩壊に伴い不良債権として
外資ファンドに売られ、現在は外資系の傘下となりました。
しかし、今の業績は以前より良くなっています。
様々な業務改善を行っています。
まず、一般のスタート前に、朝4時台の早朝スループラン
を導入し、午後の薄暮スループランも行っています。
プレーもセルフとキャディ方式の選択制で
お客様のニーズにあったプレーが出来るように
なっています。
ゴルフ場のスタッフも、応対が良く気持ちがいいです。
聞くと、平日でも多くの来場があるようです。

このゴルフ場は一例ですが、外資導入による
営業努力、業務改善により再生されたものです。
もし以前の様ままであれば、経営には素人同然の
銀行出身の支配人が来て、訳の分らないことをして
その結果、倒産したでしょう。

「ハゲタカファンド」は日本に
世界基準の経営を持ち込みました。
日本式経営と金融機関の幼稚な関係に「メス」を入れたのです。
その功績は評価するべきです。
「黒船」が来たと恐れている時代、
「鬼畜米英」と恐れていた時代、
「ハゲタカファンド」と恐れていた時代、
いすれも世界を知らないことへの「言い訳」に過ぎません。
一般国民は政府の言葉に騙されていました。
これらの経験を通じ、如何に「世界」の常識を知らないこと
を反省すると同時に、
日本が「グローバルスタンダード」に近づけることに期待します。

シャルレの今後

2007-06-28 00:18:36 | 日常
女性下着販売のシャルレを傘下に持つ大証2部上場の持ち株会社、
テン・アローズの株主総会が27日、神戸市のホールで開かれ、
創業家出身で元副社長の林勝哉氏(38)が、
元五輪バレーボール代表の三屋裕子社長(48)ら
取締役7人の再任に反対し、林氏を含む別の5人の取締役選任を求める
修正動議を提出。創業家は議決権ベースで56%の株式を保有しており、
動議は約85%の賛成で可決された。

 総会後の取締役会で林氏が新社長に選ばれる見通しだ。
修正動議で現経営陣が総退陣するのは極めて珍しい。

 三屋氏は2004年、林氏の母親で当時シャルレ社長だった
林宏子氏から後任社長に抜てきされたが、
勝哉氏ら創業家側は「現経営陣では業績の回復が見込めない」
などとして再任への反対を表明。
これに対し三屋氏側は「創業家の理解を得たい」
と話し合う姿勢を見せていたが、歩み寄りはなかった。

今回の三屋社長以下取締役の解任については
不可解なところを感じます。
第一に、三屋さんの就任以降シャルレの業績は
順調に回復をしている。
第二に林氏の主張する解任理由の業績悪化が具体的に
何を指しているかが不明である。
このことから推測できることは、
創業家が三屋氏から経営権を
奪い返したいという単純な理由であること。
悪意で言えば、業績が回復基調になったところで、
三屋さんの役目は終わり、
つまり、ただの使い捨てとして利用されただけ
とも思えます。

こんな卑劣な想像をもしてしまう程、
今回の解任については理解し難いものがあります。
そもそも、三屋社長以前はシャルレの業績は
悪化の一途でした。
その責任は、創業家一族の経営方針でした。
良く言えば家族的、悪く言えば公私混同
会社の私物化の放漫経営でした。
それを立て直したのは、現経営陣でした。
本来の経営手法を取り入れ、
業績を回復させたのです。
結局、三屋さんと経営陣は上手く利用されたのです。

シャルレは、創業家の林氏が社長に就任する
予定です。
社員からの信望があった社長を解任した
林氏、彼が会社、社員をどの様にまとめられるか、
どの様な経営手腕を見せるかが見所です。
社員のモチベーションがそのまま業績に繋がります。
それをどう出来るかがポイントになるでしょう。
下の人は上の人を良く見てますよ。




日本航空

2007-06-27 00:06:59 | 日常
本日、JALの株主総会がありました。
業績不振の原因は何なのでしょうか?
全日空との違いは何でしょうか?
日本のフラッグシップだった日本航空、
今日の凋落には悲しいものがあります。

当初、日本航空は国営会社の様なものでした。
航空行政は全てJALが優先されてきました。
全日空が国際線を開設したのも、
そんな昔ではありません。
それまでは、JALが国際線を独占していました。
つまり、保護行政の元、護られていたのです。
「温室育ちです。」
最近まで、温室で育ったJALですが、
規制緩和の波は航空業界にも押し寄せてきました。
国際線路線の開放、国内航空会社の競争、
新規航空会社の参入、
大きな嵐がJALを襲いました。
温室を吹き飛ばされたJALは、
冷たい風にさらされ、生き延びることが
出来なくなりました。

つまり、
「親方日の丸」とか言いますが、
保護政策という温室で育った会社に
真の逞しさが備わる筈がありません。
いままでの「甘えた体質」が災いしたのです。
この体質は急には改善できないでしょう。
根本的な責任は経営陣にあります。
役人と同じ様な経営陣には
JALの再生は不可能でしょう。
再生するには、ドラスティックに
再生が出来る人が必要でしょう。
年齢も今の経営陣に様な
「年寄り」ではダメです。
もっと若く才能がある人間を
外部から入れるべきです。
全く違う業界の人でもいいでしょう。

応急処置では、もはや手遅れです。
本格的な手術が必要です。
JALにその覚悟があるのか?
そこが問題です。


年金問題

2007-06-26 08:50:00 | 日常
社会保険庁の問題について、
国会議員が討論を繰り広げています。
その中である自民党議員の発言内容に、大変憤りを
感じたことがありました。
それは、自民党の大村議員の発言です。
確か彼の立場は、政府官邸副大臣という肩書き
だったと思います。

彼の発言は、国民感情を逆なでするものでした。
民主党議員や司会者の質問に対し、
明確な回答をしない。
それどころか、民主党の質問の
揚げ足を取る発言に終始していました。
そればかりか、
「自民党は一生懸命頑張っている、
何の文句があるのか?」という態度でした。
この番組を観ていた視聴者は全員
不快感を感じたと思います。
つまり、彼の発言、態度からは
反省の気持ちが全く伝わりませんでした。
大村議員の発言は自民党を代表しているものです、
彼が、その発言を繰り返すということは
自民党の考えも同じだということです。

そもそも、この年金問題は社会保険庁の
堕落した体質が原因です。
社会保険庁は、収納した保険料を将来の給付の為、
しっかり管理し、運用する責任があります。
一方、政府与党には社会保険庁を管理監督する責任があります。
ところが、何十年もお互いその義務を怠ったのです。

今、この問題が明らかになりましたが、
大村氏に代表される自民党の発言、内容、態度に
国民は怒りを感じています。
何故、それを自民党の議員が感じられないのか?
不思議でなりません。
大村議員はあるパネラーの
「国会議員は誰の為に仕事をしていますか?」
という質問に対し、
「勿論、国民の為です。」
ときっぱり言いました。
その発言を聞いたほとんどの視聴者は
不信感を抱いたでしょう。
あなたの言っていることと自民党が行っていることは
全く違います。
つまり、大村議員は
「国民の為に仕事をしているのではなく、
自民党の為に仕事をしている。」のです。
つまり、タダの雇われ人、サラリーマンと
何ら変わらないのですか?
そんな国会議員は必要ありません。
早く議員を辞めて下さい。

国会議員がこんな調子では、
日本の政治もバカにされる筈です。
最近、外国で日本の選挙を題材にしたドキュメンタリー映画が
評判のようです。
日本の選挙活動をそのままに映したものの様ですが、
外国の人からは滑稽に見えるようです。
結局、そんな滑稽な選挙で当選した人達の集まりなのでしょうか?

社会保険庁

2007-06-25 08:52:31 | 日常
社会保険庁問題に新たな事実が
発覚しました。
なんと、社会保険庁職員が
保険料を横領していた事が
判明しました。
会計検査院の監査により、
この事実が発覚しました。

保険料横領、つまり刑事事件です。
それも公務員の犯罪です。
この責任は当事者は勿論のこと、
管理監督責任も追及するべきです。
社会保険庁の体質は一体どうなっているのでしょうか?

次から次へと出てくる問題、
普通の民間企業では考えられないことばかりです。
一般企業、それも金融機関で横領となれば、
当然、懲戒解雇処分です。
再就職も厳しいでしょう。
しかし、社会保険庁の職員は
ノオノオと働き続けています。
彼らの給料は税金から払われています。
こんな人達の為に税金を払うこと、
バカバカしくなります。

会計検査院にも責任があります。
役所の不正を検査する機能が全く働いていません。
以前から指摘されていましたが、
会計検査院の天下り問題。
ここにもその陰が見えます。
お互い馴れ合いの関係では、
まともな検査も不可能です。

我々国民は真面目に税金を払い、
国を信じて保険料を払ってきました。
それを根底から裏切られました。
この問題は昨日。今日起きたことではありません、
何十年も前から行われてきたことです。
この責任は、政府与党ばかりでなく、
国会議員全体の責任でもあります。
国民を裏切ることに
何も感じてない「国家」の怖さが
そこには在るように思えます。
これでは、60年前の軍事大国日本と
同じことです。


ミートホープ社

2007-06-24 23:48:32 | 日常
精肉加工会社のミートホープ社の
牛肉偽装問題、この会社の田中社長
の発言に注目しています。

記者会見をする度に、発言内容が
二転三点し、いつも薄ら笑いをしながらの会見、
これには日本国民全員を敵にまわすようなものです。
これからは、社長の罪悪感が一つも感じられません。

彼は典型的なワンマン社長です。
会社の中では、彼に意見出来る人は
一人もいないでしょう。
会見場での、元工場長の発言、
可哀相な感じを受けました。
社長には絶対服従、意見などとんでもない
サラリーマンの悲哀を感じました。

いままで、幾つもの偽装問題がありました。
雪印、鐘紡、不二家、コムスン、
これらに共通していること、
それは、社長(経営者)に意見を言えない
硬直化した体制です。
悪いこと、ルールに違反していても、
社員が何も言えない体質、
ここに大きな問題点があります。

今でも、第二第三のミートホープ社が
どこかで営業をしているでしょう。
しかし、悪いことはどこかでホコロビが出ます。
この類の問題が表面化するキッカケは
内部告発です。
必ず元ナントカが、マスコミ
行政に内部告発を行います。

今回の件でも、1年前に監督官庁に
内部告発がありましたが、
行政の不手際で問題が表面化しませんでした。
ここにも、行政の問題があります。
ミートホープと監督官庁に
何らかの裏取引があったかもしれません。
そんな詮索をされてもしょうがないと思います。

田中社長をここまでさせた原因は何だったのでしょうか?
何十年も、偽装を続けられた要因は、
ミートホープ社の責任も勿論ですが、
行政官庁、取引先も含め
責任を感じて欲しいと思います。
ミートホープの取引先は大手食品メーカー
ばかりです。
その大会社が、仕入先の管理状況を
検査することなく取引を続けてきたこと。
ここにも責任があります。
消費者は、商品を買う時には原料がどこの会社のものか?
等気にしません。
どこのメーカーの商品かで判断をするのです。
この問題を通じて、食品の安全について
再認識をお願いしたいと思います。

沖縄慰霊の日

2007-06-23 08:24:23 | 日常
沖縄は23日「慰霊の日」を迎えました。
太平洋戦争末期、沖縄での日本軍の
抵抗が終わった日である。

悲惨な戦いの場となった沖縄、
多くの住民が集団自決という
悲惨な最期を迎えた。
この「集団自決」について
文部科学省は教科書検定の中で、
「日本軍に強いられた」という趣旨の
記述を削らせました。
全く呆れたことです。
当然、沖縄では一斉に反発が起き、
大きな波紋を呼びました。

当時の沖縄では、住民も戦闘員として
駆り出されたそうです。
「敵に投稿したものはスパイとして射殺する」
と警告し、実行されました。
沖縄戦では、犠牲者は20万人を超え
兵士より一般住民の犠牲の方が多かったそうです。
敗戦濃厚の中、当時の大本営は
沖縄は「捨て石」と見ていました。
つまり、勝ち目がないのを分っていながら、
単に時間稼ぎだけの戦いをさせていました。
「特攻作戦」と同じです。
沖縄の住民は、根こそぎ動員され日本軍と一緒に
戦い、集団自決をしました。
それを、「日本軍に強いられた」ことを否定する
日本政府の考え方・・。
全く納得出来ません。
「過去から学べないものに、未来はない」
という言葉が思い出されます。

戦時中の日本政府は沖縄の人達に
「お国の為に戦うこと」を強制しました。
そして、多くの住民はその言葉を信じて戦い
犠牲になったのです。
彼らの尊い命をかけた戦い、
いまさら「日本軍は無関係」ということは、
再び沖縄を裏切ることになります。

宋文洲さんのメルマガ

2007-06-22 08:39:56 | 日常

宋文洲さんのメルマガから、気になった記事を紹介します。
最近、色々な企業で事故が起きています。
会社という生き物を、どの様にきちんと
運営していくか?は難しい問題です。
参考にして下さい。

試用しない試用期間、降格しない降格制度

宋 文洲

どこの企業の人事制度にも新入社員の試用期間があります。
しかし、果たして試用期間中において試用を行っているでしょうか。

ソフトブレーンは人数が少ない時、役員が直に新入社員と接触し、
「合わない」入社希望者を自然に見付け出していました。
結果としてだいたい数パーセントの入社希望者が試用を通じて
「合わない」ことに気付き、ほかの会社に進路を変えました。
社員と会社との出会いは男女の出会いと似ています。
どちらかが良いか悪いかではなく、目標と相性が「合わない」
ことがあるのは事実です。試用期間はお互いを確認し合い、
双方の幸せのためにあるものです。

しかし、最近ソフトブレーンも人数が増え、
試用期間の合否判断を中間マネージャーに委ねると、
急に試用期間の社員が100%合格するようになりました。
不思議でたまりません。結局、マネージャーの問題意識を喚起したうえ、
評価基準の見直し、運用責任の明確化、不合格率の数字目標の設定、
実行の検証など、地味な作業を粛々行うしか方法はありません。
このあまりにも当たり前の基本をもう一度思い知らされました。

試用について興味が湧いてきたので多くの企業の方々にも聞いてみましたが、
やっぱり試用期間に入ればほとんどの人々が
「合格」してしまう会社が多いようです。
可否を判断するための試用期間というよりも
正社員になるための準備期間に近いようなものです。

そういえば、先日、ある著名企業の子会社の社長から
おもしろいことを聞きました。その著名企業がグループ全体に対して
管理職の昇格もあり、降格もあると宣言し制度を作りました。
ヒントはどうもGEのやり方から得たそうです。
しかし、その制度を実施してから2年経った今、
マネージャーの降格がグループ会社で実行されているのに
本社ではまだ一度も実行されていないそうです。
降格制度があっても本社のマネージャーの誰もが
降格されたことがないそうです。

窮屈で保守的な組織には共通項があります。
「理念があっても制度化しない。制度化しても実行目標がない。
実行目標があっても具体論がない。具体論があっても実行の検証がない」
という連鎖です。
この情けない状況から組織を脱出させる方法は意外と簡単です。
最初から理念を言わないことです。最初から聞こえのよいことを
言わないことです。言わなければ少なくとも
自分たちの言葉とスローガンに安心するような情けない組織に成り下がりません。

ツアーバス会社の罪

2007-06-21 00:00:00 | 日常
低価格を武器に急成長が続く高速ツアーバス。
今年2月の「あずみ野観光バス」の事故が
思い出されます。
しかしこれは氷山の一角に過ぎません。
その背景には、ツアーバス会社に無理を
強制する旅行会社の存在があります。

旅行会社とツアーバス会社の関係は
例えて言えば、師匠と弟子の様なもの、
師匠の言うことは絶対であり、
弟子は従うしかありません。
「あずみ野観光バス」の場合も
運転手が足りないにも拘らず、
旅行会社の要求を引き受け、
無理にバスを運行したことが
事故につながりました。
ここで問題なのは、何故要求を引き受けたのか?
断ることが出来なかったのか?
ここに、この業界の構造的問題があります。

つまり、下請けのバス会社が要求を断ること、
これは即ち今後の仕事を失うことになるからです。
旅行会社はバス会社の足元を見て、
無理難題を要求するのです。
1社の断られても、次のバス会社に
頼めばいいということです。

この悪徳商法で売上を伸ばしているのが
ウイラートラベルです。
2006年には50万人を集客し、
2007年は100万人の集客を目指します。
この会社の許せないところは、
下請けをイジメ、自分達だけが
いい思いをしている点です。
ウイラートラベルの躍進の陰で、
何社のバス会社が倒産しているでしょう?
徹底的はコストダウンを要求し、
その要求に応えられないバス会社は
切り捨てればいいというスタンスです。

本来のビジネスとはそういうものでしょうか?
誰かが一人勝ちするビジネスでいいのでしょうか?
そんなビジネス展開している会社は
長続きはしません。
今まで、急拡大しては泡のように消えていった会社、
それらのほとんどは一人勝ち企業でした。

ウイラートラベルもいつかは同じ目に遭うでしょう。
それは、社会制裁と同じです。
誰も手を下すことなく、社会がその会社の
存在価値を認めなくなるだけです。
「バス、電車という公共輸送は
お客様の為に無くてはならないもの。
社会的使命があるもの」です。
社会的使命より自分達の利益だけを追求する旅行会社、
そんな自分勝手な会社は必要ありません。
全く社会的責任を負っていないことになります。
こういう会社を見ているだけで
憤りを感じます。