社長の独り言

資産運用コンサルタントの社長日記です

CRUDE

2010-05-06 08:30:29 | 日常

先日、日本未公開映画「CRUDE」を観ました。
アメリカの石油メジャーによる、環境破壊、それに翻弄される貧しい国。

南米エクアドルのジャングルで、アメリカの石油会社テキサコが原油採掘を行ったが、
大量の廃棄物を穴に投棄して埋めた。

それが地中に浸透し、アマゾン河や地下水の水質を汚染した。
その水を飲み、そこで獲れた魚を食べて暮らすアマゾンの原住民の間でガンや生まれつき障害のある子どもが増えている。

その地域を浄化するには何百年もかかるため、何千年も昔から住み続けてきた原住民も土地を離れざるを得ない。
この汚染は「アマゾンのチェルノブイリ」と呼ばれている。

住民は集団で、テキサコを合併したシェヴロンを訴えた。
シェブロンは最高の弁護団を雇い、住民の訴えは金目当てのでっち上げだと主張した。
貧しい原住民ははたして、アメリカの国際的大企業に勝てるのか

映画では、被害者の弁護士であるエクアドル人にフォーカスしている。
アメリカという大国を「象」だとすれば、彼は「蟻」の様な存在。
しかし、正義の信念の基に彼は「象」に戦いを挑み続けるのです。

アメリカが今日、世界を支配する力を得たのはこの「石油」の力です。
一方この陰では、映画に描かれている様な南米の貧しい国の現実があります。
貧しいが故に、大国の言いなりになってきたのです。
近年では、この現状を打破すべきリーダーが顕れるようになってきました。
しかし、この状況を変えるには相当な時間が必要です。

いつも被害者は国民です。それも貧しい人が一番の被害者になります。
戦争でも、開発でも国家の論理の前では、国民は無力なのか?
この悲しい現実と、大国のエゴに気づいている人は少ないでしょう。
この様な映画が公開されない「日本」の文化レベルの低さにも、
嘆かわしいものを感じます。



トヨタリコール

2010-02-26 23:31:50 | 日常
トヨタのリコール問題がアメリカで大きく
取り上げられています。といっても議員の
点数稼ぎの様相が大きいですが・・・。

豊田社長が米議会の公聴会まで出向くこと
になったのは、どんな意図が働いているの
でしょうか?

トヨタの車で、ある不具合があり死亡事故
が起きたことは紛れもない事実です。
しかし、一メーカーの事故に対しアメリカ
運輸省のトップが、会社批判の様な発言
をすることは如何なものか?もし、これが
アメリカ車であれば、同じ様な発言になっ
たでしょうか?

公聴会での豊田社長の発言、姿勢にはアメ
リカ企業の経営者とは全く違うものを感じ
ました。大袈裟な、異常な盛り上がりをす
るメディア米議会の議員に対しても、謙虚
な姿勢を示してくれました。それは日本人
の持つ「おくゆかしさ」または、武士の潔さ

を感じました。
この大和魂が根底にある限り、日本の技術に
陰りは見えません。アメリカのそれとは大違
いです。過ちを過ちと認めないアメリカの国
民性では、反省に立ちかえることがありません。
そこには進歩、信頼も成り立ちません。だから、
アメリカ製品にろくなものが無いのです。
現に、リコールの年間台数をみれば、アメ車が
断トツに多いのです。

今回の問題で明らかになったのは、日本人の
奥ゆかしさです。間違った批判にも真摯な姿勢
を貫くこと、まさに美学です。物作りへの真摯
な姿勢が、トヨタという会社をここまで育てた
のです。それは初代から受け継がれてきたもの
です。
「肉を焼くだけの文化」の輩に何が分かるのだ。

空港行政

2010-01-25 10:03:33 | 日常
羽田、成田のハブ空港化の手遅れにより、莫大な
機会損失が生じています。

地方空港から、韓国の仁川空港への定期便は、
28路線に及んでいます。ところが地方空港から
成田へはわずか5路線だけです。この差をみれば、
行政の手遅れは歴然です。多くの顧客が、韓国
に流れているのです。

国土交通省(旧運輸省)の空港行政の無策な点が
浮き彫りにされました。何故、成田への国内便
を増やさなかったのか・・・。これでは韓国の為
に地方空港を造り続けてきたと言われても、仕方
ありません。この地方空港建設費の、我々利用者
の運賃から積み立てられらたものです。無駄な地方
空港の為に、貴重な税金を無駄遣いされたことに
なります。

今回の日本航空の問題も、この行政の失策による
ところが大です。つまり、地方空港から仁川空港
への旅行客の流失が防げれば、日本航空の海外線
の利用客の落ち込みは防げた筈です。成田空港を
ハブ空港にする政策を開港の時から行っていれば、
今回の問題は防げたかもしれません。

前原大臣が、羽田ハブ空港化の発言をした時に、
千葉県知事をはじめ、非難の声があがりました。
まさに、「木を見て森を見ず」の発言です。
問題はもはや、都道府県の問題ではなく、日本
国の問題なのです。日本国としての国益が海外
に流失している危機的状況なのです。

前原大臣には、今までの失政を検証し、将来を
見据えた空港行政に取り組むことを期待します。

菅財務大臣

2010-01-11 13:33:56 | 日常
菅財務大臣の就任直後の為替発言、マスコミが
騒いでいますが、そのレベルの低さに呆れるば
かりです。

為替相場について、円安方向が望ましいとの発言に
メディアがかみつきました。一体何故?
円高による国益の損失は莫大なものでした。外需
依存の日本では、輸出産業が外貨を稼ぐことが
基本なのです。内需喚起など、理想論を言うメデ
ィアは、単なる「偽善者」です。物事の本質が分か
らないのか、分かっている「確信犯」なのか?
空論、理想論を語る前に、真実を伝えるのがメディア
の責任なのでは?
今回の菅財務大臣の発言により、日本には多大な国益
がもたらされました。景気回復の二番底を危惧する
経済界には、希望の光です。

日本が進むべき道、それはアジア圏への進出です。
今こそ、日本国内の需要に拘るより、中国を始めとする
アジア圏全体を内需として考えるべきです。
中国で最も活気があり経済成長しているのは、もはや
上海、北京などの沿岸部ではありません。それは内陸
の都市なのです。その成長率は年率10~20%という
驚異的な数字です。この10年間で、何十という内陸部の
地方都市が発展、成長しています。そしてその流れは、
今後益々勢いづくことでしょう。まず、ビジネスチャンス
を掴まなければなりません。これこそが、アジア圏として
の内需拡大なのです。その為には、円安で外貨を稼ぐこと
は必要であり、日本国としての成長戦略として、必然の
ことなのです。

菅財務大臣は正しいことを発言したのです。低レベルの
メディアに屈すること無く、信念を貫いて欲しいです。
待ち望んだ強いリーダーの登場になるか?

JAL

2010-01-10 09:55:00 | 日常
JALの再建計画が、固まってきました。
法的整理という形で、決着されそうです。

これにより、OB、現役社員の年金は大きく
減額されます。一般国民としては、税金投入
の対価としいて、それなりの痛みを期待して
いただけに、一応納得出来る結果となりました。

元々、JALの年金額を聞くと、常識外れと言わざる
を得ません。年金の運用利率4.5%を約束している
こと、それの拘ること、これ自体が非常識です。
金融業界にいれば、その数字がいかに非常識であ
るかは、明瞭です。この低金利時代において、過去
の遺物の様な利率を維持していることは、おかしな
ことです。その結果、債務超過に何千億円になって
いるのでは、本末転倒です。

今回の法的整理にあたり、彼らも相当の痛みを伴う
ことでしょう。それは可哀そうではなく、当たり前
のことです。厚生年金、企業年金合わせて60万もの
年金を貰っていることが、非常識なのです。
会社が約束したことが、未来永劫に守られる保証
は、どこにもありません。何故なら、会社が未来
永劫に、発展し続ける保証など無いからです。

年金に拘ったOB社員が、もっと早くにこのことに
気づき、会社のことを考えていたら、今回の様な
法的整理は免れたかもしれません。結局、彼らは
会社より自分の利益に拘ったのです。

銀行の役割

2009-12-28 23:45:01 | 日常
最近の銀行は、はたしてその役割を果たしているの
だろうか?

銀行の役割は、人間の体で言えば「心臓」です。
身体を生かす為に、全身の血液を送る役割をする
ものです。産業、経済を生かすものは、「お金」
という血液です。銀行の機能が巧く働かないこと
は、心不全と同じことです。つまり、「死」を意
味するのです。

今、銀行は自分の身の保全に必死なのです。お金を
社会に送り出すことより、自分の身を守ることしか
考えていません。中小企業などは、この影響をまとも
に受けています。信用力、担保余力が無いところには
銀行は1円たりと融資することはありません。

企業や産業を育て、そして一緒に成長することが、
高度成長期の銀行の果たした役割でした。しかし、
今はその影はどこにもありません。産業の成長が
止まる時、それは銀行も終わる時です。

今、メガバンクは自己資本不足という脅威に脅か
され、本来の業務を等閑にしている。金融危機以
降の日本経済を立ち直らせるには、企業と伴に
日本経済を切り開く力を発揮することであり、
それには銀行の活力が不可欠です。
企業を再生させ、日本経済を再生させることこそが、
銀行に求められているのです。

政権交代100日

2009-12-25 09:15:21 | 日常
民主党が政権交代をして100日が経過しました。
政権交代に掲げたマニュフェストの実現にも
幾つかの陰りが見えてきました。

第一の期待外れは、鳩山首相です。残念ながら
リーダーシップがあるとは思えません。その陰
にいる小沢幹事長の操り人形に見えるのは私だ
けでしょうか?思えば鳩山財閥のボンボンとし
て何一つ不自由なく育ってきた環境が、その大
きな要因でしょう。自分で判断し、行動すること
が出来ないのです。いまだに、母親から何億円
もの「援助」を受けている人が、自分の考えを
自覚と責任を持って行動するこは、不可能でし
ょう。

二つ目は、財源の読みの甘さです。多くの公約
の中でも子供手当、ガソリン暫定税率廃止は、
お粗末な結末となりました。「財源はいくらでも
ある。埋蔵金は数兆円ある。」と言ってきたこと
が虚しく聞こえます。

政治家としての発言には、重みがあるべきです。
公の発言としての自覚が必要なのです。自民党
の「虚言」にウンザリしてきた国民の支持を受け
民主党は圧倒的な支持を受け、政権交代しました。
しかし、再び同じことが繰り返されるのではと、
国民は不信感を抱き始めました。

政権交代後、まだ100日とみるか、もう100日とみる
かは、政府自身に危機感があるかどうかです。
一つ一つのことに、結果を出さなければ、信頼を
得られないには、政治に限ったことではありません。
政治家である以前に、一人として信頼されなければ
なりません。

河村市長の挑戦

2009-12-24 08:45:00 | 日常
河村名古屋市長の戦い、それは議会との真っ向う勝負
です。名古屋市議の選挙投票率は政令指定都市中では
最低の約39%です。つまり、ほとんどの市民は無関心
であり、当選する市議会議員の約4割は地盤、看板を
引き継いだ議員なのです。
驚いたのが議員の待遇です。彼らの報酬は2200万円、
議会日数はたったの70日しかありません。更に特権
は、当選回数制限は無し、これでは既得権に胡坐を
かき、居座ることしか考えない議員ばかりです。

河村名古屋市長は、この議員改革に乗り出したのです。
「議員はボランティアであるべき」との持論を持つ
河村氏は、自らの報酬を2700万円から800万円まで削減し、
公用車も廃止しました。「減税なきところに改革なし」
を謳い、税金の無駄遣いを自ら改める改革を始めたの
です。

これに対する議会は、既得権の侵害の危機として
大いに反発しました。彼ら市議会議員の多くは一部
の利益団体の支持を受けた人達です。言い換えれば
一般市民の支持を受けた議員では無いのです。金と
利権にまみれた人が議員になっているのです。これ
では、市民目線の改革など到底不可能なことです。

河村名古屋市長の、この動きにようやく市民も目を
覚ましたのです。一部の市民が「河村サポーターズ」
を結成、議会改革の後ろ盾となる活動を始めたのです。
名古屋発のこの市民運動、一般市民が政治に積極的に
参加する道標となればと思います。無関心、無責任な
ことが、政治腐敗、金権体質の温床を生み出します。
今こそ、一般市民は「行動」を始めるべきです。

キャピタリズム

2009-12-23 11:47:07 | 日常
マイケルムーア監督の最新作「キャピタリズム」を
観てきました。

アメリカの資本主義の矛盾点を、ムーア監督独特の
視点で創られていました。1%の富裕層が、残り99%
の一般市民の犠牲の上で、ノウノウと暮らしている
のが「キャピタリズム」資本主義なのです。

驚いたのは、アメリカのエアラインのパイロットの
待遇です。彼らの平均給与は約2万ドル、日本円では
180万円です。これはスーパーのパートの「おばさん」
とほぼ同額になります。厳しい審査、訓練を受けた
彼らが、パートの「おばさん」と同じ給与です。
当然ながら、彼らは他に収入を得る為に、アルバイト
をしているのです。ある女性パイロットはウエイトレス
のアルバイトをしていました。日本では信じられない
ことです。
今まさに、JALの問題が起きていますが、アメリカの
航空業界の実態を知ると、JALはなんと優遇されてい
るかが分かります。メディアこそこの様な情報を、ど
んどん提供するべきです。

つまり、アメリカではほとんどの一般市民は、先進国
でありながら、当然の権利である医療保険、団結権、
最低賃金などを持っていないのです。資本主義こそ自由
の象徴として、アメリカ国民を洗脳してきたのです。
そこには、「弱肉強食」以上の「強者の弱者搾取」しか
存在しない世界に」なったのです。利権があるものは
絶対に負けない勝負です。「大貧民」というゲームで、
一度大富豪になると、なかなか負けないというルール
と同じです。それを変えるのは「革命」だけです。

この映画は、資本主義の全てを否定するものではありま
せん。寧ろ、その資本主義を自分勝手に悪用している
権力者達を痛烈に批判しているのです。
皆さんの周りにも、会社という身近な資本主義がある
と思います。そこにも同じような矛盾があるのでは?

事業仕訳け

2009-11-20 10:02:35 | 日常
事業仕訳けについて、色々と苦言を呈しているのが
野党となった自民党です。
自分達のふがいなさを棚上げにして、よくも文句が
言えたものだと思います。

民主党政権になり、密室で行われたものを、オープン
にしようと始めたのが、事業仕訳けです。各省庁から出
された予算内容について、適正なものかを審議するも
のです。
自民党はこれについて、「やれ審議時間が短い、財務省
の言いなりだ、政権主導ではない等」、中傷誹謗発言を
繰り返しています。
今まで、国民には何一つ情報開示も無く、利権に群がる
人達だけが恩恵にあずかる予算計上を続けてきました。
その典型が、ダムや地方空港です。意味の無いものでも、
利権に繋がる事業は、どんどん行ってきた結果が、この
始末です。人の批判をする以前に、自分達の行ってきた
ことを、もっと反省するべきです。

確かに今回の事業仕訳については、疑問や不満な点も多々
あります。それは今後の改善点として次回につなげれば
良いと思います。問題は、この事業仕訳が国民にも開示
されているところです。各省庁が、どんなことに、どれ
だけの予算を計画しているかを、我々国民は初めて知る
権利を得たのです。ここを大いに評価すれべきです。

国民は、自ら払った税金の使い道を知る権利があります
が、今回初めて権利として行使出来たのです。