どこに目が行くか・・・

初めて誰かにあった時、
一体、どこに目が行くだろうか・・・

ぼくは、アヒルという立場上、
人間界の景色については見上げる景色が多かったりするのだけれど、
綾乃さんが、電車で移動中の時、
シートに座っていた時に前にいた人の
何気ない景色に、心なごんだことがあったとか・・・

通勤帰りの混雑していた地下鉄。
綾乃さんが、たまたま乗り合わせたその電車。
座っていた綾乃さんの前に、
ひとりのネクタイにスーツ姿の男性が乗ってきて立ったそうだ。
車内はかなり混雑していて、
つり革につかまるその姿も
自分の居場所を確保しようと
どことない懸命さを感じたそうだ。

ふと、綾乃さんは目の前のあるものに
目が行った・・・
それは、ネクタイ。
明るいウグイス色のようなそのネクタイに
何か織り込まれた同系色の柄が目についた。

！
キティーちゃんだ！！

綾乃さんは、そのちょっと疲れたように立っている男性を
思わず見上げたらしい。

人の年齢は、摩訶不思議で、
果たして実際の年齢がいくつなのかはわからないけれど、
綾乃さんの目には、40歳代の後半から、50歳代の前半くらいに
見えたそうだ。

自分で買ったのではないのであろう、その
キティーちゃんのネクタイは、
一体誰からの贈り物なのか・・・
可愛い娘さんからの贈り物だろうか・・・
それとも、少し年下の可愛い奥様なのだろうか・・・

今日つけて行くネクタイは自分で選んだのだろうか。
ネクタイ、自分で締めるのだろうか。
それとも愛情一杯？に結んでものらうのかな・・・


ぼく？
昨年の夏、綾乃さんに
蝶ネクタイのようなものをつけてもらったことがった。
でも・・・

首周りがなんとなく気になって
口ばしでつついてとってしまった。

かつて、綾乃さんが教壇に立っていた時に、
生徒達と教壇の先生の一体どこに目が行くか
という話をしたことがあったそうだ。
どこだと思う？
男の先生なら、
迷わずネクタイだそうです！

ほぉ～～～


見て見て、
ぼく、ブルーのネクタイだよ！

ぐわぁぁぁぁ・・・