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『夢のあと』シャーウィン裕子著(講談社)を読んで

2009-09-25 09:40:08 | 書評
この本は、日本近代の一家族の変遷を描いた大河小説だ。まずイギリス、オランダ、アメリカで出版され、激賞された。邦訳はその後で、著者により大幅改稿された。

まずは、福沢諭吉の弟子である井上角五郎が主人公として始まり、当時の政治情勢、朝鮮での活動など大変丁寧に書き記している。一方で家庭内では、妻への思い、芸者を引いて子供を4人作った後の複雑な葛藤、妻の死、残った子供の合流など大変微妙な機微を、琴線を奏でるように描いていく。第二次大戦の戦禍により、家族は崩壊。後の余韻は大変奥深いものがある。

表紙のデザインは、著者の祖母(角五郎の愛妾)の総刺繍帯の一部で、豪華端麗だ。

読んでいて、なぜか心が落ち着く本である。

『夢のあと』シャーウィン裕子著(講談社)

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