小生は、ゲーテについて正直に言って、あまり知らないというしかありません。たまたま目に留まったこの本をさっと見て、これなら簡単にゲーテのエッセンスがつかめるなと考え、文庫本でもあり、手軽に購入しました。
読んでもまだあまりゲーテの思想がわかったとはいえませんが、そのいっている言葉の中には、至言、生き方を示す意味深いものが沢山あります。ここで、その中からさらに抽出して、紹介します。これでも選び抜いたのですが、まだ長いですね。
なお今日は、本文の終わりに、マネー月刊誌・日経マネーのアンケート募集の案内を載せています。回答すると集計後の全データが見られるそうです。プレゼントも用意されているとのことですので、よろしければどうぞ!!
・ 一人の人を愛する心は、どんな人をも憎むことはできません。
・ 節度を保ち、不自由を忍ばねば、手に入れることのできぬものもあります。
徳はそれだと申します。
徳とは縁続きの愛も同様です。
・ すべての階級を通じて、一段と気高い人はだれか。
どんな長所を持っていても、常にこころの均衡を失わぬ人。
・ 君の胸から出たものでなければ、
人の胸を胸に引き付けることは決してできない。
・ 「よく見ると、およそ哲学というものは、常識をわかりにくいことばで表したものに過ぎない。」
・ 仕事の圧迫は心にとってきわめてありがたいものだ。その重荷から解放されると、心は一段と自由に遊び、生活を楽しむ。仕事をせずにのんびりしている人間ほど惨めな物はない。そんな人はどんなに美しい天分もいとわしく感じる。
・ 仕事は仲間を作る。
・ 利己的でない好意的な行いが、もっとも高い最も美しい利子をもたらす。
・ 誠実に君の時間を利用せよ!
何かを理解しようと思ったら、遠くを探すな。
・ 人間は現在を貴び生かすことを知らないから、よりよい未来にあこがれたり、過去に媚を売ったりする。
・ しっかり立って、身のまわりを見よ。
有能なものに対して、この世界はだまっていない。
何で永遠のなかにさまよい出る必要があろう!
自分の認識することは、手につかむことができる。
・ 勇気を失ったのは―すべてを失ったことだ!
生まれなかったほうがいいだろう。
・ どんな地位であっても、実行、あるいは忍耐によって貴くし得ないような地位はない。
・ 人が君の議論を認めない場合も、忍耐を失うな。(コーランから)
・ 人間だけが不可能なことをなし得る。
・ 喜んで事をなし、なされたことを喜ぶ人は、幸福である。
・ 苦しみが残していったものを味わえ!
苦難も過ぎてしまえば、甘い。
・ 孤独はよいものです。自分自身と平和のうちに生き、何かなすべきしっかりしたことがあれば。
・ 何人も他のものと等しくあるな。だが、みな最高のものに等しくあれ。
どうしたら、それができるか。みなめいめい自己の内部で完成されてあれ。
・ 「真に神を愛するものは、神からも愛されることを願ってはならない」-スピノザ
・ ひとつのことを正しく知り且つ実行することは、百通りのことを半ばにやるより、高い教養を与えるものである。
・ 人が実際の値打ち以上に思い上がること、実際の値打ち以下に評価すること、ともに、大きな誤りである。
・ だれでも、人々が自分を救世主として待望しているなどとは思わないでくれ!
・ 自分を他の人の立場におけば、我々がしばしば他の人に対して感じる嫉妬や憎悪はなくなるだろう。また他の人を自分の立場においたら、高慢や独りよがりは大いに減ずるだろう。
・ 始終自分を他の人と同列に置こうとばかりしなかったら、人々はお互いにもっとよく知り合うだろう。
・ 豊かさは節度の中だけにある。
・ 有能な人は、常に学ぶ人である。
・ 人は何を取りあげ、操作するにせよ、個々の人間としては充分ではない。有為な人間はすべて相互に関係しあわなければならない。
・ 財布の紐をがっちり引き締めている人に対しては、愛想の示しようもない。
得ようと思ったら、先ず与えよ!
・ 支配することは容易に学び得られる。治めることは学び難い。
・ 最善をなそうと思ったら
自分自身に安住しないで、
名人の心に従え、
名人とともに迷うのは得るところがある。
・ 真の弟子は、知られたものから知られざるものを発展させることを学び、かくして師に近づく。
・ 絶えず努めて倦まざる者を
われらは、救うことができる。
・ 結局われわれはどう立ちまわって見ても、みな集合体なのだ。・・・われわれはみな先人からも同時代人からも受け入れ且つ学ばねばならない。最大の天才でさえも、自分の心だけに頼ろうとしたら、大したことはできないだろう。・・・要は、大きな意欲を持ち、それを成就するだけの技能と根気を持つことだ。
・ 暑さ寒さに苦しんだものでなければ、
人間の価値などわかりようがない。
・ 大衆がためらいつつうろうろする時、
敢然と行うことを忘れるな。
心得てすばやくつかむ気高いものは
どんなことでもなしとげることができる。
・ ブリテン人よ、諸君は理解した、
活動的な心、制御された行為、急がぬ不断の努力を
・ 種をまくことは、取入れほど困難ではない。
・ はるかな世界と、広い生活を、
長い年々の誠実な努力で、
絶えず究め、絶えず探り、
完了することはないが、しばしばまとめ、
最も古いものを忠実に保持し、
快く新しいものをとらえ、
心は朗らかに、目的は清く
それで、一段と進歩する。
・ 内的な生活は外的生活によってのみ刺激されます。生活の髄を干からびさせるような冷ややかな思索によってではありません。
・ 真剣さなくしては、この世の中で何事もしとげることができない。教養のある人と呼ばれる人たちの間に、真剣さはほとんど見出されない実情である。
・ 人を知らねばこそ、人を恐れる。
人を避けるものはやがて人を見そこなう。
・ 目標に近づくほど、困難は増大する。
・ どんな賢明なことでも既に考えられている。それをもう一度考えてみる必要があるだけだ。
・ 我々には理解できないことが少なくない。
生き続けて行け。きっとわかって来るだろう。
・ 朗らかな心で私は理解したいと願う、
目と耳の提供するものを。
・ 人がわたしたちのところに来るのでは、その人を知ることはできない。人がどういうふうであるかを知るためには、私たちはその人のところに行かなくてはならない。
・ 理解していないものは所有しているとはいえない。
・ 世の中では、人間を知るというのではなく、現在目の前にいる人より利口であるということのほうが関心事である。年の市や露天商がそれを証拠立てている。
・ 我々に恩を受けている誰かに会うと、我々はすぐにそれに思いつく。我々が恩を受けている誰かに会って、そのことに考え及ばぬことが、どんなにたびたびあることだろう。
・ 忘恩は常に一種の弱点である。有能な人で忘恩だったというのを、私はまだ見たことがない。
・ 人々は人間を実際以上に危険だと思いがちである。
・ 何かを非難するには、私は年をとり過ぎている。
だが、何かをなすだけの若さは、いつでも持っている。
・ 正直であることを私は約束できる。しかし不偏不党であることは約束できない。
・ ランプの燃えるところには、油のしみがあり、ろうそくの燃えるところには、燃えさしがある。ひとり天の光は清く輝いて汚点をとどめない。
・ 優れたものを認めないことこそ、すなわち野蛮だ。
・ 時を短くするは何ぞ?
活動!
時を絶えがたく長くするは何ぞ?
怠惰!
負債に陥れるは何ぞ?
手をこまねいて待つこと!
利益をえしむるは何ぞ?
長く思案せぬこと!
名誉に導くは何ぞ?
おのれを守ること!
・ 批評に対して自分を防衛することはできない。これを物ともせずに行動すべきである。そうすれば、次第に批評も気にならなくなる。
・ 人はだれとでも一緒に暮らすことを望まない。従ってだれのためにでも尽くすというわけには行かない。そのことをよく弁えるものは、自分の友を尊重することを知るであろうし、自分の敵を憎んだり迫害したりしないであろう。むしろ自分の敵の長所を認めることができるなら、それより大きな利益は容易に得られない。これによって、敵に対し決定的な優位が与えられる。
・ すべてをすぐにさぐろうとするものがあろうか!
雪が溶ければ、ひとりでに見つかるだろう。
・ 気持ちよい生活を送ろうと思ったら、
済んだことをくよくよせぬこと、
めったなことに腹を立てぬこと、
いつも現在を楽しむこと、
とりわけ、人を憎まぬこと、
未来を神にまかせること。
・ あせることは何の役にも立たない。
後悔はなおさら役に立たない。
前者はあやまちを増し、
後者は新しい後悔を作る。
・ 敵の功績を認めることより
大きな利益を私は名づけ得ないだろう。
・ 耳あるものは聞くべし。
金ある者は使うべし。
『ゲーテ格言集』ゲーテ著(新潮文庫)
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