グローバル・スタンダードの最高峰資格CFAとCFPを持つ完全独立のFP・資産運用アドバイザー尾藤峰男の書評ブログ

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スティール・パートナーズの行く先は...

2008-05-30 17:21:50 | Weblog
昨日は、スティール・パートナーズが久々に新聞をにぎわせた。アデランスの筆頭株主として約29%を握っているが、今回の株主総会で、会社が提案する取締役が、社外取締役を除き否決されたということだ。いよいよ日本の株主資本主義も正常化するのではないかとの期待感から、今日(30日)は上がったともいえよう。

ただ、スティール・パートナーズの行動パターンがやや変わってきている。ブルドックソースでの訴訟合戦に懲りたのか、これまでの攻撃的なスタンスを控え、自社株買いや増配を求める提言書を送るなどおとなしい動きになっている。

一方、スティールについては、本日気になる記事が出ている。すなわち、12.96%を保有する中北製作所株を、オーナー社長の娘婿に売却したというものだ。株取得のコストが17億円で、売却額が30億円、多額の利益を得た。要は、儲かることが最大の眼目で、それまでの行動は、如何に株価をそのために上げるかということ、それがすべてということだ。

どうもこのパターンは、たちが悪く飲み込みにくい。安易な経営サイドの買い取りが横行しかねないということと、大量取得した株がこのように経営サイドが引き取ってくれるという、いわばモラルハザードが懸念されるのだ。言葉は悪いが、大量取得して経営陣に刃をちらつかせれば買い取ってくれるという思惑が、大量取得側に出てくる可能性がある。

この二つの記事を見ていると、スティールは、徐々に幕を引き、撤退していく可能性も否めない。一般株主は、スティールが持つ株には近づかないほうが得策だろう。

思想家エマソンの思い

2008-05-29 09:14:16 | Weblog
19世紀を生きた米国の思想家エマソンの思想は、その後のアメリカ国民の思考形成に大きな影響を与えて、今でも人々の心に脈々と引き継がれているといわれている。その根底にあるのは、人間尊重の個人主義といえるものだ。


エマソンによれば、「自然の中に調和しているものは、それ自体が輝きを増す」という。自然とはなんだろう。彼によれば、「自然とは、地球や生き物を形成してきた宇宙の法則」である。人間がその中に調和しているとき輝きを増すという。人間はその自然の中から生まれてきたわけだから、至極当然のことだが、この法則にもとづかないでうまくいかなかったり、社会的な事件が起きたりすることは非常に多い。意外と自然に調和していないことを意識しないでこうなっているのではないかと、思ったりもする。エマソンによれば、それらの多くが宇宙の法則を外れ、あるいは背いているためなのだ。

「人がよい目的を追求する間は、自然の力に助けられるために強い。」 私の言葉で解釈すれば、普遍的真理をはずさなければ、自信を持って自分の信念を貫いて前進しなさいということだ。自分のやることが世の中の役に立つと確信して続けている間は、自然が助けてくれる。こんないいことはない。気分が明るくなり、やる気が湧いてくるというものだ。

エマソンは、「自分の足であゆみ、自分の手で働き、自分の心で語りましょう」「汝自らに従え」という。そうすることによって、その人だけに自然から与えられた任務を見出し、自身が輝きを増し、自然が形成しようとする人間社会に役に立つという。

「自分自身の心を信頼すれば、他人はますます信頼するようになる。」 やっていることが宇宙の法則に適っていると自分で信じて続ければ、人も信頼するようになる。
エマソンに関心のある方には、以下の著作の一読をおすすめする。

日本教文社  エマソン「精神について」 「自然について」

人口減少を止めるには、この方法しかない!!

2008-05-28 10:30:54 | Weblog
日本はこれからどんどん人口が減っていく。われわれ国民も、ただ漠然と人口減を受け入れているようだが、このままでいいのだろうか。人口が少なくなれば、必然的にマーケットは縮小する。一方米国、フランス、英国はいまどんどん人口が増えている。

政府の中位推計では、日本は2046年に今の人口1億2800万人から1億人を割り込み、2065年には8000万人を下回ってくるという。そうなれば、さぞ電車の中は空き、いま交通渋滞の道路もさぞスイスイ走れるだろう。このようにうれしいこともある。ところが、だ。その頃には、国内市場は大幅に縮小し、日本経済の世界に占める地位も大きく下降しているだろう。

よく人口減の中で、経済成長を維持するために、日本は付加価値の高い製品を輸出したり、技術開発型の産業を振興したりする必要性が上げられている。そうする努力は当然だが、中国やインド、ロシアなど新興国が、これから急速に技術力を上げてくるであろうし、先進国との生産性を比較してみれば、すでに日本の労働生産性は、OECD加盟国の中で下位グループだ。グローバル経済の中で、激烈な競争が繰り広げられており、日本が他国と互角以上に戦うのは至難の業だ。

では、どう対処するべきか。人口を増やす以外に方法はないといっていい。人口減少が急速に進み、高齢者比率が増えるなか、たくさん食べようというのは無理があり、所得が増えない中、これまでの資産を食い潰し、いい物を食べ、いいものを買う気にもならないだろう。新たな消費を呼び込むのは、新たに買う人を増やすため、人口を増やすしかない。ではそれにはどうしたらよいか。

よく行われる議論として、働く女性の育児がしやすくとか、保育所を増やす、労働時間を減らすとか男性にも育児休暇を、3人生んだら助成金を増やすとかいろいろ対策が挙げられているが、はかばかしい効果は見えない。おそらく10年経っても大した効果は出ず、人口減をとめるまでにはならないだろう。これらすべてがいわば表層の解決策になっているからだ。本当に人口を増やそうとすれば、まず国の仕組みから議論する必要があると思う。

そこで、日本が真剣に考えなければいけないのは、移民の受入だ。日本人には移民という言葉に嫌悪感や違和感を持つ向きもあるようだ。南米への日本からの移民では、現地での苦難がよく報じられ、関東大震災では朝鮮人へのいわれない迫害が行われ、いわゆる人種差別的な空気が世間にあったことは否めない。また歴史的に見れば、江戸時代は鎖国が続き、そもそも外国人との交流という行為が日本人にとってはありえないことであった。これらの習慣が日本の文化あるいは日本人の思考形成として根付いた可能性がある。いわば日本人のDNAともなっていると考えるべきかもしれない。

ところで、皆さん、冒頭で挙げた、人口が増えている先進国3カ国の出生率をご存知だろうか。2003年の米国、フランス、英国、日本の出生率は、米2.04、仏1.89、英1.71、日本1.29である。私は英、仏あたりは日本とあまり変わらないのではと思っていたが、とんでもない。2065年には、人口で英国が日本を上回る見通しだ。では、これら3カ国の出生率はなぜこれだけ高いのか。そのわけは移民だ。移民というと、これらの国でメディア的にはさまざまな社会問題という面から取り上げられるが、人口増という面で実は大変重要な役割を果たしている。彼らの移民は、人口増加をもたらし、新しい消費者層を形成し、さらに彼ら母国の高い出産率に追随し、多産の傾向が強い。こうして、新たな消費が生まれ、マーケットは拡大し、労働市場の再配分が実現し、国内経済は活性化し、社会全体のパイは広がり、経済の成長が維持される。

グローバル化が進むということは、もの、金とともに人も動くということだ。この視点を日本人は見落としている。新興国が急速に存在感を示し、先進国がこのようにして国の形をつくりつつある中、日本が長期にわたり持続的経済成長を図るためには、移民を受け入れるという国家的意思決定、国民的コンセンサスが必要な時期に来ている。

70歳まで働こう!!

2008-05-27 08:00:38 | Weblog
高齢化・人口減がますます社会的な問題として、これからクローズアップされてくるだろう。それをみても、何もしない政府、政治家の無策(やるやるとアナウンスしている掛け声だけの象徴的な事例だ)にはあきれるが、喫緊の問題だ。

団塊の世代が続々退職する中で、貴重なノウハウや経験がどんどん消えていく。いっぽう、少子化、若年層のニート、フリーター、アルバイト的低価値労働力への傾斜が、板ばさみのように日本を覆う。そして国家の競争力が弱体化していく....というパターンをたどることも考えなければならない。

ここで提案したいのが、70歳定年だ。いま60歳の人たちを見てみたらいい。みなさん若々しく、とてももう定年で肉体的にも働くのは無理という顔つきをしている人は少ない。ところで、昭和35年(1960年)の男性の平均寿命は65歳だった。そして、それが現在は80歳。もし当時も60歳定年であったならば、余生は5年しかなかった。もうすこしゆっくりしたいと思うだろう。ところが、現在は、余生20年。この差15年は人生のなかでも大きな違いだ。

70歳に定年延長しても、まだ余生は平均して10年ある。意欲があって知識・経験がある人は、自主的に定年延長できる仕組みがあってもいい。こういうことをまじめに真剣に考えるべき時期に来ていると思うが、いかがだろう?



日本の航空会社はエアバスA380をなぜ買わないの?

2008-05-26 10:13:42 | Weblog
シンガポール航空が、5月20日シンガポール-東京便に、エアバススーパージャンボA380で初就航した。あいにくその日は台風の影響で、中部名古屋空港に着陸、成田着は大幅に遅れたため、成田でのセレモニーに大きく影響もあっただろう。しかし、まずは安全第一。とにかく毎日、日本にくるようになっただけでも喜ぶべきだ。

ところで、このスーパージャンボを、日本の航空会社がシリアスに購入を検討しているという話は聞かない。なお全日空は、新型機ボーイング787ドリームライナーの最初の購入先である。同じく、米国航空会社もエアバスA380を購入する契約を結んでいないが、こちらは自分の足元がそれどころではないので、話はわかる。日本航空も、今リストラからようやく立ち直ろうとしている最中で、それどころではないというところか。

日本人にとって、この総2階建て新型機になかなか乗りにくいということは、大変残念だ。今はこのシンガポール航空のみ。ただ、正確には、今世界でシンガポール航空のみがA380を就航させているということではある。しかし、日本の航空会社が、いまだにA380を発注する動きにないということは、すくなくとも5~10年先まで就航はしないということだ。なにしろ、製造が間に合わないからだ。受注はまだ多くはないのだが、新型機のためたまった分を製造するので精一杯なのだ。

この客席シートの実物を見てみたが、今までの客席のコンセプトをガラッと変えたものだ。10~20年先を先取りしたようなつくりになっている。ぜひ我々日本人も、乗りごごちを味わってみたいものだ。日本の航空会社の熟慮検討をお願いしたい。

ミャンマーのサイクロン大災害はどうなった?

2008-05-23 09:15:30 | Weblog
四川大地震の復興作業は、中国の国を挙げて、懸命に進んでいる。国際社会への緊急支援物資の要請も早い。一方、ミャンマーのサイクロン大災害は、情報が少なく、外からは見えない。国連のバン・キムン事務総長がミャンマー入りしたが、ミャンマー政府の要請は、被災支援の段階は終わったから復興支援のための金をくれというものだ。ミャンマーは軍事政権が圧制をしいていて、情報が入らないため被害の実態はわからない。最大の悲劇の可能性があるのに、国際社会は手をこまねいてみているしかないという状況だ。国家の犯罪という事態を引き起こさないことを祈るばかりだ。

四川大地震-困難に立ち向かう中国

2008-05-22 08:29:20 | Weblog
自然災害に人間は時には、無力。今回の天災に多くの犠牲者が出たことは、悲しむべきことであるが、避けられない面があった。一方で確かに、建物の耐震度が基準より低かったということは責められることだ。役人の腐敗というひずみは国の腫瘍のようなものだから、これは大いに究明されなければならない。

ここで、小生が特に目を向けたいのは、この困難を克服しようとする国家を挙げた団結力、あるいは国民の愛国心だ。これは、その国の将来を占う大事な要素だ。今回の大惨事への中国政府の機敏な対応に、評価は概ね高いという。やや遅きに失したといわれたが、日本の支援も入ったし、決して排他的ということでもない。チベット問題もとりあえず脇に置かれるしかないだろう。北京オリンピックへの成功への国際的な協力も得られよう。

おそらく、中国はピンチをチャンスに変えて、さらにステップアップしてこよう。この国は、現在急成長しており、いつかバブルがはじけると懸念する声も聞かれる。また急成長していく過程で、貧富の差などの格差拡大も目立つ。しかし、これらはその過程では出てくることは避けられない。しかし、近視眼的にこれらだけを見ては、間違う。全体をみれば、かなりの勢いで国の形ができてきている。巨大な消費市場が形成されてきているし、それがまだまだ伸びそうだ。中央政府の運営力は、かなり高い。これも侮れない。

おそらく、国を挙げて今回の困難を乗り越えて、さらなるステップアップの段階を迎えると見る。絶えずこの国は、要注目だ。

iPod nanoを買いました。

2008-05-21 10:17:22 | Weblog
ジョッギングをしたりしているとき、ただ走っているだけでは面白くないので、iPod nanoを購入した。最初アマゾンで注文したのだが、売れ行きがよいらしく、送付時期が大幅に遅れるとのことで、ヨドバシで手に入れる。ポイントは最低の5%だ。アップルがやることは何でも洗練されていて、スタイリッシュ。パッケージはたばこの箱程度のプラスティック。省資源もここまでやればというところだ。

小生は、最初クラシックのでかいほうをイメージしていたが、小さい小さい。このごろバッグに入れるのでも、数が多くなるとどんどん重くなるので、なんでも小さいものを心がけているのだが、nanoはその面でもクリア。

nano自体も、まったくもってスタイリッシュ。機能文字は、表の円に4つしか名前がないし、人間にやさしいというイメージをつくっている。このあたりはアップルでは一貫しているところで、画面の表示も、小さいながらはっきりして、鮮明だ。なじみやすく、器械とすぐお友達になれるという感じだ。容量が8GBなので、持っているミュージックを全部入れるわけには行かないが、携帯用だから、当たり前といえば当たり前。とにかくジョッギングしながら聴くのが楽しみだ。

エルビス・プレスリーと小泉さん

2008-05-20 10:48:24 | Weblog
小泉元首相のメンフィス、エルビス・プレスリー旧邸訪問の画像が焼きついて離れない。隣に立っているブッシュ大統領夫妻が、コイズミがプレスリーばりのサングラスをかけ「アメリカの祈り」を歌うのを、にこにこしながら見ている場面だ。これを、あとでブッシュ大統領は、内心あっけに取られていたと述懐していた。それはそうだろう。一国のトップが、感極まっているというような様子で、こどものように立ち振舞っているのだから。

小生は、その後たまたま衛星放送で、エルビス・プレスリーオンライブの特集をみたが、これがすごかった。小泉さんが大ファンになったのがよくわかった。はずかしながら、これまでプレスリーの歌のすばらしさを知らずに来ていた。これからはまりそうだ。小泉さん、ありがとう。

彼の人生は、疾風怒濤のごとく過ぎていったというのが受ける印象だが、おそらく根がまじめで、気を緩めることを知らなかったのだろう。生涯のコンサート数は1500回近い。ストレスがたまり、伴侶との別離もあり、精神的バランスが崩れたと小生は見ている。42歳7ヶ月の生涯だった。今生きていれば73歳だ。

一方で、小生は秘かに小泉さんの造詣の深さにも感心する。最近「音楽遍歴」という本まで出版されたようだが、政治の面では情け容赦ないという面が強い一方で、このような違う面をみると、妙に興味をそそる。政治家にはなおのこと、このような精神的な落ち着きどころが必要ということだろうか。

ハーフマラソン完走記

2008-05-19 07:03:14 | Weblog
昨日は、先週のおじさん、おばさんの12キロを越える走りを見て、すっかり触発され、ひそかにハーフマラソン完走を期していたことを実行に移した。

9時開店前に並び、お気に入りのジョッギングマシーンを確保。他のマシーンは60分で切れるプログラムになっていて、1時間、2時間と再入力しなければならず、2時間後になるとよれよれなので、この選択は欠かせない。

ところで、このところこのマシーン取りが熾烈を極め、おばさんが着替えもしないでマシーンに突撃、それも3台も4台もタオルを置いて(まるでパチンコのよう)お仲間の分まで確保してしまうのだから、困ったものだ。ついにおじさんが切れ、トレーナーにちょっとひどすぎると文句をいっていた。ところで、小生は殊勝にも(これが当たり前)ちゃんと着替えて、まともに行った。すでに、トレーニング姿には自宅でなっていたが。

まずは入念にストレッチ、トイレに行き、1リットル入りの水筒を立てかけ、スタートだ。ちょっとこのごろ太り気味なので、内心少し心配。とはいいながらも、絶対21.1キロは完走する覚悟で臨んだ。それから1時間46分はいつものペースで走り、16キロを走る。はじめから、目標が決まっているので目つきも違うのを自分ながら感じる。まわりは、3~5キロ程度なので、ひそかに優越感を感じるのも気持ちいい。隣のおじさんは疲れないのかねーというような顔つきで、こちらを見る。

16キロからは、どうしてもペースを落とさざるを得なかった。それでもハーフマラソン完走。走っている間、水分補給をすることと呼吸を十分注意しながら、やることが大事だ。途中、ひじや顔から汗は滴り落ち、シャツはべったり、パンツから汗がぼたぼたという状態だ。終わるとかなり疲れ、ふーふーという状況になり、落ち着くのに10~15分はかかるが、そのあとの疲れの中からくる、なんとも気持ちのいい爽快感は走ったからこそ得られるものだ。

今回は、目標どおり完走したが、体重を減量する必要を感じた。トレーニングしながら減量するのは易しいと思う人もいるだろうが、これがなかなかの曲者だ。トレーニングをしても体重は減らないということだけ言って、こちらはまたの機会にしよう。