この本は、読むと本当に落ち着く本というのが正直な感想だ。ラルフ ウォルド エマソン、19世紀アメリカの思想家。アメリカ自主自由の精神を築いたといわれる。『精神について』は、『エセー 第一集』12編のなかから、より大切と思われる9編を選んだものだ。もう一つの書『自然について』とともに、このすばらしいエマソンの思索の世界を、今回よりシリーズで書き記す。
歴史
・ とうの昔、はるかにその名をとどろかせた人のしたことは、今日自分のしていることより深い意義を持っているなどと考える人では、歴史を正しく読もうとは私に期待できない。
・ 人は自分一個に歴史全体を生きることができることを悟るべきである。
・ 世界中の地理、世界中の政治より自分が偉大であることを知るべきである。
・ 自分で見、自分で生活しないことはわからないものである。昔の人が取り扱いの便宜のために法式や規則に適用してくれているものは、その規則の持つ壁のために、人はそれを独力で確かめる楽しみをすべて失っている。
・ ふつうの人は仕事で買われ、高潔な人は人物で買われる。
・ 深い人物はその行動とことば、その表情と態度だけで、彫刻や絵画の陳列場が与えるのと同じ力と美を私どもの中に呼び起こす。
・ 立派な作法を身につけた人の人に接する態度は、貴族の肩書きのすべてをもってしても及ばないものがある。
・ 個人が自分の外に眺めるものは、すべて彼の心の状態に一致している。そしてすべてのものは次々と、彼が前進的な思索によってその事実またはその一連の事実の属している真理を把握するにつれて、理解できるようになる。
・ 尊敬が示されるのは人間的特質に対してであって、それは勇気、ものごし、沈着、正義、力、敏捷さ、大声、広い胸などである。贅沢や優雅さは問題にされていない。
・ もしもその人が自分のより高い本能または情操に忠実に、より高貴な生まれの人間として事実の支配を拒絶し、精神によってしっかりと踏みとどまって原理を見抜くならば、事実はたちまち降伏して、従順にそのあるべきところにおさまり、おのれの主君を覚え、最も卑近な事実さえも人間に栄光を帰するものである。
『精神について』エマソン著(日本教文社)
歴史
・ とうの昔、はるかにその名をとどろかせた人のしたことは、今日自分のしていることより深い意義を持っているなどと考える人では、歴史を正しく読もうとは私に期待できない。
・ 人は自分一個に歴史全体を生きることができることを悟るべきである。
・ 世界中の地理、世界中の政治より自分が偉大であることを知るべきである。
・ 自分で見、自分で生活しないことはわからないものである。昔の人が取り扱いの便宜のために法式や規則に適用してくれているものは、その規則の持つ壁のために、人はそれを独力で確かめる楽しみをすべて失っている。
・ ふつうの人は仕事で買われ、高潔な人は人物で買われる。
・ 深い人物はその行動とことば、その表情と態度だけで、彫刻や絵画の陳列場が与えるのと同じ力と美を私どもの中に呼び起こす。
・ 立派な作法を身につけた人の人に接する態度は、貴族の肩書きのすべてをもってしても及ばないものがある。
・ 個人が自分の外に眺めるものは、すべて彼の心の状態に一致している。そしてすべてのものは次々と、彼が前進的な思索によってその事実またはその一連の事実の属している真理を把握するにつれて、理解できるようになる。
・ 尊敬が示されるのは人間的特質に対してであって、それは勇気、ものごし、沈着、正義、力、敏捷さ、大声、広い胸などである。贅沢や優雅さは問題にされていない。
・ もしもその人が自分のより高い本能または情操に忠実に、より高貴な生まれの人間として事実の支配を拒絶し、精神によってしっかりと踏みとどまって原理を見抜くならば、事実はたちまち降伏して、従順にそのあるべきところにおさまり、おのれの主君を覚え、最も卑近な事実さえも人間に栄光を帰するものである。
『精神について』エマソン著(日本教文社)