グローバル・スタンダードの最高峰資格CFAとCFPを持つ完全独立のFP・資産運用アドバイザー尾藤峰男の書評ブログ

びとうファイナンシャルサービスはお客様の利益のみに目をむけた金融機関から完全独立のFP・資産運用アドバイザーです。

『ニーチェ』ジル・ドルース著(ちくま学芸文庫)を読んで

2008-10-31 11:15:15 | 書評
この本は、著名なフランスの哲学者がニーチェ哲学を解説するものだ。正直に言うと、小生にとって著者はそれほど重視しておらず、ニーチェ哲学とはどういうものかを手っ取り早く知るため、著名な本を手軽に読んでみようと思って読んだ。

これも正直な感想だが、よくわからないというか狂気から発せられているような考え方で、もう少し突っ込んで読む必要を感じた。しかし掘り下げて探求するには有り余るほど価値があるように感じる。ニヒリズム、神の否定、自己の破滅など破壊的思想が貫いているようだが、実はそこには人間としての尊厳、自己の確立、力強く生きるように鼓舞する莫大な力を感じるのだ。

解説書とはいいながらも、後半はニーチェ選集になっているので、そのなかから印象に残った部分を紹介しよう。

・ <力>への意志はなにであれほしがったり、手に入れることに存するのではなく、むしろ作り出すことに、そして与えることに存する。

・ 肯定とは意志の最高の<力>である。

・ <生半可な意志>たちの世界はふるい落とされる。

・ <永遠回帰>はただ単に選択的な思想であるだけでなく、また同時に選択的な<存在>でもある。ただ肯定のみが回帰するのであり、肯定されるものが可能なものだけが回帰し、歓びのみが戻ってくる。すべて否定されることがありうるもの、すべて否定であるものは、<永遠回帰>の運動そのものによって追い払われる。

・ 問われているのは、決して人間ではない。人間とは、乗り越えられるべき何者かなのであるから。

・ もっとも静かな言葉こそが、嵐をもたらす言葉なのだ。鳩の足のように歩んでくる思想こそ、世界を導くのだ。

・ 私は愛する、あまりに多くの徳を持とうとしない者を。一つの徳は、二つの徳よりもっと多くの徳なのである。一つの徳は、そこに宿命の重みが吊り下げられる、より強い結び目となるから。

・ 私は愛する、惜しみなく乱費しようとする心の持ち主を。感謝されることを求めず、また決して返礼しないものを。そういうものは絶えず贈るばかりであって、自分のために何も留保したりしないのだ。

・ 私は愛する、その魂がどんな傷の奥でもなお深みをたもつ者を。そしてまた、何か取るに足らないような小さな事件によっても死ぬことができる者を。そういう者こそ、進んで橋を越えるのであるから。

・ 私は愛する、その魂があまりにも豊かに溢れているので、おのれ自身のことを忘却し、あらゆる物事を自らのうちに包容する者を。こうしてその者は、一切の物事を通じて、おのれの消滅へと至るのである。

・ みよ、私は雷光の先触れであり、黒雲から落ちる重い滴だ。そしてこの雷光こそ、超人なのである。

『ニーチェ』ジル・ドルース著(ちくま学芸文庫)


『社長が変われば会社が変わる!』石渡美奈著(阪急コミュニケーションズ)を読んで

2008-10-30 08:10:14 | 書評
この本は、赤提灯でよく見かけるあの「ホッピー」の三代目跡取り娘の著書。筆致は軽やかで、その明るい性格がよくあらわれ、書く人によってはこういう表現をするんだというところが随所に見られる。

読んでいて面白いが、そこにはやはり経営に初めて携わる苦労はどこを見てもにじみ出ている。そこを持ち前の負けず嫌いと根性で乗り越えていく様は、劇画を見ているようだ。いつも全力体当たり経営という感だ。

あと2年で創業100年という老舗メーカーに、なにも知らない30代前半のちゃきちゃき娘が突然入ってきてかき回したら、生え抜きの社員は戸惑うし何もわからないくせにと思うのは当たり前だ。

著者には、「師匠」と自他共に認める人物がいる。(株)武蔵野の小山昇氏。自社経営のほかに、経営塾を主宰し、全国の中小企業経営者に手取り足取り経営指導している。毎日朝30分の全社員清掃は、なかなかだ。いわゆる心を清める役割があるとともに、社員同士のコミュニケーションがすごく進むというメリットもあるらしい。

「ホッピーミーナ」こと石渡さんは、とにかく事あるごとに師匠の指南を仰ぐ。そこへ師匠はときに叱り飛ばしたりもするが、的確なアドバイスをする。

ホッピーの宣伝面も感じられるが気楽に読める本だ。ほほえましい中真剣に学ぶべきところも非常に多い。

社長が変われば会社が変わる!』石渡美奈著(阪急コミュニケーションズ)


『格差はつくられた』ポール・クルーグマン著(早川書房)を読んで

2008-10-29 11:50:07 | 書評
この本は、今年度ノーベル経済学賞を受賞した著者による現代アメリカ社会論といってもいいだろう。クルーグマンがノーベル賞を受賞するのは、当然と思われていた。またノーベル賞を受賞するような学者だから、さぞ固いのかといえば、そうではない。ニューヨークタイムズにコラムを掲載、人気を博しているし、ほかにも『うそつき大統領の危ない最終目標』『うそつき大統領のデタラメ経済』というようなノーベル賞を受賞する学者が書いたタイトルかと疑うようなものまで出しているから、なおいっそう興味を引かれる。さらに、まだ54歳と学者としては壮年期だ。これからの活躍も大いに楽しみだ。

本の内容は、ロバート・ライシュの書いた『暴走する資本主義』にかなり近い印象だ。ライシュは民主党候補オバマ氏の参謀的役割を果たしているし、クルーグマンはこの本のサブタイトルで「新しい(民主党)大統領は何をすべきか?」としているように、ブッシュの共和党は大嫌い。どうもそうなりそうだが…。

ニューディール政策以前のアメリカと今の格差が広がった状態を類似していると見ているのは興味深い。このように書いている。

「ニューディール政策以前のアメリカは、21世紀初頭のアメリカ同様、富と権力の分配において非常に大きな格差社会だった。形式だけの民主主義的な政治システムは、人口の過半数の経済的要求にこたえることができなかった。また、裕福なエリートが政治を牛耳っていたという状況は、今日の政治状況に類似する点があるだろう。」

クルーグマンは、アメリカの格差が拡大した理由を次のように見ている。
「技術やグローバリゼーションよりも制度や規範がアメリカにおける格差拡大の大きな原因であるという強い状況証拠がある。格差が「金ぴか時代」に逆戻りしたのだ。」

この本を読んでみて思うのは、アメリカで何百億円ももらう経営者はどう見ても異常であり、それが今回のような金融危機を招いた大きな原因であるということだ。いつも被害をこうむるのは、いわゆる一般人である。

『格差はつくられた』ポール・クルーグマン著(早川書房)

『人はなぜお金で失敗するのか』G・ベルスキー&T・ギロビッチ著(日経ビジネス文庫)を読んで

2008-10-28 09:11:41 | 書評
この本は、ノーベル経済学賞を取った行動心理学を、わかりやすく解説した入門書だ。特にこの書が参考になるのは、人間が投資行動をするときにどう考えるか、そしてどういう行動に出るかということをあらゆる角度から見ている点だ。そしてその結果出てくる行動は、その多くが損失を助長するようになっているという。

さまざまな角度から見ているので、ここには書き切れないが、その中で現在の市場でもっとも役に立ちそうな箇所を、皆さんのご参考までご紹介する。


●損失に過敏になると悪い結果を招くことがある。「損失の嫌悪」のために判断を誤りやすいことがもっとも明らかで、かつ重要なのは投資の分野である。短期的には、損失に特に過敏になることによってパニック売りが誘発され、株価は暴落する。ダウ・ジョーンズ工業平均株価は急落し、こうした損失の痛みに多くの投資家が過剰反応する。怪我をした人々が出血を止めようとするのだ。もちろん、問題はそうした無計画なやり方で株式市場からお金を引き上げれば、別の痛み-傷をなめているあいだに株価が上がったときの激痛-に襲われやすくなる。

正気になってから急いで市場に戻れば、損した分は取り返せるなどと思ったら大間違えだ。株は時間とともに一定の速度で上昇するように思えるが、実際の動きは発作的である。1年のうちに何度か、数日間で大きく値を上げるからだ。短期的な下落に反応してお金を引き上げれば、利益の出るその数日間を逃してしまう危険をおかすことになる。その危機は深刻である。


●アメリカの証券取引所の最近の研究によれば、中産階級の若い投資家の40%近くが投資収益を週に一回チェックするというのだから!それはなんとも多すぎる。投資を頻繁にチェックすればするほど、株や債券市場では避けられない相場の変動が目につくようになる。そしてそれに反応したい衝動に駆られるようになる。たいていの投資家にとって-実のところ、プロではないすべての投資家にとって-1年に1回ポートフォリオを点検すれば、資産配分に必要な調整をするのに十分である。それによって、自分の経済的な問題のために心の安らぎを奪われないですむ。


●お金がかかわる大きな決定をするとき、他の専門家の意見を聞いたり、他の人々に相談したりする重要性は、いくら強調してもしすぎることはない。



●新聞やテレビの株式に関するニュースは気にしないほうがいい。会社の業績に注意しすぎる投資家は、ニュースを気にしない人々より成績が悪い。ニュースをまったく知らされなかった投資家は、絶え間なく-いいものも悪いものも-情報を受け取っていた人々よりいい成績を上げた。実際のところ、変動の激しい株を売買していた二つのグループでは、何も知らなかった投資家グループは、マスコミの影響を受けた投資家グループの二倍の利益を上げた。



●少なくとも短期間で-1日単位、あるいは1年単位でも-会社の評価をするとき、投資家が的をはずすのは周知の事実だ。「情報のカスケード」-人々は周囲に流される傾向がある-のために、投資家はよいニュースにも悪いニュースにも過剰反応することが多い。人気のある会社の株価を高く評価しすぎ、評判の悪い会社の株価を低く評価しすぎるのだ。投資家が極端に反応すると-ニューヨーク証券取引所の典型的な株価の動きを超えて上下動した株によれば-その反応は時間とともに逆になる。

●逆張り投資家になる機会を探す。


『人はなぜお金で失敗するのか』G・ベルスキー&T・ギロビッチ著(日経ビジネス文庫)

あきれたメガバンクの増資話

2008-10-27 10:18:48 | 時事
ここにきて、三菱UFJの1兆円増資の報道がなされた。ほかのメガバンクも同様に検討中という。これを受けて、本日の株式市場では軒並みストップ安をつけた。お粗末そのものだ。

懲りない面々というしかない。公的資金の注入を受け大型増資を軒並みしてようやく日本特有だった金融危機を乗り越え、やっと健全化の道を歩み始めたとおもったらこの始末。と小生が強調するのは、メガバンクの問題は根が深いのだ。

数年前までの不良債権処理の過程では、金融機関は持ち合い解消をすすめ株式市場の下落を大きく後押ししたわけだが、やっと健全化したと思ったらまた事業会社などとの持合を復活している。そしてここにきて相次ぎ外国大手銀行への出資を行いながら、今度は自分のところが増資しようというのだ。その付けはどこに来るか(増資株式をどこにはめ込むか)というと、おそらく一般投資家だろう。

邦銀の外銀大手への出資が優先株ですぐに評価損が出るということはないということだが、これも出資した先の体力次第ということ。

メガバンクは預金などの資産のかなりの部分を国債に投資しており、中小企業などへの融資にはかなり厳しいという。本来の融資機能を十分に果たせないまま、手前勝手に既存株主価値を損なう増資を行おうとする輩の気が知れない。おそらく金融庁も深く絡んだ話だろう。

瞑想の経過報告-2

2008-10-24 08:23:56 | 時事
このところ、朝の瞑想が習慣になってきた。何も難しいことはない。ただ座っているだけと言ってもよいだろう。朝6時ころから静寂の中で目を閉じて座っていると、ずいぶんと気持ちが落ち着くものだ。20分座るのだが、大体その時間にも慣れてきた。はじめからずっと閉じていた目を開けて時計を見ると21分経過という具合だ。

なにしろ手軽でいい。お金もかからない、スペースも要らない、どこかに行く必要もない、疲れない。そして得られる効用は、小生にとってはまだ初心者なので正直なところよくわからない。だが、今日は終わりころになって脳の中になにか、ほんわかするものが広がってきたような気がした。終わったときにいい気分になるのだ。

昨日は、自宅で夕方座ってみたが、これもいい。いわば精神の安定、穏やかな心、柔軟な発想、ストレスなくなるなどの感触が、瞑想をしていると出てくる。いまは、思わずにんまりというか、いいことをやり始めたなという印象だ。

『図解「超」手帳法』野口悠紀雄監修(講談社)を読んで

2008-10-23 08:28:17 | 書評
野口教授の超シリーズの手帳版だ。正確には野口氏の監修だが、要は野口氏が使っている手帳の説明本。これで本として成り立つのだからおもしろいが、小生が思うに、手帳を使うにはその人それぞれの個性や発想法、仕事のやり方などがフィットするものがいい。そのため、必ずしも野口氏が薦める手帳がいいとは限らなと思う。

特に手帳だからなおさらという感じがする。本屋には、たくさんの種類の手帳が並んでいるのも、そのためだ。

野口式手帳は、8週間が一覧できる蛇腹式の手帳本体とToDoノート、メモ帳の3点セット。手帳本体は8週間が通して見れるので、時間が見え目標管理が容易とのことだ。ToDoノートとメモ帳がついているのは、親切といえばそうだが、なにか三つももって管理するのはややっこしい気もする。

上に書いたとおり手帳の好みは人それぞれであり、野口式を含めて実際に手帳を取って眺めてみるのが一番だろう。それも結構楽しいものだ。

ちなみに小生は、ここ6年ほど、野口式と同じような蛇腹式の一ヶ月見開きで左側にスケジュール、右側がToDo欄(WeekPlanning)という手帳(株式会社日本ビジネスプラン)を使っているが、これが結構薄く、実用的で便利だ。ちなみに、蛇腹式だから全部広げると6ヶ月になる。後ろにメモ帳を差し込めるのも気に入っている。ここで書いていて改めて思ったが、野口式と同じでさらに軽量版のような手帳だ。

『図解「超」手帳法』野口悠紀雄著(講談社)

『ビジネス力の磨き方』大前研一著(PHPビジネス新書)を読んで

2008-10-22 08:12:05 | 書評
大前研一氏の行動は破天荒というかうならせるというか、非常に独自的といえる。著書は多く、教育事業もビジネススクールや内外の大学院経営など積極的だ。国内より海外での知名度のほうが高いくらいではないか。先日もテレビを見ていたら、日本からの農業視察団を迎えるウクライナの農業副大臣の傍らに大前さんが立っていた。論旨は明快で、その考え方は非常に参考になる。

・目の前を塞ぐ壁がどんなに手強そうに見えても、絶対に自分から弱音を吐かないことが突破力の基本だ
・可能な限り、壁を突破した本人に会いに行く。私自身、世界中どこであろうと訪ねて行って、直接オーラを感じるようにしている
・影響力の範囲が広いほど、その人の価値は高い
・影響力を持つ人間はみな、経験に裏打ちされた自分なりの型を持っていその型が余人をもって代えがたいほど、強い影響力を行使できる
・ピラミッドストラクチャーやMECEなどのロジカルシンキング(思考の型)は非常に重要だ
・型を身につけるまで、それが無意識にできるようになるまで、ひたすら反復練習を積むことだ
・思考法の型なら、もし自分が当事者だったらどうするかという具体的なケーススタディをそれこそ無限回繰り返す
・MECEを鍛えるなら友人を利用するといい。一つの問題を友人と一緒に検証しあう
・日本のビジネスマンはテレビや新聞、雑誌、インターネットに費やす時間が多すぎる。毎朝日経新聞やNHKのニュースを見ることに積極的な意味はない
・独自の型を持たないような人間は、誰かに影響を与えるなどというのは、とてもじゃないができない
・聴衆を納得させ、同時に完成度の高い講演だったと思わせるには、話を始める前に、最後の一分で何をいうかと決めておくこと
・スピードアップのコツは、段取りにあり
・じっくり時間をかけ、綿密なスケジュールを立ててからことに臨めば、短時間でかなりの量をこなせるようになる
・できるだけ多くの空き時間を手に入れ、空き時間を自分の「思考トレーニング」に当てる
・周囲を含めた仕事の段取り-PERT(Program Evaluation and Technique) CPM(Critical Path Method)などのプロジェクト管理手法-クリティカルパスを見極める
・朝の貴重な時間をNHKのニュースや日経新聞に費やすような前世紀の習慣は、いまではほとんど時間の浪費に過ぎないから即刻やめるべきだ
・二束三文がいやなら、そういう人たちとは違う独自の発想ができるように、テレビと新聞を捨て、サイバージャングルに踏み出す覚悟が必要だ
・ネットにアクセスできる環境にいるなら、24時間世界中でニュースが読める。特に今は「RSSリーダー」という便利なソフトがあって登録した世界中のブログやニュースサイトから、自動的に最新の記事やニュースを集めてきてくれる
・サイバージャングルで生きて美味なる果実を手に入れたければ、無駄とか非効率とかいっていないで最初のうちはとにかく全部口に入れてみること
・モーティベーションのあがらないような仕事は最初から引き受けない
・高い目標と不遇な環境が、私の中からとてつもないエネルギーを引き出した
・仕事や人生を楽しめるようになるには、高嶺の花を手に入れようと、しゃにむにがんばるような経験を、一度ならずしてみることだ
・人生を充実させようと思ったら、忘れてはならないのが家族の存在だ
・無駄な残業より、家族を優先せよ。家族は喜びだけでなく、人生や仕事に種々のメリットを与えてくれる
・悩んでも問題は解決しない。とにかく自分にできることに集中すること
・これまでの人生で、悩んで問題が解決したなどという経験は一度もない
・悩む暇があったら、まず行動する

『ビジネス力の磨き方』大前研一著(PHPビジネス新書)

『超「超」整理法』野口悠紀雄著(講談社)を読んで

2008-10-21 09:54:01 | 書評
この本は、ベストセラー「超」整理法の現代版だ。前の本では、要は書類を封筒に入れ、右肩に名前を書いて右から立てかけておくということだったが、今回の本は、もの(物体)の話ではない。今の時代にこの本の内容を知っておくと、格段に仕事の能力が変わってくる。いわばサイバースペース。どこにいても仕事ができ、どこにいてもコミュニケーションができる。こういう世界だ。

鍵は、Gメール。まずはGメールを使い始めることだ。誰でもすぐに使いはじめられる。もちろん(ということ自体がおこがましいが)無料。そして検索機能をフルに活用する。書類なども添付して自分宛に送っておけば、あとで検索していつでも簡単に出せる。メールの格納容量は巨大で、ほとんど気にする必要はない。

書類はPDFで保管する。PDFにしておけば、後で検索していつでも取り出せる。小生は、このPDF化をこれまで自分自身は実行していなかったので、これからはやってみようと思っている。

グーグル恐るべしは、とにかく始まっている。グーグルデスクトップでパソコン上のあらゆるデータが検索できる、グーグルドキュメントは、ワード、エクセル、パワーポイントに同等といえるものが、無料で使える。しかもそれはウェッブ上にのっているからどこでも利用可能だ。そんなことが、やさしく書かれた本だ。

そのほか、デジカメの活用なども、遅まきながらなるほどそうかと感じている。著者の知の技術もふんだんに入っており、一読に大いに値する本だ。

『超「超」整理法』野口悠紀雄著(講談社)

『竹中式マトリックス勉強法』竹中平蔵著(幻冬舎)を読んで

2008-10-20 09:28:56 | 書評
この本は、いわずと知れたあの竹中氏が、自身の勉強方についてまとめた本だが、具体例や実体験に基づいて書かれ、非常にわかりやすく、読んでいて楽しく読める本だ。

トップで説明しているマトリックス勉強法は、四つのマス目に勉強の種類を入れて、その時々にチェックして目標管理するものだが、大変興味深い。詳しい説明は省くが、小生にはこのマトリックスというような考え方が欠けているのを最近かなり感じており、自分の欠点を補う方法として大変参考になる。

竹中平蔵氏は、小泉改革のとき先兵となって戦った人であるが、小泉元首相への尊敬の念は随所に出ている。当然のことだろう。そのときのエピソードとして、官邸首相執務室に呼ばれたときに見た掛け軸「風吹けど動ぜず、天辺の月」を見たときの思い出を語っている。

小生にとって参考になったポイントを少し列挙すると
・ 人に会う、現地に行く-本当に重要な情報は人が握っている。人からじかに聞く情報は印象に残りやすい。
・ バカは何人集まってもバカである-人も本もいいものだけを選ぶ、時間は有限。
・ 日曜日は、一週間の始まり。
・ 外国人とディスカッションするコツ-最初に口火を切り、議論の土俵を作ってしまう。
・ 目標は大小・遠近二つ持つ。

著者の基本は、前向き・ポジティブに生きよということ、さらに目標に対してあくなき努力を続けよということだ。ぜひ気楽な気分で読んでみてもよいし、自分の普段の過ごし方を再点検する上でも有益な本だろう。

『竹中式マトリックス勉強法』竹中平蔵著(幻冬舎)