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『商経-無一文から一兆円を稼いだ中国商人の教え』史源著(インプレス)を読んで

2008-11-27 11:22:37 | 書評


この本は、胡雪岩という清代末期に無一文から一兆円を稼いだ中国人の商いの教えをまとめたものだ。その時代を商いで生き抜き、一代で巨万の富を築いた立志伝中の人物である。ただ晩年政争に巻き込まれ、あっという間に没落したため、半ば忘れられた存在になっていた。今では商売に関心を持っている中国人なら、知らない人はいないという。

タイトルの「商経」は、商いの原典といった意味だそうだ。ここで、その本のここはと思ったポイントをご紹介しよう。

・ 人を見るときは、一点にこだわってはいけないし、一面だけを見てはいけない。
・ 人の長所を活用するためには短所を容認し、完璧な人を求めず、能力のある人を求める。
・ 人材を使う際には、1人にいくつもの才能を期待するのではなく、その人だけが持つ特殊な才能をうまく生かすべきだ。
・ 部下を信頼し、彼らがすべてを独自に処理できるような権限を与え、不必要な口出しは決してしなかった。
・ 胡雪岩の人材活用法は、「人の能力を見て、これを最大限に活用すること」である。
・ 信頼して人を使い、その人を守り、支持することほど、人材を激励する手段はない。
・ 人と仕事をするときは、情けを持ってその人を動かせ。
・ 仕事をするときには、機会をうまく捉えて、自然に、そして順調に進めるべきであって、無理に押し進めるようにしてはならない。
・ 機会とは、待つものではなく、つかむもの。機会をうまく捉えるには、時代の流れをよく把握し、すばやく行動に移すことがだいじだ。またチャンスが来なければ自分で作り出さねばならない。
・ 時局が困難なときほど、機会はより多い。
・ 商人として成功するには、ひとたびチャンスを見つけたら、果敢に考え、恐れずに行動して、それを結実させるだけの度胸が必要だ。
・ 遠大な視野で4,5年先のことを見据え、大きな流れを発見できてこそ、出世や飛躍が可能になる。
・ 大きなことを成そうとする人は、遠大な計画を持つべきであり、目先の小さな利益に執着してはならない。
・ 勢いがあれば、必ず利益がある。
・ 人間はかならず、社会に対する責任感を持たねばならない。
・ 信念なくして、大商人になることはできない。
・ 一度志を立てたら、困難にぶつかっても途中で投げ出さず、最後までやり遂げる強い意志を持つ。
・ 人間として最も大切なものは、信用である。
・ 困ったことがあったら、正直に友人に相談したほうがよい。あなたたちの困難はすなわち私たちの困難である。また、自分のことばかり考えないで、友人のことも考えなければならない。世間を渡り歩くには、友人に害を与えるようなことをしてはいけない。同様に、顧客に損害を与えてはいけない。
・ 交友関係において、強調したいこと-1.友人に害を与えないこと。2.友人を助けること。3.友人とともに発展すること
・ 目先の小さな利益にとらわれず、遠くの利益を見る。
・ 商店は礼儀をもって客に接し、徹底したサービスを提供してこそ、客を集め、金を稼げる。
・ 利益と危険を同時に見つめながら、果敢な決断を下すことができる能力が事業の成敗を左右する。

このあたりでおわるが、これらのことが胡雪岩の実際の商いや行動の中でわかりやすくかかれており、大いに一読の価値がある。

『商経-無一文から一兆円を稼いだ中国商人の教え』史源著(インプレス)

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