グローバル・スタンダードの最高峰資格CFAとCFPを持つ完全独立のFP・資産運用アドバイザー尾藤峰男の書評ブログ

びとうファイナンシャルサービスはお客様の利益のみに目をむけた金融機関から完全独立のFP・資産運用アドバイザーです。

『人間性の心理学』A.H.マズロー著(産能大学出版部)を読んで―No.2

2009-05-25 08:33:46 | 書評
第6章 基本的欲求の本能的性質
・ 臨床では一般に、有機体(小生の注-人間のこと)は、安全、愛、尊重が与えられるとき、よりよく機能することがわかっている。すなわち、知覚がより効果的になり、知性をより十分に用い、考えて正しい結論に至ることがより多くなり、食物をより効果的に消化し、種々の病気にかかりにくくなる。

第9章 破壊性は本能的なものか
・ 不安定で、安全、愛、所属、自尊心などの欲求が基本的に妨げられているかまたは脅かされている子どもは、より多く、利己主義、敵意、攻撃性、破壊性などを示すであろう。その反対に、両親から基本的に愛され、尊重されている子どもでは、破壊性はあまり見られないであろう。

・ 人類学的にみて、人間に破壊性、悪意、残忍さなどが生じるのは、おそらくその大部分が、人間の基本的欲求を妨げられたり脅かされたりしたことに対する結果としての二次的、反応的なものである。

第10章 行動の表質的要素
・ 健康または自己実現している人は、本質的に万能であり、ふつうの人に比べて人間としての能力をほとんど失っていない。非常に幅広い反応を十分に備えており、十全たる人間性の限界に向かって前進しているのである。すなわち、人間のあらゆる能力を持っているのである。

・ あるがままであること、自然であることは、消耗したり、疲労したりすることが少ない。正直であること、リラックスしていること、たくらみがないことなども同様である。

・ 不安定な人は挫折を寛大に受け入れることができない。

・ 高血圧、便秘、胃潰瘍などは、精神的過程と身体的過程の複雑な連鎖の副産物、あるいは付帯現象である傾向がある。

第11章 自己実現的人間―心理学的健康の研究
・ 自己実現的人間とは、自分自身を実現させ、自分のなしうる最善を尽くしているように見え、ニーチェの「汝自身たれ!」を思い起こさせる。

・ 自己実現は、我々の社会においては若い、これから伸びようとしている人たちには不可能である。

・ 自己実現したことがかなり確実と思われる歴史上の人物・・・晩年のリンカーンとトマス・ジェファーソン

・ 非常に可能性のある者・・・アインシュタイン、エリノア・ルーズベルト、シュバイツァー、スピノザ

自己実現した人間の特徴
・ 現実をより有効に知覚し、それとより快適な関係を保つ
・ 受容(自己、他者、自然)
・ 自発性、単純さ、自然さ
・ 課題中心的
・ 超越性―プライバシーの欲求
・ 自律性―文化と環境からの独立、意志、能動的人間
愛や尊敬から独立を保つというところまでいたる最善の方法は、・・・この愛や尊敬を過去に十分に与えられたことである。(小生注:子どもの頃の親からの愛情や尊重が大事ということか)
・ 認識が絶えず新鮮であること
私は、神の祝福に慣れること(小生注:感謝の気持ちを忘れること)が、人間の邪悪や悲劇、苦しみを生み出す、悪意はないがもっとも重要な原因の一つであるということを確信するようになってきた。
もし我々が、自己実現者がなしえ、またなしているように神が我々を祝福してくださっていると言うことを思うことができたら、そして彼らのようにいつでも幸運だと思い、それに感謝することができたら、人生はすこぶる改善されうる。
・ 神秘的経験―至高体験
・ 共同社会感情
・ 対人関係
・ 民主的性格構造
・ 手段と目的の区別、善悪の区別
・ 哲学的で悪意のないユーモアのセンス
・ 創造性
・ 文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越

・ 聖オーガスティンの「神を愛しなさい。そしてあなたが欲するところを行いなさい」という言葉は、「健康でありなさい。そうすれば、あなたはあなたの衝動を信じてよろしい」と簡単に言い換えることができる。

第12章 自己実現的人間における愛
・ 人は他の人をより詳しく、より深く知るにつれて、知ったものを好きになる。

・ 真の愛は、豊かさを表すもので配慮、尊敬、責任、知識を含むものである。それは、自己の愛する能力に根ざして、積極的に愛する人の成長と幸せのために真剣に努力することである。

・ 自己実現的人間にとって、自分が行動することの目的は、他人を喜びに満たす状態にすること、ということが起きる。

・ 女性を人類を構成する一部と考えないで、むしろパートナーであり、同等であり、仲間であり、完全な人間であると考えて、真に、また根本的に尊敬しなおす傾向のある自己実現的男性は、伝統的な意味においてずっと無造作でゆったりしていて、打ち解けているし、無作法でありがちである。


『人間性の心理学』A.H.マズロー著(産能大学出版部)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿