アメリカ発世界金融危機、世界同時株安の影響は、実態経済の現場である
中国の製造現場にも現れてきているニュースが。
私も仕事で、9月15日のリーマンショックを引き金としたこの1ヶ月間の
急な景気の冷え込みを実感しているのだが。
そんな中を少しでも賢明に対処していきたいと冷静に思っているのだが、
現実に起こっていることに目を背けるわけにもいかないし。(苦笑)
金融危機、「世界の工場」にも影 突然解雇7千人怒る(朝日新聞) - goo ニュース
(記事引用-朝日新聞)
おもちゃや靴、パソコン周辺機器などの工場が集積する中国広東省東莞市。「世界の工場」の中核を米国発の金融危機が襲う。市の東部にある政府前に17日午前、おもちゃ工場の従業員約500人が集結していた。2日前に工場が突然閉鎖になり、失業した人たちだ。目の前には、ヘルメットと盾、警棒で武装した約300人の治安部隊が壁をつくって立ちはだかる。
「2カ月半分の給料がまだ支払われていない。突然職を失い、年金、失業保険など、政府はどう解決するのか」。従業員の代表者が叫ぶ。共感に満ちた怒声が上がった。「家賃も生活資金もない。これからどうやって暮らしていけばいいんだ」。ベトナム国境に近い雲南省の村から出稼ぎに来た工員の夫婦は、記者にも早口でまくしたてた。2人で4千元(約6万円)を超えた月収を一気に失った。
中国最大級のおもちゃ工場を抱える「合俊」(本社・香港)。香港株式市場に上場し、米大手玩具メーカー「マテル」など世界の有名ブランドに、OEM(相手先ブランドによる生産)で供給する。米国経済の減速で注文が急減し、資金繰りがつかなくなった。二つの工場を閉鎖、約7千人の従業員が路頭に迷う。内陸部からの出稼ぎが多く、老後も教育も工場の給料頼み。騒動は3日間にわたり、一時は2千~3千人の「失業者」が、工場前の門から大通りまでを埋め尽くした。
【熟年ドラキチ】
私が読んでいるメルマガ、「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」の10月16日号には
こんな記事も。
(記事引用-宮崎正弘の国際ニュース)
”中国の玩具メーカー、じつに52・7%が倒産、残りも近く倒産を予感
がら空きの広東貿易フェア、年末の注文が激減し、ようやく恐怖心理が拡大”
スポーツ・シューズとアパレル企業が上半期だけで62,000社廃業した。華南とりわけ広東省だけの「公式」の数字。
実態はもっと大きいだろう。
凄惨な輸出戦線の現場と化しているだろう、と推測できた。その恐怖は本物となって、工場閉鎖が相次ぐ広東の模様が、今朝(16日)のヘラルドトリビューン一面トップである。
一昨年来、毒入り食品、ペットフーズ、インチキ風邪薬、鉛入り玩具等々。中国から米国への輸出は「身から出たさび」によって、激減してきた。
それでもテレビのリモコン、ステレオのヘッドフォンなど、群小のメーカーが広東にひしめきあって輸出商戦を広げてきた。
その集約的フェアが広東貿易市。
今年の中国最大の貿易フェアは、信じられないほどのがら空き。欧米からバイヤーが絶えたのだ。
わずかに産油国とロシアとアフリカ諸国からのバイヤー。広場に「通訳」のプラカードをさげての「通訳業」も雇用主あらわれず手持ちぶさた。 (中略)
すでに五月からクリスマス商戦の注文が殺到する季節だったのに、米国のバイヤーの沈黙。
「ん? こんな筈ではないのに」と注文予定をにらみながら工場経営者は、生産ラインを縮小し、従業員整理を進めてきた。
工場閉鎖は数万から十数万の単位となり、失業は数百万。潜在失業は数千万人の単位となるだろう。十三億の民ゆえに、GDP1%のダウンは失業500万人とカウントされる。
「たとえば玩具メーカーのうち、すでに52・7%が廃業、残る3631社の多くがまもなく倒産するだろう」(ヘラルド、10月16日付け)。 (引用終わり)
【熟年ドラキチ】
日本では毒ギョーザや最近の農薬混入インゲン、そしてメラミン混入牛乳や
乳製品が大きく社会問題になった。 それ以前から中国のおもちゃに鉛が含有
していたり、歯磨きにも危険な物質が入っていたためアメリカ等では問題になっていた。 それらの無責任な製造に対す”因果応報”もあろうが、 やはり、
去年からのサブプライムローン問題から端を発した今回の世界金融危機が
”世界の工場”中国の製造工場に大きな上のような影響を与えていると思う。
しかし、おもちゃ業界では既に、今年の5月にこんなに解りやすい現象が
中国広東省で起きていたとは。
5月と言えばまだ北京オリンピック開催に向けて、中国はまだ好況だと
一般的には思われていた時期だ。
私の仕事の業界とは違うが、もし私がこのおもちゃ業界の異変の出来事を
5月に知っていたらと。
やっぱり情報と言うのは大切ですねぇ~~~~。
私の20年来のお友達である台湾人の社長に、今朝電話をしてみた。
この社長は台湾で売るためのショップを台湾全土に持っているのだが、
6年前から自社の工場を中国の広東省に作った。
私 「広州ではおもちゃ工場が閉鎖してみたいですが、社長の中国の工場は
影響はないですか?」
社長 「自分が台湾で売る分だけを作っているから大丈夫。 欧米に輸出専門で
工場をやっている会社は苦しいし、廃業するところも多いですよ。」
私 「台湾の景気のほうどう?」
社長 「台湾の消費のほうも やっぱり最近は落ちてきている。
でも今年の年末から来年の中国の旧正月にかけては、
今 企画をしてるから売上げも元通りになると思う!」
と、私より歳は3歳上のこの台湾人社長は、どこまでも前向きに頑張っている。
ただ、お互いが知り合ったのは20年前で共に30代前半の時。
ここ5-6年お互いが日本や、中国、台湾で会えば「健康の話題」が必ず入ってくる
と言うように、お互い着実に毎年歳を重ね、今では50代のオジサン。(笑)
体は以前の30代の時のようには動かないが、前向きな考えはいつまでも
変わらない、この台湾人社長だ。
と、比較的前向きな私も、さらにこの台湾人社長との電話で刺激を受けた
今日の午前の電話だった。
☆☆追記☆☆ 11月16日
今日、11月16日(日曜日)のフジテレビの番組”サキヨミ”で、中国広東省の
オモチャ工場の倒産、62、000社の事、そしてその工場で働いていた従業員は
ある日突然に解雇の事を取材してテレビで流していた。
工場に働いていた従業員はいずれも地方の農村から出稼ぎに来ている人達で
月の給料は日本円で換算すると約2万円。
広東省・東莞に工場がいっぱい集まっており、オモチャ工場やアメリカ向け
電子部品工場や電気製品工場も皆、オーダーがキャンセルされたり、出荷を
延期されたりで、とにかく酷い景気になっていた。
不動産市場も酷い状態になっており、上海のマンション、240平米で価格は
3,400万円。 以前であれば直ぐに完売したのであったが、今では
価格を2割安くして、尚且つ輸入外国乗用車1台もサービスで一緒につけて
売りに出しているのだが、それでも売れないらしい。
世の中にはイロイロな ” オヤジ ”さんが、ブログを書いてますね~^^