小千谷から(Ojiya kara)

新潟県中越大震災の、とある被災者からのメッセージ
(リンクはご自由にどうぞ。ただし転載はご遠慮ください。)

撮られる側の気持ちを考えて

2004年11月27日 14時39分34秒 | 新潟県中越大震災・地震
■22日(月)
どんより暗い朝。
チビにしてみれば、家族がひとりひとり仕事や学校に出かけていくのがさびしいらしい。
「ぼくママといる・・・」と蚊の鳴くような声。
おけおけ!
今日は悪いけど、お兄ちゃんにも休んでもらって
3人で家で遊ぶことにした。
チビが楽しい気分になれるのがいちばん!ということで
ランチはガストに行った。
チビご機嫌。

その足で、チビ&にーちゃんをふたりを連れて 雪が降る前の道路を撮影にいく。
崩れたブロックを撮影していたら
「あんたどっかの記者かい?」とおじさんに聞かれた。

「いえいえ小千谷のもんですよ。」
とおじさんとしばらくおしゃべり。

やっぱりライフラインの話になる。
「ガスきたか?こっちはまだだよ。全然情報こねーしなー!」とおじさんも不満声。
目の前で家屋が解体されていたので
「これおじさんの家?」ときくと
「いやいや、俺は業者だよ。撮っていいよ」というので
解体作業してるとことか、信濃川の河原へ投げ出された日用品などを撮らせてもらった。

近くで解体しているのを不安そうに見つめている女性がいらした。
声をかけると、なんと家主だという。
私は なんとも気まずい思いとデリカシーのないことをした罪悪感でいっぱいになった。
「大変失礼しました・・」としか言えなかった。

山古志で土石流が自宅を直撃し、村のために解体を余儀なくされたお宅があったが
その作業風景を見ていた家主が涙する表情を、取材していた●●テレビは間近で撮っており
更に「どうですか?」とインタビューするその無神経さに非常に不快な思いを感じていた。

私も同じことをしたかもしれない と思うと、大変申し訳ない気持ちになった。

いい絵ってなにさ。
迫力あればいい絵かっていうと そうじゃないでしょう?
写真でも動画でもそうだけど、人が見て不快な絵はいらないよ。

新潟日報が出してる写真集を本屋でパラパラと立ち見した友達のご主人は
吐きそうになったと言っていた。
大の大人でも、それだけ地震のトラウマがあるということだ。

地震を意識しない環境はここには存在しない。
他県ナンバーの警察車両と災害支援車と救急車と自衛隊の車でいっぱいの
ヘリコプターの音が絶え間なくしているこの町。
昨日も今朝も相変わらず揺れている。

闘うしかない。
ストレスの中で、自分らしく居続けることが大切だ。

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