小千谷から(Ojiya kara)

新潟県中越大震災の、とある被災者からのメッセージ
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妙見土砂崩れ現場の県道工事着工

2006年04月28日 01時14分03秒 | 新潟県中越大震災・地震
中越大震災で大規模な土砂崩れに母子が巻き込まれ犠牲になった現場で県道の災害復旧工事が始まった。
ここは長岡市と小千谷市の境。
この場所は一般に長岡市・妙見と呼ばれているが小千谷市民の私たちにとっては小千谷市・浦柄といったほうがピンとくる。
東山への入り口となるとても大切な場所だ。

これは今日の夕方撮った写真。
ガードレールは垂れ下がったまま。
信濃川に崩落した道路はそっくりそのままあの日のままの形だ。




対岸の三仏生から越の大橋からこの光景はまる見えで、このあたりに住んでいる方にとっては広島の原爆ドームを毎日見ながら暮らしているようなものだといっても過言ではない。




どうやらここがメモリアル拠点になるらしい。
長岡市、小千谷市、川口町の具体案が固まり、長岡造形大の教授が斜面に白菊を植栽し全体を祭壇にみたてるというイメージ案を県知事に説明したという。(新潟日報4月25日付け朝刊より)

ところでとっても気になるのが「現場の保存」のしかた。
整備が終わるとされる来年の春ここはどうなっているんだろう。

町のあちこちで土砂崩れ現場をコンクリートで固める工事がすすんでいる。
安全面コスト面でそういうことになったのかもしれないが、寒々しくていかにも「ここは地震で崩れたんだなぁ」とわかるので心がズキンとすることがある。
妙見・浦柄は緑化擁壁にしてほしいなぁ。
(「緑化擁壁」については新潟県中越大震災のボランティアblogでわかりやすい写真が掲載されています。コチラからごらんください。)

36億というお金がどのように割り振られるのか皆目見当もつかないけど、どうか優しい風景にしてもらいたい。
「中越地震を風化させてはいけない!インパクトがある光景を残すべきだ!」とそこに住んでいないよその人は軽々しくいうけれど、
ガードレールもビスケットのように崩れ落ちた道路もあのままなんてことはもちろんないですよね??

ここは小千谷市船岡。
緑豊かだった山がどんどんコンクリート化されていきます。





バスも通れるようになり、山本から本町に抜けられるようになりうれしいのですが、この道路の上の斜面もコンクリート固めで灰色の分量が多くなってきました。(車に乗ってたので斜面の写真は撮れませんでした。)