明日へのヒント by シキシマ博士

ご訪問くださりありがとうございます。あまり頻繁には更新できませんが、どうぞよろしくお願い致します。

「巨樹・生命の不思議」 畏敬の念を抱かずにはいられない

2006年03月07日 01時13分27秒 | 明日のためのテレビ(ドラマ以外)
昨夜(3月5日午後9時)、何となくかけたTVで、思いがけず素晴らしい番組を見ました。
NHKスペシャル「巨樹・生命の不思議 ~緑の魔境・和賀山塊~」。
こういう番組を見せられると、喜んで受信料払ってやろうじゃないかと思ってしまいます。

秋田・岩手県境に3万ヘクタールもの広さをもつ秘境「和賀山塊(わがさんかい)」。
そこは道のない山奥深い樹林の為、これまでマタギ以外は足を踏み入れなかった、まさに巨樹たちの聖域です。
樹齢100年以上の樹木が生い茂る天然林が、確認されているだけで1万6千ヘクタールもあるそうです。

その森の中でも、主のような威厳あるたたずまいを見せているのが、幹の周囲8・6メートルの〝日本一のブナ〟です。
樹齢は300年とも、600年とも言われているそうです。
老いたその樹は、幹が空洞だったり、台風や雪の重みで枝を失ったりしています。ゆっくりとですが、確実に死へと向かっているのです。
それでも春には、わずか4日間くらいの間に、20万枚もの葉を開きます。
一見、物言わず静かに佇んでいるように見える巨樹たちが、実は日光を奪い合うように必死に枝葉を伸ばして生存競争をしているのです。
その中で、年老いた〝日本一のブナ〟も生きる事を辞めようとしません。
そして秋が深まると今度は、雪が来るよりも早く、20万枚の葉を散らさなければなりません。そうしないと雪が付き、その重みで枝が折れてしまうのです。
しかし、この葉を散らす作業は大変なエネルギーを使うらしく、若い樹々がとうに全ての葉を散らし冬の準備を済ませているのに、〝日本一のブナ〟はまだ、多くの葉を散らせずにいます。
けっきょく例年より早くやってきた雪に、枝を折られてしまいます。

日本を代表する原生林としては、世界遺産でもある「白神山地」が有名ですが、あちらがブナが中心であるのに対して、こちらは多種類の樹木を見る事ができます。
クリ、ミズナラ、クロベ、シナノキなど…。
それぞれの種の日本一か、それに準ずるものが、満身創痍になりながら、この和賀山塊に生きているのです。

人はいくら長生きしても、100年とちょっと。
私たちが永遠に触れることの出来ない悠久の時間を、彼らはどう感じて生きているのでしょう。
そして、私たちをどう見ているのでしょう。

私たちはもっと、彼らと調和、共鳴しなくて良いのだろうか。
彼らに教えられることは沢山あるんじゃないか。
改めて考えさせられる番組でした。

再放送は3月7日(火)深夜0:15~(8日午前)だそうです。
録画してでも、ぜひ、ご覧になることをお勧めします。


最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
感動でした (よもじぃ)
2006-03-14 00:02:17
僕も見ました。

巨樹はそこにあるだけで、不思議と感動なんだよね。どっしり、そして雄大に、しっかりと根を伸ばし、とてもたくましく感じました。



カメラマンもすごいですね。

この人たちは仕事でやってないな・本当にこの巨樹が好きなんだろうな、と思わせる、ねっとりしたアングルと辛抱強さを感じました。



この巨樹のもとに行くのに、山に入って2,3日でしたっけ、本当にすごい。



1年越しで撮影したものを、この45分だけで魅せる、この贅沢さも良かった。



ただ、ヨメに途中でチャンネル権を奪われて、30分弱しか観れなかったが残念でした。。。。。
返信する
>よもじぃさん (シキシマ博士)
2006-03-14 10:44:00
いや~、本当に贅沢な番組でした。

自分では行くことのない秘境を、目の当たりにできるんですからね。

暫し、日常の忙しさを忘れて見入ってしまいました。

やはり、こういう番組はNHKならでは。

こんな風に使ってくれるなら、受信料を払う甲斐もあるというものです。



でも、30分弱しか観れなかったのは残念ですね。

次に同じような事があったら、必ず録画しましょう!
返信する
TBさせていただきました (森の語り部たち)
2006-04-29 19:35:31
NHKスペシャルの記事でTBさせていただきました。

2度もしてすみません。
返信する
>森の語り部たちさん (シキシマ博士)
2006-05-01 00:32:29
コメント&TBありがとうございます。

ブログ拝見しました。

あのブナを見に行かれたんですね。

掲載されている絵もとても素敵ですね。



TBのほうは気になさらないでください。

重複するものは削除しておきます。
返信する

コメントを投稿