明日へのヒント by シキシマ博士

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「あらしのよるに」 ガブとメイ、同じ月を見ている?

2005年12月25日 02時53分55秒 | 明日のための映画
アニメ映画「あらしのよるに
原作は、きむらゆういちさんの絵本です。
ですから、劇場内は親子連れが多かったですね。
そんな中、私のようなオッサンが一人で観るのは、ちょっと目立ってたかも。
でも、気にしない気にしない。

嵐の夜に、雨宿りの為に古い小屋に入り込んだ、山羊のメイ(声・成宮寛貴)と狼のガブ(声・中村獅童)。
真っ暗闇の中で声だけをたよりに、互いを同族と思い込み、信頼感を築く。
嵐が去った翌日、再会した2匹は、そこで初めて互いの正体を知る。
が、すでに芽生えた友情は、食う者・食われる者という立場を超えて育まれていく…

映画の終盤、私の隣の席の女の子が、鼻をすすりながら泣いていました。たぶんその見かたで正解でしょう。
でも、大人はいろいろと理屈っぽく深読みしたくなりますね。
よく言われるのが、メイもガブも設定上は♂ですが、2匹の関係は、男女のそれであるという事。
それを踏まえて、子供に見せるには妖しく不道徳だと言う親御さんもいらっしゃるようですね。
同族の群れの中に求めるべき関係を、何故に、山羊と狼に置いたのか、そこに納得できないという意見もあるようです。
その関係に目をつぶっても、それがこのようなラスト(ネタバレになるので明かせませんが)に落ち着く事に同意できないと言う見かたもあります。
これらの考えは、いま自分が置かれている、世界のしくみ・秩序は不動のものという事を前提に論じられていますよね。

私は思い切って、その秩序を疑うこともアリという目で観てみました。
狼たちは常に強者で、山羊を食うのが当たり前。
山羊は常に狼に襲われるのを警戒し、気が休まらない毎日を送るのが当たり前。
これを踏まえて世界は成り立っています。
が、本当にそれでいいのか?

狼だって哀れみの心を持ったほうが、山羊殺しの罪悪感(?)から開放されるんじゃないか?
山羊はもっと無防備になって、毎日のびのび暮らせたほうが幸せじゃないか?
山羊と狼が、仲良く満月を眺められる世界があったら素敵じゃないか?
本当は、今よりもっと快適な秩序があるんじゃないのか?
(本能というモノは、この場合、考えないものとして)

こんなこと言うとやっぱり、馬鹿げたことと、笑われちゃいますかね。
私とて大人の分別はありますから、既成の秩序が崩れてしまえばどれほどめちゃくちゃの混乱になるか判ります。
でも、
ガブとメイの世界なら…
子供達が思い描く世界なら…

ただ、私のこの馬鹿げた見かたをするには、2匹に、現状を突き破ろうと思い立つキッカケというか、理由付けが欲しいですね。
…というのも…、自分が大人である為の、想像力の欠如かな。

夜、テレビでは名作「ローマの休日」が放映されてました。
アン王女(オードリー・ヘップバーン)も、がんじがらめの現状から脱出しようとしてるみたいに見えました。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TB&コメントありがとうございます。 (やっぱり邦画好き…)
2005-12-26 11:52:53
>現状を突き破ろうと思い立つキッカケというか、理由付けが欲しいですね。



同感です。ここが描かれてないので、私は無謀な悲恋物語に感じて、しっくりきませんでした。



ファンタジーとしては充分良いアニメだと思います(^^)
返信する
↑あ!邦画好き・・・さんだ! (こっちゃん)
2005-12-26 17:00:34
ってこんにちわ。

こっちゃんです。



こっちゃんは、こっちゃんなので「こっちゃん」と呼んで下さいネ。

みんなそう呼びますから(笑)



なるほどですね~。

とっても好感の持てる記事ですね~。

そう言われれば確かにそうも思いますね。



単純に話しにどっぷり浸かってしまったこっちゃんは

やっぱりお子ちゃまだったのかもしれませぬ( ̄∀ ̄*)



色んな見方が出来る映画って言うのもまた楽しいですね♪



コメント&トラバありがとうございました~(´ω`*)ノシ
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>やっぱり邦画好き…さん (シキシマ博士)
2005-12-26 23:48:01
確かに、この部分がしっかり描かれていれば、もっと物語の展開に説得力が出てくるんでしょうね。

そういう欠点はあるけれど、それでもなんとなく好意的に評価してしまう私です
返信する
>こっちゃん (シキシマ博士)
2005-12-27 00:01:59
はい、解りました。こっちゃん!

ようこそ、いらっしゃいました。



こっちゃんのブログも、とっても楽しくて好感が持てますよ~。

本当は、こういう作品は、あまり理屈をこねずに楽しみたいですね。



また遊びに行きます。

これからもよろしくお願いしますね!
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