明日へのヒント by シキシマ博士

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「ポテチ」 違っていても、それもまた良し

2012年06月18日 18時20分50秒 | 明日のための映画
原作・伊坂幸太郎 + 監督・中村義洋と来れば、もう観ないわけにいかない!
でも最寄の劇場では上映されておらず、少しだけ足を伸ばした劇場で、最終日に滑り込みの鑑賞となってしまいました。
それでも観れてよかった!
見終わったあと、とてもすがすがしい気持ちになりました。
もはや私にとって、中村監督による伊坂作品の映像化は、絶対的な信頼を置ける最高のブランドとなりつつあります。

空き巣を生業とする今村忠司(濱田岳)。
その仕事ぶりを見てみたいと、同棲中の若葉(木村文乃)に言われ、二人でプロ野球選手・尾崎の部屋に盗みに入る。
しかし、なぜか一向に盗みを始めない忠司を若葉は不思議に思う。
そこへ不意に電話がかかってくる。
尾崎に助けを求める女性の声。
放っておけない性分の忠司は、若葉とともにその女性の元へ向かうが、実はそれは尾崎を騙すための狂言だった。
それを知って、必要以上に逆上する忠司。
いったい、なぜ…?
(原作:伊坂幸太郎/監督:中村義洋 68分)


トリッキーな展開が魅力の作品なので、あまりストーリーには触れないほうが良いですね。
私は原作も読んでいます。(新潮文庫〈フィッシュストーリ〉の中の一篇)
これまでに読んだ伊坂作品の中で、私的にはもっとも好きなものだったので、中村監督がメガホンをとると知った時は大喜びしました。
それから、鑑賞できる日を心待ちしていたのです。
そしてようやく観ることができたあとの感想は、もちろん「素晴らしい!中村監督ありがとう!」です。
普通の映画よりも尺がやや短めですが、原作も短編なので内容的には充分に満ち足りています。
ほぼ原作に忠実に作られた映画なので、伊坂作品のトリッキーな面白さは充分に堪能できます。
その反面、原作を読んだ者には新たな驚きはないので、それを物足りなく思う人はいるかも知れませんね。
確かに、おなじく伊坂+中村の映画「フィッシュストーリー」が、原作の良さを活かしつつ、映画はそれを見事に膨らませていましたからね。
あれと比べてしまうと、映画ならでのサプライズはさほど感じられません。
でも、原作があまりにも良いので、そのままで充分なのだと思います。

それに、配役のピッタリ感で言えば「フィッシュストーリー」も超えているかも知れませんね。
 空き巣なのにお人よしで、少し不思議なキャラ〝今村忠司〟 = 濱田岳
 冷静な洞察力と観察力を持ちながら、やけに面倒見もいい〝黒澤〟 = 大森南朋
 天真爛漫な〝忠司の母〟 = 石田えり
もう、これ以外には考えられないほどのピッタリな配役でしたね。

そしてそして、なんと言っても
 口は悪いけど、かわい気と良識のあるキャラ〝若葉〟 = 木村文乃
彼女がとても良かったですね。
忠司・黒澤・忠司の母といった個性の強い登場人物に交じって、もっとも普通の空気感を出す役どころ。
上手くやらないと存在感がなくなってしまうし、へたに存在感を出そうとすると出しゃばって見えてしまうと思うんですが、彼女はそこを絶妙に演じてましたね。
忠司との掛け合いもですが、忠司の母親とのシーンも良い感じが出ていました。
彼女、木村文乃さんのことは、これまでドコモのCMでしか知りませんでした。
その時の笑顔のかわいさがとても印象的だったので、「ぶっとばすぞ!」なんてセリフが似合うのかな?と少し心配しましたが、あのCMとは一味違うキャラを見事に見せてくれましたね。
これからが楽しみな女優さんと思っていたら、朝ドラの「梅ちゃん先生」にも登場するようになってましたね。なんだか嬉しいです!

あ、それからもう一人、忘れてならないキャラがいます。
〝中村専務〟です。
演じているのはほかでもない、中村義洋監督ご自身。
演技として上手いかどうかはわからないけど、あのトボケた味は絶妙でしたね。
それもそのはず。伊坂さんが中村監督をイメージして書いたキャラだそうですから。
ラストでもちゃっかり目立っちゃってるし、監督ご自身が楽しんで作ったのがよ~くわかりました。


この映画、震災後の仙台の〝復興の後押し〟の意味も込めて製作されたようですが、確かにそれに相応しい作品だと思います。
と言うよりも、まず私の気持ちが後押しされました。
ガンバレ!というのではなくて、
 本来の道から逸れたとしても、それはそれで悪くない。
 思いがけないことは悪いことばかりじゃない。
 いろんな人が助けてくれるし、自分も誰かの力になれる。
 だから、どう転んだって大丈夫!

そんなメッセージが、すがすがしく、そして確かな手応えとなって伝わってきます。
思い通りにいかなくても、特別な能力がなくても、人間てやっぱり良いですね。


原作本はこちら
フィッシュストーリー (新潮文庫)
伊坂 幸太郎
新潮社

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2 コメント

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Unknown (yutake☆イヴ)
2012-06-19 18:14:27
TBありがとうございます。

素朴ななかに、わずかでも、強さや優しさを感じた作品でした。
良かったと思います。

ではでは★
>yutake☆イヴさん (シキシマ博士)
2012-06-20 08:51:47
コメントありがとうございます。

68分と尺は短かったですけど、満足感のある映画でしたね。
見終わったあとの爽快感のせいか、人に優しくしたくなりますね。

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