明日へのヒント by シキシマ博士

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「幸せへのキセキ」 いいないいな、人間ていいな

2012年06月04日 22時51分40秒 | 明日のための映画
この素晴らしい作品を、一般の人よりも早く試写会で鑑賞できたことを喜ばしく思います!
と同時に、この素晴らしさを一人でも多くの人に紹介することが、一足先に鑑賞した者の使命だなとも感じます。
難を言えば、この邦題「幸せへのキセキ」はまったくセンスが無いですが、これはオリジナルには責任がないので目を瞑ってください。
邦題から受ける印象よりも、はるかに丁寧に細やかに、そして心優しく描かれた人間賛歌です。

半年前に妻を亡くしたコラムニストのベンジャミン・ミーは、14歳の息子と7歳の娘とともにまだ悲しみから立ち直れない。
仕事は上手くいかず、そのうえ、反抗期の息子は学校で問題を起こして退学。
心機一転、郊外の家を買って再出発しようと考えるが、なかなか良い物件は無い。
ようやく見つけた物件には、なんと閉鎖中の動物園が付いていた。
しかし娘の喜ぶ顔を見て、ここに住むことを決めるベンジャミン。
動物園の再稼動に向けて取り組むが、わからないことだらけで苦難の連続。息子との関係も上手くいかないまま。
しかし飼育員たちや地域住民、そして亡き妻からの助力に支えられながら、様々な苦難を乗り越えていく…
(監督:キャメロン・クロウ 出演:マット・デイモン/コリン・フォード/マギー・エリザベス・ジョーンズ ほか 124分)


実話に基づいた話だそうですね。
動物園を再稼動させるまでを描いている訳ですが、そのことについてだけの物語ではありません。
少し変わった設定ではありますが、これは誰の心にも響く素晴らしいヒューマンドラマです。

最愛の妻を失ったベンジャミンの哀しみ。
その哀しみは息子も共有している筈なのに噛みあわない。
このままずっと立ち止まっていてはいけないと思い、新たな一歩を踏み出してみたら…
これまでとはまったく違う生活が待っていた。

たぶん、人生にはタイミングというものがあるのでしょう。
最愛の妻を失うという、おそらく生涯でこれ以上は無いであろう哀しみを味わっている時だからこそ、ベンジャミンはこの過酷な試練にチャレンジする気になったのでしょう。
これが普通の時だったら、わざわざこんな家を買うのはやめて、もっと平凡な家を買って平凡な生活を選ぶと思います。
でもベンジャミンは敢えて厄介なほうを選択します。なぜでしょう?

私は、ベンジャミンが今も奥さんを愛しているからだと思います。
その想いが強過ぎるために、心はそこに留まろうとしてしまう。
でも、生きている以上は先に進まなくては行けない。父親として二人の子を育てる義務もある。
それらをしっかりこなしていくことで初めて、掛け替えのない思い出の中の奥さんは微笑んでくれる。
ベンジャミンも胸を張って思い出と向き合える。
だから頑張る。だから乗り越える。

でも、半端な頑張りでは、奥さんとの思い出のほうが強いから、すぐに引き戻されてしまって進めない。
引き戻されないためには、自分の全てを推進力に向けさせる、大胆なチャレンジをするしかない。

そういうことなんだと思います。

よく、〝神は乗り越えられない試練は与えない〟というけれど、まさにこのことですね。
ベンジャミンには乗り越えるだけの推進力があった。
すなわち、それは、それだけ奥さんを強く愛しているということの証明でもあるんですね。

そして、神はちゃんと見てくれていて、本当に頑張っている者には手を差し伸べてくれる。
亡き奥さんからのプレゼントも、息子との和解も、スーパーのレジ係の存在も、そして動物園の再稼動も…
それを奇跡と言うのは簡単だけど、その奇跡を神に起こさせたのは、やはりベンジャミンの生き方そのものだと思います。


これが絵空事でなく、実話だと言うんだから嬉しくなりますね。
人間ていいなぁって思います。
自分も頑張ろうと、ほんとうに思いました。

主演のマット・デイモンの自然な演技が良かったですね。
二人の子供もすごく良かった!


映画のラスト。
ベンジャミンが子供たちに初めて話す、奥さんとの馴れ初め。
このシーンはぜひ、映画館で観て感動してください!


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