明日へのヒント by シキシマ博士

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「地獄でなぜ悪い」 絶賛してなぜ悪い

2013年10月24日 23時33分27秒 | 明日のための映画

初めて観た園子温監督の作品は「愛のむきだし」でした。評判になっていたのでレンタルDVDを借りて観たのです。
その時の感想は、たしかに面白いけどグロ過ぎる演出は苦手だな。というものでした。
過激すぎる演出で押しまくる作品を、私はあまり好きになれないのです。
しかしどうしたことか、気がつくとその後に作られた園監督作品を全て観ている私がいました。
悪趣味でグロいけど、それ以上に引きつけるパッションがあるということなんだと思います。
なんだ、自分はこの監督の作品にすっかり嵌っているじゃないか。
それをはっきり自覚してからの最初の作品が、この「地獄でなぜ悪い」ということになります。
今回は喜劇ということなので、少しはグロさが軽減されているのかなと思いながら、劇場に足を運びました。

ヤクザの組長・武藤は、自分を守るために罪を犯し服役している妻の夢を叶えるべく、愛娘ミツコを主演にした映画の製作を決意する。
しかし、監督も脚本も決まっていない。
曲折の末、通りすがりの気弱な青年・公次と、映画監督を夢見るハイテンション男・平田と出会い、ついにクランクインの目処がつく。
しかし、平田が撮りたいものとは、武藤組と敵対するヤクザ組織との〝ホンモノ〟の抗争。
かくして、キャスト・スタッフとも命がけの、映画制作が始まる…
(監督:園子温 )




やっぱりグロかったですねぇ。
スクリーンに映る血の量で言ったら、これまでの園作品中で最も多かったのではないでしょうか?
でも度を越し過ぎているせいか、それで逆に作り物っぽく見えて、笑えてしまうんです。(まぁこれは個人差があると思います。グロくしか見えない人にはダメでしょう)
私は何度も声を出して笑ってしまいました。

とにかく、好き勝手にやりたい放題やってる超おバカ映画です。
でも、出演者の誰もがとても真剣で生き生きとして見えます。
主要キャストの國村隼さん、二階堂ふみさん、堤真一さん、星野源さん、友近さん、原菜乃華ちゃんらはもとより、チョイ役や端役の人までとても存在感がありました。
そしてなんと言っても、特筆すべきは長谷川博己さんですね。
あの異常なハイテンションは凄いです。もう今年度の男優賞は総ナメでしょう。
たぶん、撮影現場はもの凄く楽しかったんでしょうね。
そうでなかったら、皆がこぞってこんな大バカを貫き通せるわけないですから。

観終わってとても満たされた気持ちになり、活力を貰いました。
そういう意味では、前作「希望の国」のあとの作品としてふさわしいと思います。
原発事故は今も収束せず、放射能漏れや汚染水の脅威は依然として続いているわけですが、そんな中でも私たちがするべきことはやはり、バカになるくらい熱く、「全力歯ギシリ Let’s GO♪」と生きることなのだと思います。


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