THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

VOL,163 白石LIVE HOUSE&STUDIO「PIGSTY」OLD★JUNKY編

2019-04-30 06:21:45 | Live Set List

さあ、いよいよこのライブ・レポートも佳境に差し掛かってきましたよ!!

トリ前、満を持して登場したのは、札幌唯一無二のロックンロール・バンド。

最強で不動の粋なトリオ。

8、20:50~21:20

OLD★JUNKY

このバンドとマサとの付き合いもそうとうに長いです。今まで彼等がS・T・A企画ライブに出演してくれたのはモダン・タイム、そしてちょうど2年前のヴィニーズバー。

はやいもんだねえ!

結成10年を迎えても尚アグレッシブなる進撃が止まらない3人組(一時4人編成の時代もありました)。

ロックバンドにとっての最小ユニットでもある編成で、ストレートな痛快ビートを展開します。

春夏秋冬、いつ如何なる時にでも革ジャン&リーゼントというブラックファッション姿勢を、徹底して崩さないメンバー達だけど、今回もバンド名が背中に書き込まれた黒シャツをバッチリときめて登場(髭やサングラスもポイント高いね)。

ベース&ヴォーカルはテツ。ギター&ヴォーカルがマーボ。ドラム&コーラスがジュン(スネア持参)という、いかしたロックンローラーたち。

マーボの愛器はマットブラックのフェンダーUSAテレキャスター(メイプル指板)。ギター・アンプは持ち込み。ジョニー大倉のポジションだね。

テツのベースコレクションが半端ではありません。

もちろん尊敬するキャロル時代の矢沢永吉使用ベースが基本コンセプト。

で、伝説の日比谷野外音楽堂キャロル解散ライブで使用していたのが、当時は発売されていなかったナチュラルボディのフェルナンデス通称・琵琶ベース(この形が音響理論的には良質なサウンドを得られると何かの本に書いてありました。メイプル指板)。

それを前回はテツも使用(2本所持しています!)

機種名はYB-75。

こだわりはそれだけにはとどまらず、ゴールドパーツにチェンジ。

バダス・ブリッジ、グローヴァーU・S・Aペグ、そして合計600円(!)コントロール・ノブ3個の白いストラトキャスター用プラスチック製に載せ換えという徹底ぶり。

これらは東京にある永ちゃん直営店の「ダイヤモンド・ムーン」に展示されている本家琵琶ベースを穴の空くほどに観察してきて、忠実に再現したのだそうです。わかるよ、その気持ち!

ところが今回は、それを更に凌駕するベースを手に見参!

フェンダー・ジャパンのプレシジョンベースだ。

矢沢永吉がキャロル時代に使用していた、ナチュラル・ボディを丸々完全コピー(ローズ指板。写真参照のこと)。

ピックガードもコントロール・ノブ&インプットジャック部分のみ残して切断。

ピックアップ他電装部分は全て交換して、キャロル風味のサウンドを再現。

徹頭徹尾のこだわり全開だあ!御見逸れしました!ここまで徹底的にやられちゃあ、最早何もいうことありませんなあ。

そしてだよ・・・ダメオシとばかりにベースボディの裏面には油性黒マジックにて、直筆サインがビッシリと書き込まれているのだ。

元キャロルのリードギタリスト・ウッちゃん、元ダウンタウン・ブギウギ・バンドのベース&ボーカリスト・新井武士さん、そしてクールスのメンバー達・・・・のもの。

素晴らしくて感動しちゃうね、うんうん。

ちなみにマサとテツは、この日に着ていたお互いのサテン地風なシャツに興味深々で入手先などの情報も交換。

恒例の司会者マサによるイベントに対する丁寧なる説明と、来場者に対する感謝の気持ちとこれまでの出演バンドも改めて紹介。

そして威勢よく一気呵成にバンド名「オールド・ジャンキー」をコールしました!(セットリストは当日に発表されました)

「ROAR~咆哮」

ちょっと意外性を狙ったのかルーズなコードワークでグイグイと強引なまでにオーディエンスを巻き込んでくる、バイオレンス・ナンバーで幕開け。

でも決めるところはバッチリと決める、なんだかんだいっても血沸き肉踊る正統派ナンバー。

「ヘイ!カモン!!」ここでは、岩城晃一似のマーボがボーカルをつとめる。

一時たりともじっとせず、自由奔放に隈なくステージ上を動き回るメンバー達。

大御所ならではの阿吽の呼吸で、オールド・ジャンキー・ワールドへ誘ってくれます。

まずはご挨拶とばかりの肩慣らし。大挙して駆けつけてきた応援団やグルーピー(!?)達のハートを初っ端から鷲掴みだ。

「1・2・3・4~!!」間髪入れず、立て続けに「TUTTI FRUTTI(リトル・リチャード)」

前曲からムード一転、リトル・リチャードの永遠なる代表作「のっぽのサリー」風激しいシャウト炸裂で

「ヘイ!ヘイ!カモン!カモン!!」

リードボーカルは伊達男のテツにバトンタッチ。

これもキャロルがお得意としていた、往年のロックンロール絵巻。

はじめて聞いた人たちでもすぐ歌えるキャッチーなサビが快感。

結成時からまったくぶれることなく貫いてきた、問答無用のエナジーに乾杯!

「のってるかい?」「イエーッ!!」「お前ら、舐めんなよ~!」「イエーッ!!」「ちょっと飲みすぎた~!!」

マイク・スタンドをぶったおしちゃっても全くお構いなしの素振りさ。

お友達のルチュ嬢&スバルちゃん達も、ノリノリで華麗でセクシーなダンシングで応戦。

と、ここで息つく暇さえ与えずに、激しいドラム・ソロに突入。

メドレーで「SLOW DOWN(ラリー・ウィリアムズ)」が飛び出した。

ステージ前はすでにグチャグチャの芋洗い状態と化しています。

引き続きテツがリードボーカルを担当。

まるでキャロルのパフォーマンスを観ているかの様な錯覚に陥りそうなくらいの勢い。

3人によるコーラスワークも、鉄壁の様相を呈しています。

テツのベース・グルーヴをSTAのクル氏が絶賛していました。滅多に人を褒めないクル氏だからビックリだ。もちろんテツもそれを聞いて大喜びさ。非常に励みの糧になった御様子。

アクションも気持ち良いくらいの徹底ぶりだ。極め付けのギターソロでは、フロントに歩み寄ってこれでもかあ!というほどの猛アピール。

リズムセクションも見事なバックアップ。

目の冷めるようなロックンロールバンドの基本ともいえる原点回帰に皆、圧倒されている様子。

本物のライブアクトって、こういうのを指すんだよね。

長年の過酷なるステージングで培われた、血と汗と涙の結晶がこれ。

前半戦はこのように王道ともいえるカバー大会。

ほろ酔い加減のマーボによるMC。

「ごめんね~!この向かいのジンギスカン屋で飲みすぎたあ!!でもこれも想定内(笑)ここで主催者のマサさんとSTAの皆さんに拍手!」

パチパチ!!

照れくさいほどに恐縮しちゃいました、ありがとう(私も子供の頃はマーボと呼ばれてました。いとこは今でもマーボと呼びます)

「今日はオールド・ジャンキー今年初のライブです。このライブハウス、以前は昭和の時代から映画館だったんだよね・・・・。懐かしいなあ・・・・・。俺が小学5年生の頃、ここの映画を何回も観に来てたさ。千葉真一の殺人拳!(笑)合間にポルノ映画の予告編なんかがあってさあ(爆笑)。ちょくちょく婆ちゃんの財布からお金をくすねては、東宝漫画祭りゴジラ対ギララとかガイガンとかを観に来た。ここでライブをやれるなんてやっぱり感慨深いものがあるし最高だね。もの凄い事だ。ちょっと誰か飲み物くれる?」

観客から差し出されたビールを、美味しそうにグィッと一飲み。

「WAO!!みんな、飲んでますか~っ!?」「イエーッ!!」

「皆、若い振りしているけど、50年近く生きているんだろう?次はオリジナルで申し訳ないけどいいでしょ。オールド・ジャンキーがデビューした時からずっとやっている曲。イエイ、いくぞ!飲んでる?皆さん?」「イエー!」

「俺の友人が3年前、星になってしまった・・・・・俺等くらいの年になると、なぜか星になりたがる奴がいるんだよね・・・・そんな友人に捧げた曲・・・・・TIME AWAY・・・・・」

静かに燃え滾る炎のごとく、ストーリー性をたぶんに含んだ泣かせる一曲。一見コワモテのメンバー達だけど、実際の中身は情にもろくて気さくで優しいナイスガイ達。

ここいらへんではグッときちゃいました。

人生観を滲ませるスィートな歌詞は、そんじょそこいらの若いモンには決して真似のできない渋みさ。

テツ「イエイ!ヘイヘイヘイ~ッ!!改めてオールド・ジャンキーです(とさりげなくバンド名入りのシャツ背中をチラリと見せてニヤリ。憎いねえ)皆さん、お手元の酒を持ってのってね。

けっこうオールド・ジャンキーってかっこいい!?ハッピー!」

「イエーッ!!」

「マサさん、待ち時間が長いよ~!5時間だよ~(笑)。今度の時には真ん中にしてください!

そこのジンギスカン屋の店長!あの野郎にやられた!こんなはずじゃあなかった・・・・(爆笑)

あ~皆、恋したことある~!?なんかロックンロールやりてえ!!そんな曲やります。

さあ、ここからはロックンロール・オリジナルやります!1・2・・・・・LOVE IS YOU!!」

誰にでも経験のある青春時代の甘くほろ苦い思い出がふっと心に染み入る傑作。とてもじゃあないけれども知らないで聞いていたら、これは誰かプロの隠れた名曲だと思っちゃいそうなほどの完成度を誇っています。いやはやなんとも大したものだ。

キャロルとビートルズの融合。まさに熟練の技。

「矢沢を好きな人は手をあげて!!」「(観客達)ハーイ!」「俺、一時は嫌いな頃もあったんだけど・・・・・」「じゃあ俺たちをこんな風にした張本人、矢沢永吉のソロ初期ヒット曲、黒く塗りつぶせ(3枚目のスタジオオリジナルアルバム・ドアを開けろに収録。タイトルからもわかるとおりローリング・ストーンズの黒く塗れにインスパイアされた情熱ソング)に対するリスペクトナンバーで・・・・・10年前のオールドジャンキー結成時からやっている、マーボちゃんが作った曲をやります!!・・・・」「キーなんだっけ??(大爆笑・・・そしてチューニング・・・・マーボのギターをテツが調整してあげる)」「白く塗りなおせ!!1・2・3・4!!」

これこそ正真正銘、デンジャラスな酔いどれロックンローラーの真髄一直線。

永ちゃんフレイヴァー満載で絡みも豊富に暴れまくりで突入。

テツが弾き出すベースラインが、永ちゃんフレーズをお手本にした組み立てで思わずニヤリ。

真骨頂ともいえる微細なる指クセまでをも蘇らせている。でもしっかりとオールド・ジャンキー節を形成しているのだからしたたかなものだ。

エンディングではチラッとだけ永ちゃん初期の傑作「世話がやけるぜ(サード・アルバム「ドアを開けろ~OPEN YOUR HEART)」のリフをマーボがインサートしたのを聞き逃さなかったよ。

「あのね~!今日、バンドは解散します(もちろん冗談。マーボちゃん、そうとうに酔いがまわっている)ジンギスカン屋、おまえのせいだ!」「人のせいにするな!それを言っちゃあ御終いだよ」「次のライブは5月・・・・こういう告知は駄目なんだよね・・・・俺は喋ってないよね?」「喋ってない!」「最後のナンバーいくよ!GOOD OLD R&R(キャット・マザー)」

このノリノリに突き抜ける軽快なるスタンダードは私、キャロルのカバーで知りました。

コンパクトに纏め上げられた魂の息吹が、グイグイと伝わってきますね。

三位一体となったスクランブルも快調。この日の出演バンドではジャンルこそ違え「万事屋」と同じく最小人数なんだけど、そんなことをも忘れさせられるほどのコンビネーション。

これは計算ずくではなく、内面からほとばしる情熱が全てに勝っているのでしょう。

「今日の俺はいつもの俺じゃあないなあ・・・・このバンド、10年目だけど最低のライブをやってしまいました・・・マサさん、ごめんね~!」

本人達は気にしているけど、そんなことないのにね!だって異様なくらいの馬鹿受けだったよ。

それを証明するかのように「アンコール」の声が轟きわたっているよ!

「焼肉屋、どこいった!?もうオールド・ジャンキーを呼ばないでください。このバンドを結成した時、1番最初に完成したオリジナル!。もう一発いきます。皆、準備できてるか?」イエーッ!」「俺らは準備できてないけど・・・・(笑)いくぜ!!

オールド・ジャンキーのテーマ!!1・2・3・HEY!!」

とどめはやっぱりこれに尽きますなあ。

余力を振り絞って、3人組とはとても思えないほどの迫力で駆け巡る熱き男気溢れたロックンロール!

かぶりつきで見入っていた札幌ライブ界隈の名物ダンサー、アベさんも俄然たまらずツイストではじけまくり。

下手な理屈なんか軽く凌駕するほど、頑固一徹筋金入りの3コード応酬。

後ろでじっと観ていたバンドマンも感動のあまり「なにからなにまでもが、とても勉強になるなあ・・・・」と瞬きするのも惜しむほどに見とれていました。

この日は札幌だけでもあちこちでライブが開催されているのに、この大入り状態にはビックリ。

正直いって入場者数には不安もあったのだけれども、そんなことただの取り越し苦労でした。

しかもオールド・ジャンキーは大トリのような盛り上がり。

マーボ「焼肉屋、どこ行った?・・・・もう1曲やらせて・・・・」マサ「はい、それはこの次のお楽しみね!(笑)」

「サンキュウ!!」マサが改めてコールします「もう一度盛大なる拍手を!オールド・ジャンキー!!」

 和やかなうちに大盛況で終了。

トリ前という重責を余裕タップリにこなしてくれました。

 

****ライブ・レポートは残すところオオトリのTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)のみとなりました!引き続きお楽しみくださいませ!!****

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