知事は所信表明で、「今、求められているのは未来を拓く突破力」と強調し、その方向と手法は「安倍内閣の成長戦略との連携」と「山本前知事の産業戦略の一層の充実と加速」と位置づけられ、安倍政権と一体となった県政運営を行うことを宣言した。
新年度当初予算案は、新規事業や政策的判断を要する経費は6月補正予算で「肉付け」する「骨格予算」とされているが、最重点は、港湾拡張や「第二関門橋」など新たな高速道路網整備を中心とした「瀬戸内産業再生戦略」に242億円がつぎ込まれるなど、アベノミクスの山口県版として策定された山本前知事継承の「やまぐち産業戦略推進計画」に沿った大企業応援施策が目白押しだ。
■露骨!大型開発事業への布石…肉付けするなら県民要望こそ
とりわけ露骨なのは、当初予算には公共事業関係費が425億円と、対前年比50%しか計上されず、六月補正の「肉付け」に向けて、大企業・ゼネコン支援のためのムダな大型開発への布石が打たれていることだ。
前年度並みにすれば、県債残高の累増につながり、財政再建もおぼつかなくなるが、どう対処されるのか、お尋ねする。…①
一方で、乳幼児医療助成制度の対象年齢の拡大、小中高校での30人以下学級の導入、私学助成の拡充、住宅リフォーム助成制度の創設など、県民が強く要望してきた施策は、軒並み据え置かれた。
「肉付け」するなら、こうした県民要望を最優先するべきではないか。
お伺いする。…②
◆消費税大増税のまやかし
県民は消費税増税により、約800億円の負担増を強いられる一方、地方消費税などの増収分約47億円のうち、福祉の「充実」に計上されているのは、14億6100万円で、残り32億8200万円は、「社会保障の安定化」の名目で、一般財源からの名義替えにすぎない。
「社会保障のため」というなら、全額を「拡充」に回すのが筋ではないか。見解を伺う。…③
◆地方の疲弊…その根源は何か
知事は、地方行政の世界を志した原点は、「格差が広がり、次第に活力を失っていく地方を何とかしたい」との思いだと述べられた。
私は「その言や良し」とするものだが、こうした現状を招いたのは、三位一体改革の名で、市町村合併を押し付け、様々な手法で地方交付税を削減してきた政治にこそ、一番の原因があると考えるが、知事の見解をお尋ねする。…④
地方の疲弊を知る知事ならば、大都市に偏重し税源構造を是正するとともに、地方交付税制度を本来の姿に戻し、地方自治体が「福祉の増進」という使命を十二分に果たせるよう、国に働きかけていくべきと考えるが、見解を求める。…⑤
◆再質問
消費税増税によって、地方消費税は現在の1%から1・7%に引き上げられるが、当初予算に計上されたのは0・2%に過ぎない。平年ベースではさらに60億円程度の増収が見込まれる。
乳幼児医療費助成制度の対象年齢を、小学校卒業までに拡充するのに必要な県負担額は、12億円程度と承知しているが、子育て支援の要として優先課題の一つとして検討すべきではないか。
答弁を求める。
◇藤井総合企画部長の答弁要旨
① 肉付け予算については、地域経済の活力向上や安心・安全確保など、公共事業が果たす役割を踏まえ、所要の予算措置を検討することにしている。その際、特に財源となる一般分の県債に係るプライマリーバランスの黒字確保と、残高の縮減に十分留意していく。
② 県として取り組むべき、その優先順位を精査する中で、必要な対応を検討していく。( 再質問への答弁も同様の趣旨)
③ このたびの消費税率引き上げは、増大する社会保障費の安定財源を確保するためのものであり、増収分の使途については、「社会保障の充実」と併せ、経費の自然増等に対応する「社会保障の安定化」に充当することとされており、県としても、国の方針に基づいて、増収分の活用を図ることとしている。
④ 議員お示しの三位一体改革や市町村合併等による地方交付税削減をとらえて、その原因を説明することは適当ではないと考えているが、格差是正や地方の活性化のためには、地方交付税の充実・確保が必要と考えているので、今後とも、国に対して働きかけていく。
⑤ 県としては、これまでも全国知事会を通じ、税源の偏差性が小さく、税収が安定した地方税体系を構築すること、また赤字地方債である臨時財政対策費の発行に依存せず、地方交付税の充実により、地方の一般財源総額を安定的に確保することを国に要請してきた。今後もあらゆる機会をとらえ、国に対して強く働きかけていく。
■5月1日、海峡夢広場で開催された、下関地区メーデに来賓として招かれ、日本共産党を代表して挨拶させていただきました。
暴走続ける安倍政権と、正面から対決し、対案を対置、共同を広げ頑張り抜く決意。とりわけ、雇用と労働の更なる規制緩和・「生涯ハケン」「正社員ゼロ」社会への道を開く派遣法大改悪は、絶対に許さない決意を表明しました。
来賓で、下関市長代理・森本産業振興部長が挨拶。 祝辞メッセージは、県労連と下関県民局長。代理の徳光労働担当主幹が、紹介されました。
発言も多士済々です…。
三菱じん肺訴訟で臼井原告弁護団長。マツダ裁判原告団。上関原発住民訴訟の田川原告弁護団長。生活と健康を守る会の上野県連会長など、次々と闘いの報告と勝利への決意、連帯と共同の訴えが続きました。
私も挨拶の最後で…来年のメーデでは、それまでに闘われる1月の下関市議選で現有3(近藤・明石・江原市議)に加え、桧垣前市議の議席奪還で4へ。そして4月の県議選で自らの再選勝ち取って、安倍首相のお膝元で、必ず勝利の報告ができるよう奮闘する決意を表明しました。