今月18日の18時23分48秒付で「偶然、見かけた記事ですが」を掲載しました。今回はその続編です。
withnewsというサイトがあり、今日付で「講義は中学レベル、入試は同意で合格 ”仰天”大学に文科省ダメ出し」という記事が掲載されていました(オリジナル記事でしょうか)。Yahoo! Japan Newsで見つけたので、アクセスしてみました。
記事は、次の文から始まります。
「文科省は今月19日、講義内容や運営方法などに不備があるとして、改善を求める大学253校を公表しました。新設された大学や学部を昨年度から調べており、対象となった502校の約半数に問題が。多くは学生の定員割れや、教職員の高齢化などでしたが、大学としての“適格性”が問われそうなものも少なくありませんでした。」
内容は、私にとっては「今更……」とも言えるものでした。このブログでも、2014年2月12日23時50分48秒付で「大学でbe動詞の授業~~しかし、実態は、少なからずこのようなもの~~」という記事を掲載し、同日の読売新聞社の報道を紹介しつつ、若干の問題を示しました。文部科学省が、いかに「改善」を求めようとも「改善」のしようがない、という実態があることも記しています。
withnewsの前掲記事にも、英語の「講義」(最近はこの言葉を使わなくなっています)でbe動詞、(動詞の)過去形などが扱われるという話が登場します。動詞の現在・三人称単数形なども教えたりするのでしょう。文学部英文学科などで本格的な分析などを学ぶというのであれば大学らしい講義になりますが、そうではなく「中学校レベルの内容が並びます」ということなのでしょう。確かに、暗澹とします。
数学の講義では、微分・積分や行列をやり直すのかと思ったら、そうではなく、百分率、小数、四捨五入から始められるという話も登場します。共通センター試験を受験できるようなレベルではないのですが、実際にそうせざるをえない大学があるのでしょう。
仮に大学の教員がこの程度しか教えることができないというのであれば、あまりに大きすぎる問題です。しかし、そうであるとしても、むしろ義務教育レベルの学習内容を理解できていない学生が多いということのほうが、よほど重要な問題です。つまり、小学校、中学校、そして高校は「一体何をやっているのだ!?」ということです。
そして、この問題は、そもそも誰が種を蒔いたのか、と尋ねたくなります。
なお、低学力の原因を考えるにあたって、AERA2015年2月23日号の17頁以下に掲載された「格差と貧困 日本の現実」という記事が参考となります。どの程度まで経済格差と結びつくのかという問題は別としても、学習時間と家庭環境の関係は一つの要素として考慮すべきでしょう。
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