ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

金剛自動車のバス路線、引き継がれるも大幅減便か

2023年10月20日 00時50分00秒 | 社会・経済

 このブログで金剛自動車のバス路線を取り上げています。「金剛自動車が全路線を年内に廃止」(2023年9月11日22時10分00秒付)に始まり、「金剛自動車のバス路線を近鉄バスと南海バスが引き継ぐか」(2023年9月13日15時40分00秒付)および「金剛自動車のバス路線の存続に向けて」(2023年10月11日10時40分00秒付)と続きました。今回が4回目となります。

 「金剛自動車のバス路線の存続に向けて」において、富田林市、太子町、河南町および千早赤阪村が5つの優先的維持希望路線を出し、近鉄バスおよび南海バスと協議する旨を決定したことを記しました。確認のため、5つの優先的維持希望路線をあげておきます。

 喜志循環線(近鉄長野線喜志駅から太子四つ辻、磯長小学校前、推古天皇陵前を経由して喜志駅に戻る路線。)

 阪南線(喜志駅から太子四つ辻、阪南一須賀を経由して近つ飛鳥博物館前までの路線。)

 さくら坂循環線(近鉄長野線富田林駅から河南町役場前、さくら坂一丁目を経由して富田林駅に戻る路線。)

 千早線(富田林駅から森屋西口、千早赤阪村役場前を経由して千早ロープウェイ前までの路線/富田林駅から森屋西口、松本橋を経由して楠公誕生地前までの路線/富田林駅から森屋西口、松本橋、水分を経由して水越峠までの路線。この3つのうちのいずれかが残るのかなど、詳細はわかりません。)

 東條線(富田林駅から板持、東条小学校、蒲、甘南備を経由して吉年またはサバーファームまでの路線。途中の蒲から福祉センターまでは蒲中央を経由する便もあります。)

 さて、昨日(2023年10月19日)、河南町で第2回の協議会が開かれました。産経新聞社が、昨日の21時32分付で「金剛バス廃止後 維持5路線の便数半減へ」(https://www.iza.ne.jp/article/20231019-4L32J5CQAJP5LBO5YVXI7KU7WI/)として報じています。この記事では上記5路線を「維持すると決めた5路線」と表現していますが、残りの路線は捨てたということなのでしょうか。

 協議会においては、上記5路線の引き継ぎ事業者が次のように決定されたとのことです。

 喜志循環線、阪南線、さくら坂循環線:近鉄バス

 千早線、東條線:南海バス

 運賃は、当面の間という条件が付くものの、現在の金剛自動車のバスと同じ水準の維持に落ち着くようです。

 問題は運行便数です。次の通りにするようです(カッコ内は現在の平日ダイヤを極端に簡略化した記述であり、金剛自動車のサイトを参照しています)。

 喜志循環線:午前6時台から午後8時台まで15便程度(現行と同じということでしょう。喜志駅発で1時間に1便ということになります)。

 阪南線:午前6時台から午後7時台まで15便程度(現行は、喜志駅発を基準として午前6時台に3便、午前7時台から午後8時台まで、1時間につき1本か2本。1日の合計で25便です)。 

 さくら坂循環線:午前6時台から午後7時台まで11便程度(現行は、富田林駅発を基準として午前6時台から午後8時台まで、1時間につき1便か2便。1日の合計で17便)。

 千早線:午前6時台から午後8時台まで12便程度(現行は、富田林駅発を基準として午前6時台から午後8時台まで、1時間につき1便か2便。1日の合計で24便)。

 東條線:午前6時台から午後8時台まで12便程度(現行は、富田林駅発を基準として午前6時台から午後8時台まで、1時間につき1便か2便。1日の合計で24便)。

 喜志循環線を除く4路線が減便ということになります。とくに、南海バスに引き継いでもらおうとする千早線および東條線は半数程度に減ることとなるので、大幅減便と表現してよいでしょう。

 記事は短いものであり、協議会への出席者という肝心な点など、よくわからないところもあるのですが、既に近鉄バスおよび南海バスには何らかの形で打診をしているのでしょうか。打診していると考えるのが自然ですが、非公式であるから現段階では明かせないということなのでしょうか(それなら納得はできます)。

 おそらく、協議会で示された筋書きの通りに進むのが最善ということになりますが、近鉄バスおよび南海バスがこれらの路線を引き継がないということも考えられますし、引き継ぐとしても想定よりもさらに減便されることもありうるでしょう。

 ちなみに、金剛自動車は、PL病院送迎バスや大阪芸術大学スクールバスも運行していました。しかし、PL病院送迎バスは2006年度から近鉄バスが運行してます(富田林駅からのバスということでしょう。金剛駅からの送迎バスは南海バスが運行しているそうです)。また、大阪芸術大学のサイトによると、この大学へのアクセスは喜志駅から金剛バスの阪南線に乗り、東山バス停で下車すると書かれていますから、大阪芸術大学スクールバスは金剛自動車が運行することが自然であると思われるのですが、2006年2月からMK観光バスが運行しています。2006年1月までは金剛自動車が運行していたらしいのですが、何らかの理由によって契約を打ち切られたとのことです。これはバス会社にとって大きな損失と言えるのではないでしょうか。この辺りの事情は、金剛自動車の歴史を知ることによって理解できるのではないでしょうか。


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