ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

宇美八幡宮など(2004年8月29日撮影)

2014年10月27日 00時01分11秒 | 旅行記

 (今回は、2004年10月8日から15日まで「待合室」第114回として掲載した記事です。なお、一部を修正しています。)

 今回も2004年夏の福岡で、デジタルカメラでも一眼レフでもなく、天神で購入した使い捨てカメラによるものです。

 8月29日、台風16号が九州に接近していました。しかし、福岡市は晴れていましたので、午前中から出歩きました。最初に川端町まで歩いたのですが、その時のコースことについては、既に「博多・川端町」で記しました。川端町から、そのまま博多駅まで歩きました。地下鉄だと2駅ですが、たいした距離ではありません。

(博多駅博多口)

(博多駅博多口付記)

 博多から、まだ乗ったことのない香椎線で西戸崎と宇美へ行ってみようと思い、鹿児島本線に乗りました。東区に入り、香椎で香椎線の気動車に乗り換えます。元は博多湾鉄道汽船という私鉄の路線で(今の西鉄宮地岳線と同じ)、一時期は西鉄の路線だったせいか、和白から先は駅間距離が短い箇所があります。福岡という大都市で単線非電化の路線があるというのも驚きますが、だんだんと天気が悪くなり、風が強くなる中、海ノ中道を通過して、並行する道路を走る自動車に抜かされたりしながら、西戸崎駅に着きました。ここまで石炭が運ばれ、博多湾に積み出されたのでしょうが、今は静かな終着駅です。

 西戸崎にはフェリー乗り場がありますが、この日は強風などのため、運休していました。午前中に回った博多、長浜、天神が見えます。周囲にはマンションなどもありますが、大きな商店などはありません。

 (香椎線の終点、西戸崎駅。)

(西戸崎駅付近にあるフェリー乗り場のそばから、博多湾などを臨む。)

 ここから、今度は香椎線の下り列車で宇美へ行きます。距離としてはそれほど長くないはずですが、何しろ単線非電化ですから時間がかかります。福岡市から糟屋郡に入り、しばらくすると終点の宇美駅に到着します。

 宇美駅です。ここから少し離れた所に、勝田線の宇美駅がありましたが、国鉄民営化の波を受けて廃止されています。このあたりには炭鉱が多かったのですが、高度経済成長期に訪れたエネルギー革命により、次々に閉山しました。北海道、そして福岡県の筑豊地方には、炭鉱の閉山とともに衰退した市町村が多いのですが、宇美町などの場合は福岡市に近かったため、福岡市のベッドタウンとなることにより、大幅な人口減を免れました。現在、宇美町の人口は30000人を超えています。

 2004年8月末の時点で、宇美町は、志免(しめ)町および須恵(すえ)町と任意の合併協議会を構成していました(事務局は志免町)。何年か前に自家用車で通ったことがあるのですが、その時は、勝田線の廃線跡に沿うような形で志免を通り、博多駅に抜けただけでした。

 宇美駅からどのくらい歩いたでしょうか。住宅街の中を歩いていくと、宇美八幡宮があります。左の写真をごらんいただければおわかりだと思いますが、宇美八幡宮は第15代応神天皇の誕生の地であると言われています。

 宇美町役場のホームページによると、このあたりは、3世紀の中ごろ、中国の歴史書である魏志に「不彌国」として登場します。そして、古事記、日本書紀では、神功皇后が応神天皇をお生み(産み)になった土地であるとされています。これが宇美という地名の由来です。応神天皇の陵墓と伝えられているのは大阪府羽曳野市にある恵我藻伏岡陵(えがのもふしのおかのみささぎ)ですが、応神天皇が当時の筑紫で誕生したということは、 皇室九州起源説を裏付けるものなのでしょうか。

(「御由緒」などの案内板)

 宇美八幡宮のホームページによると、宇美八幡宮の祭神は応神天皇、神功皇后、玉依姫、住吉大神、伊弉諾尊です。歴史はかなり古いようで、宇美八幡宮の「伝子孫書」というものによると、敏達天皇三年といいますから西暦で574年に創建されたとのことです。平安時代には石清水八幡宮と関係があったようです。

 

 ちなみに、大分県にある宇佐八幡宮は、全国八幡宮の総本宮ですが、こちらも応神天皇と深い関係があります。宇佐八幡宮のホームページによると、応神天皇は、欽明天皇32年(西暦571年)に初めて宇佐の地を訪れたといいます。宇佐神宮は、神亀2年(西暦725年)に、聖武天皇の勅願によって造立されたとのことです。応神天皇(誉田別尊。「ほんだわけのみこと」と読む)は、宇佐神宮の一之御殿の祭神(八幡大神)として祀られており、神功皇后(息長帯姫命。「おきたらしひめのみこと」と読む)は三之御殿の祭神として祀られています。

 それでは、本殿に向かいましょう。ここは安産を祈願する人が多い所ですが、私は、集中講義が無事に終わるようにと祈願してきました。次の日に福岡県が台風16号の暴風域に入ったため、講義ができず、日程が1日だけずれたのですが、体調を崩すことなく、勤め上げました。

そして、本殿から右のほうに進むと「湯蓋の森」があります。樟の大木で、大正11年に、内務大臣によって天然記念物に指定されています。

 宇美八幡宮まで、私は香椎線の西戸崎から来ましたが、博多駅からであれば、篠栗線に乗り、長者原で香椎線に乗り換えればよいでしょう。私は、この後、香椎線と篠栗線を使って博多駅へ出て地下鉄に乗り換え、天神駅で降りて大名を散策しました。


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