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イラン、ローハニ大統領再選とトランプの中東訪問

2017-05-21 22:43:29 | アジア情勢複雑怪奇

イランの大統領選挙で、現職のローハニ氏が当選した。そうであろうと思われていた通りなのでとりあえず混乱はないと思う。

が、しかしそうであればこそ、イランを敵視しているサウジ、イスラエル等にとっては面白くない。どうなることか、って感じですね。

と、その頃トランプはサウジを訪問して、兵器売りとして史上最大の契約を取ったそうだ。さすがビジネスマンですねと言ってみましょうか。

サウジとしては要するに、現状のまま、シリア攻撃お願いします、イラン敵視して潰すという作戦を捨ててもらっては困りますからねというつもりなんだろうか。サウジが兵器もったって、どうせ使うのはアメリカ人だろうし。

さらにトランプは、このままイスラエルを訪問。そこで何かが出てくるのではなかろうかと一応期待?されてはいるものの、どうなんでしょうかね。

金もらったので、あいかわらずシリア人殺しに勤しみます、だって米はそういう機構だからというのか、それとも何か期するところがあるのか、今週は一応注目してみたいと思います。

いやしかし、見える通り、アメリカにとっての中東最大の同盟国が、自由とも民主主義ともなんの縁もゆかりもない単なる王族だという姿は、誰でも知っているとはいえ、しょぼい話と誰でも毒づきたくもなるでしょう。

そういえば、しばらく前、田中宇さんが、中東和平の話を書いていた。

よみがえる中東和平
2017年5月13日   田中 宇
https://tanakanews.com/170513palestin.htm

結論として、「アラブをけしかけて和平提案させ、ネタニヤフに飲ませるトランプ」とお考えのようだった。で、イスラエルの方向として、イランに対抗するためにアラブと組みたいのだろう、と。

日本など天然の孤立国と異なり、イスラエルにとって、国際関係は、何より重要な政治課題だ。イランの軍勢がシリアのイスラエル近傍に居座っている状態で、アラブ諸国がイランやシリアと結託し、イスラエルがイランとアラブの両方から敵対された状態で、パレスチナ人を弾圧する「アパルトヘイト国家」として国際社会から敵視される傾向を強めることを看過するぐらいなら、アラブやトランプから提示される最後のチャンスを拾って中東和平を進め、アラブと結束してイランと対抗する方がましだと、イスラエル上層部の意外に多くの人々が思うようになり、入植活動家の暴力や恫喝を封じ込めていくのでないか、というのが(よく外れる)私の楽観論だ。

なるほど、とは思うしネオコンはそのつもりなんだろうけど、でも、イスラエル右派がどれだけ頑張っても、イランを倒すというプランニングは到底簡単な話じゃない。さらに、田中さんはサウジをノーマークってか、無問題の存在として考えるのもどうなんでしょうと私は疑問を持ちました。

だから、ご自身で書いている通り、外れるだろうな、って思った。

 

なんでそう思うかというと、私は、サウジこそ問題なんだと思うんですよね。テロとの戦い問題とは切り離せないプレーヤーですから。でもって、現在のフェーズで結構前に来ている問題はこの「テロ戦争」でしょう。米政権はこのクズな話を多少は整理しようとしているように見える。

さらにいえば、しかし、実際には、西側の体制が揺らぐにつれて、イスラエル問題よりももっと深いレベルの問題まで考えないとならなくなった、みたいな感じもしてる。19世紀後半の、東方問題とか、サン・ステファノ条約とかあのあたりをもう一回考え直す必要があるんだろうなぁみたいに思う今日この頃。

この話は、私の頭が追い付かないだけではなく、過去150年ぐらい絡み合ったプレーヤーの利害があるわけだから、一朝一夕では話はすまないでしょう。冷戦よりずっと難しい。

このへんこそ、米国務長官のティーラーソン氏が言及していた、

冷戦中私たちは歴史を凍結していた。何世紀もの間存在していたダイナミクスの多くが封じ込められていたため、歴史はそこで動きを止めていた。

の最たるケースだと思う。

政策と価値観は違うので混同しないように by ティラーソン

その中のファクターとして、2つのキリスト教が絡んでいるってのも興味深いですよ、マジで。二つのとは、つまり、西方教会と東方教会のこと。
 
このへんの話。

ソビエトの誕生というのは、考えようによっては西方教会の勝利でもあった。東方教会の擁護者としてのロシア帝国が壊れたから。が、ロシアは復活しちょるんです。シリアというキリスト教にとっての要地をロシアが擁護しているというのは、古いキリスト教会をロシアが擁護していると読める。

キリスト教にとって、であって西方教会にとって、ではないです。キリスト教はシリアあたりの地中海東岸を含めたギリシャ世界を通って成立していったものなので、ギリシャ世界がキープしていた哲学やものの考え方をここで吸収していっている。そして一般にヨーロッパのオリジンだと人々がいうそれは、この世界のこと。(だからこそ、EUには是が非でもギリシャを入れなならん、という話につながる)

で、こうなるとイスラエルのポテンシャリティーも微妙に変わるよなとか思うわけですよ。


とかとかそういう半分妄想じみたことも含めて(しかしまんざら小さくないと私は思っているわけだが)、現在のフェーズとしては、ある程度の話し合いの枠組みみたいなものを作っていくことがまず目標みたいな感じじゃないんだろうか。

欧州北部のNATO・ロシア、黒海回り、中東南部、渤海湾、あたりの割れ目をどうやって保持というか、メンテナンスしていくかの枠組みを作っていくようなフェーズにあるんじゃないのか、など思う。

 


 

 

 

 

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1 コメント

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『与野党伯仲が普通のイラン』 (ローレライ)
2017-05-22 06:14:08
『外交措置』として『与野党伯仲が普通のイラン』は平常運転。大与党好き日本とメンタリティーが違う。
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