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現代の盗賊物語 (4)

2015-12-09 20:38:10 | アジア情勢複雑怪奇

この前のエントリーでトルコはイラクから撤兵するみたいだと書いたけどしてなかったし、今のところの構えではしないと主張している模様。

トルコは現段階ではイラクから自国軍を撤退させる構えにない。トルコのメヴリュト・チャヴショグル外相が明らかにした。
http://jp.sputniknews.com/middle_east/20151208/1288010.html#ixzz3tp3aFFjQ


ということは、これって、トルコによるあからさまなイラクの国家主権の侵害なので、イラクは怒っていいわけだけど、国連にあげるという方向じゃなくて(これでやっても手間がかかるだけだからなのか、準備中かわからんが)、今日はイラク議会の安全保障委員会が、アメリカに問いかけるという動きを見せている模様。

The Iraqi parliament's Security and Defense Committee has called for a review and cancelation of the agreement with Washington on security, a committee member has stated.
https://www.rt.com/news/325202-iraqi-parliament-us-agreement/

つまり、イラクはアメリカとの駐留協定を見直す、というカードをちらつかせているということではなかろうか。

あんたらのところの子分が侵略してきやがるのもあんたらの管理が悪いから、元をただせばあんたらの侵略でこうなった、っていう理屈だろうね。理屈は通る(笑)。

そもそもイラクもシリアも一般人は去年から、アメリカはISで侵略を拡大する気だとみていたわけだしね。これは去年の写真らしい。



というところで、米国のケリーさんが、来週モスクワに行くという運びになってるようだ。

米国のケリー国務長官は9日、シリアおよびウクライナ問題について協議するため、来週モスクワを訪問すると発表した。ロイター通信が報じた。
http://jp.sputniknews.com/us/20151209/1293726.html#ixzz3tp4GSSaE

 

■ どうしてこうなるのか

いろいろ理由はあるけど、アメリカ+アルファのこのみっともない事態は何かといえば、要するにISに投資している大金持ちが後ろにいるから引くに引けないからでしょ?

だから、理屈が通らない。通せない。見っともなくても切れない。あはははっは、なんですよ、多分。いや相当程度に。

ISは史上最もお金持ちのテロ組織だという意味はただに石油の売り上げがあるだけではないでしょう。とんでもない金持ちがついている、っていう意味でもあるんじゃないですかね。

この間、カイザーリポートの話をしたけど、思えばそこに出ていたイギリスの調査ジャーナリストNick Kochanが非常に思わせぶりな言い方をしていたのはそういうことなんだろうなと思ってる。

あとISが出て来た直後のカイザーは、ウォールストリート・ジハーディストとかいう語を開発して嘲笑しまくっていたのもこの流れだろうなぁとかいろいろ思い出す。

思えば、911とかいう事件をきっかけとしたイラク侵略も投資案件でしょう。それはもう前から言われている通り。イラク侵略の前に高度にお金持ちな投資家を集めて説明会をしてたんだよね。で、多分、日本人もこの中にいると私は思ってる。

そうでなかったとしても日本政府はイラク侵略戦争に唯唯諾諾とついて行ってるわけだから、私たちは当事者なんですよ。

だから、日本も本当はイギリスとかアメリカぐらいに一般人が、何なんだこの無様な有様はと大騒ぎをしていてもいいと思うんですが、まったくないですね。

■ ブレアはキーかも

多分、今後ブレアのつるし上げを通じて、このへんがもっともっと表に出てくるんじゃなかろうか。それにアメリカが呼応できるかがある種の焦点だと思うけど、もしそうなった場合には、いわゆるネオコン勢力、しかし実はクリントン以降のありとあらゆるメジャーな政治家にとって大打撃が待っているという話になるんじゃないかと想像する。

で、そうならない唯一のチャンスが、ロシア相手に本気で戦争をすることなんだろうけど、もはや手遅れではなかろうか。だって、もし今そうしたら、今後さらに、「ああやっぱり」感が蔓延するだけだから。

お前らの金儲けのために核戦争なんてまっぴらだ、になったら、昔とはやり方が違うにせよ revolt状態になりそう。

日本では今ごろになって、これはアメリカとロシアの現代のグレートゲームでとか、ロシアとトルコには因縁があってうんちゃらとか「識者」が書いているみたいだけど、これらはすべて目くらまし、disinformation(かく乱情報)でしょう。あと、ボスポラス海峡のロシア兵の写真の話とか。

もちろん全部が嘘ではないですが、現在かかってる勝負からすると問題はそこじゃない。しかしそこに日本人のフォーカスをもっていきたくない、だから何か書けという感じなの?

こういうのをそういえば英語圏では、red herringっていう。赤いニシン、ってこと。

alcの辞書に非常に適切な解説があったので引用。

【語源】猟犬を訓練するときに、獲物が通り過ぎた匂いの残っている道と交差するように、匂いのきつい薫製ニシンを引きずっておいた。そうすることによって、猟犬が正しい匂いと間違った匂い とをかぎわけられるように訓練した。そこから、draw a red herring across someone's pathという表現が使われるようになった。つまり、「人が進むべき道に、薫製ニシンを引きずっておく」ことにより、「人の注意を他にそらす」のである。

 


 

 


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1 コメント

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『犬騙し』だらけ (ローレライ)
2015-12-10 06:12:38
『犬騙し』だらけなので犬にも『リテラシー』が必要な情報戦争ですね。
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