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ケネディ氏暗殺の捜査資料、解除か延長か &インドネシア1965

2017-10-22 02:00:44 | 太平洋情勢乱雑怪奇

10月26日に迫ったケネディ大統領暗殺に関する文書の機密解除の期限。で、トランプ大統領は、

直訳すると、

さらなる情報を受け取ることを条件として、大統領として、長いことブロックされてきた、機密指定されてきた、JFKに関するファイルを開けることを許可するだろう、

と言った。

4時間4時間前

Subject to the receipt of further information, I will be allowing, as President, the long blocked and classified JFK FILES to be opened.

 

だから、毎日新聞のタイトルは、ミスリーディングでしょう。だって、まだ条件が付いているんだから。

ケネディ氏暗殺の捜査資料、機密指定解除へ

https://mainichi.jp/articles/20171022/k00/00m/030/098000c

しかも、本文でも、

 【ワシントン高本耕太】トランプ米大統領は21日、1963年のケネディ元大統領暗殺事件の捜査資料に関して「長年の機密指定を解除し公開を許可する」とツイートした。

前から何度も書いてますが、日本語環境では条件文を飛ばして結論だけを取り出していいという、ものすごく不都合なローカルルールがありますが、これは本当に止めるべき。だって意味を伝えられないでしょ、これじゃ。見出しは煽り半分だからしょうがないとして本文では入れるべき。

 

と、それはいいとして、この反応はいろいろで興味深い。次の情報って何だろうってのがまず謎。誰かから何かを聞いて、その後にということか?

さらに、そもそも、開示すると大統領が言っているけど、開示するのは司法省なのでそこが言うことを聞くかどうかも問題だろう、ってのもまったくその通り。なんせ司法省はトランプと上手くいってないですから。

さらに、JFKファイルの開示は、トランプを暗殺させないためになる、ってのもメイクセンスでしょうね。同じように、deep stateの言うことを聞かない可能性を秘めているトランプですから。

'Watch Out Donald!' Twitter Worried Trump Might Not Release Kennedy Murder Files

https://sputniknews.com/viral/201710211058429985-trump-kennedy-files-reaction/

 

もっともありそうなのは、911と同様、半端な開示じゃないかって気もする。なんでかというと、これだとトランプとCIAその他のdeepな人々は影で握れる可能性があるから。

しかし、私が思うに、それはトランプにとっては命取りになるかも。なぜなら、ここで貸しを作る、ってな行為をトランプ側がしたと思っても、deep state系はそんなことを律儀に考慮しない可能性は大でしょう。ってことは、結局、このチャンスを逃して、今後も押し込まれるという形になる。

または、「ほぼ全部開示した」といいながら開示文書を選定することによって、あらぬ方向に話を揃えてくる可能性もあるでしょう。

アメリカの運営は、常に常に、後ろで誰かが方針を決めて、それがNYTとかワシポに載っていって、事実のような振り付けがなされる、というもの。

大統領や議会は国民と繋がってるが、主要メディアはdeep state直系と考えるといいんだと思う。

これはまんざら絵空事でもなくて、冷戦を作っていく過程では、嘘八百を入れてワシントンポストあたりのメディアを使って話を揃えて言った経緯が結構研究されてるでしょ。で、結果的にはデマばっかり書いていた有名な記者も特定されている。要するに、狭いサークルの知り合いなのね、みんな。

 

話が横道に行ったけど、トランプは、もし全面開示なら、twitterと同時に司法省に命令を出して開示させる方法が手堅いんじゃなかろうかという気がするので、この成り行きだと部分開示なのか、と一応考えておく。

でなければ、司法省なりCIAなりが言うことを聞かないから、ポピュラーの支持を求めたとか? いやぁ、それならもっと書き方があるよね。

ということで、よく考えるとなんか不透明な話にもみえる。もちろん、このへんですっきりさせたら、とか思うけど。

 

■ 1965年インドネシア虐殺事件の文書開示

ちなみに昨日は、1965年に起きたインドネシアでの大虐殺事件に関する文書が開示された。虐殺された人数は40万から300万まで数値はまちまちだと言われているが、とにかく川は死体であふれかえり、町は死臭で叶わないと言った記録は残されていることから、そのサイズは相当であったことは以前から知られていて、戦争じゃない虐殺のランクでは20世紀有数のもの。

日本版wikiではそのきっかけけとなったクーデターしか項目がないけど、虐殺項目も重要ですね。
Indonesian mass killings of 1965–1966
https://en.wikipedia.org/wiki/Indonesian_mass_killings_of_1965%E2%80%931966

9月30日事件の詳細な経緯については、スハルト政権崩壊後の今日においても、未だ多くの謎に包まれている。スカルノの排除を狙うスハルトが仕掛けたカウンター・クーデターであるという説、スカルノの左傾化と中華人民共和国への接近を警戒した米国CIAが背後にいたという説[1]、あるいはインドネシア共産党と親密であった中国共産党が関与していたという説など[2][3]、さまざまな陰謀説が主張されているが、いずれも推測の域を出ていない。この事件の影響で、中華人民共和国との外交関係が、政府間のみならず民間関係も含めて悪くなってしまった。

9月30日事件

で、アメリカ大使館の記録によれば、現地の殺人をアメ側は支援していた、ということが明らかになったそうなので、やっぱりCIAでしょうか説は、強まるんじゃないですかね。

また、当時からこれまですべてはインドネシア共産党(PKI)のせいということになっていたし、今もそうらしいんだが、しかし、この開示文書では、きっかけとなった最初の6人の将軍の殺害は必ずしもPKIのせいではないと現地職員は知っていた、と確認されたらしい。

Declassified files outline US support for 1965 Indonesia massacre

https://www.ft.com/content/9bb9815e-b2e8-11e7-aa26-bb002965bce8

According to a November 1965 file, US officials were informed that the killing of the six army generals was not necessarily the doing of the PKI, but may have been an “intra-government operation to seize [a] limited group of top generals”.

また、コミュニスト容疑者の多くの証言は、インドネシア軍によって捏造されていることも米大使館員は知っていた、とファイルで確認されたそうだ。

The files also show that US officials were informed that many confessions from suspected communists had been falsified by the Indonesian military.

 

ということで、これはまぁ全貌とはいわないが(誰がプロットを書いた、みたいなレベルのものは開示されてないでしょう、多分)、今日までインドネシアで行われていた、すべてはPKIのせい、という話はちょっと違うよというところ。


FTとか西側メディアは今のところそうは書かないけど、極東におけるCIAのご活躍の一端が開いてまいりましたという話として読む人が多いであろうと思う。

東アジア、南アジア地域の情報開示は遅れまくってるし、それに応じて研究も当然半端になるわけだから、開示に結びつくことはとりあえず歓迎。

■ オマケ 

しかし、既に1990年には、米の元CIAオフィサーが、米側がインドネシア軍に5000人ぐらいのPKIの名簿を出し、その後殺害されたか確認までしたという。

この記事何気に凄い。そう90年代初頭って冷戦が終わったとみんな信じたので今考えると結構なことを人々が語っていた。

U.S. OFFICIALS' LISTS AIDED INDONESIAN BLOODBATH IN '60S
By Kathy Kadane May 21, 1990
https://www.washingtonpost.com/archive/politics/1990/05/21/us-officials-lists-aided-indonesian-bloodbath-in-60s/ff6d37c3-8eed-486f-908c-3eeafc19aab2/?utm_term=.cdb0f7667a8a

For the first time, the officials are acknowledging that they systematically compiled comprehensive lists of communist operatives, from the top echelons down to village cadres in Indonesia, the world's fifth most populous nation. As many as 5,000 names were furnished over a period of months to the army there, and the Americans later checked off the names of those who had been killed or captured, according to the former U.S. officials.

 


 


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2 コメント

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『粛清されたケネディとインドネシア共産党』 (ローレライ)
2017-10-22 06:31:53
『粛清されたケネディとインドネシア共産党』。『粛清した側の資料』はどこまで開示されるのか?と言う話。
返信する
インドネシア1965とケネディは多分関係ある (ブログ主)
2017-10-22 13:24:58
ローレライさん、

まさか、これがプロットでございましたとは出てこないだろうけど(笑)
多分、ケネディ暗殺と後のインドネシアってのはそれなりに間接的には関係あるのかも、って気もします。ルーズベルトからトルーマンの時と同様、「怖い系」じゃない方を米大統領が選べない、ってな流れ。
返信する

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