イギリスが日本にモーションをかけているとずっと書いてきた私ですので驚いてはいませんが、TPP(太平洋なんだが(笑))に参加することも検討すると言い出した模様。
英、TPP参加検討=EU離脱後―新聞報道
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180103-00000008-jij-eurp
【ロンドン時事】英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)は2日、欧州連合(EU)を2019年3月に離脱する英国が、日本など11カ国による環太平洋連携協定(TPP)に参加するための検討に着手したと報じた。
英国は太平洋から遠く離れた欧州の国だが、ハンズ通商政策担当閣外相は同紙に「多国間協定に地理的な制約は必要ない」などと述べた。同紙によれば、一部のTPP参加国は英国の受け入れに前向きという。
一部の国とはシンガポールでしょうね。
あと、フィナンシャルタイムズだけが言ってるんじゃなくて英の各紙がここ数日書いている。
数日前にロシアのスプートニクもすでに拾っていて、シンガポールの大学の教授の人(多分イギリス人)にインタビューをしていた。
It is 'More Efficient' for Britain to Join a Big Trading Bloc - Analyst
https://sputniknews.com/analysis/201801041060516569-uk-trade-bloc/
この中では、要約すると、
EU各国はイギリスの貿易相手として重要だし大きい、それに比べたらTPP各国とのそれは小さい。しかし、EUを出る以上仕方ない。
オーストラリアはアメリカが入ってこない以上これはもう死産だと言っている。日本はTPPをなんとかつなぎとめようとして形を保ってる。ここにイギリスが入ってきてもアメリカの代わりにはならないが、アメリカが戻りやすくなるかもしれない。しかし、問題はアメリカの場合、TPPの問題は国内問題になっていること。
TPPを失うことはアメリカにとって大きなベネフィットを失うことになるから将来のアメリカの大統領はそれに気づいて、戻ってくることになるだろう。
などと言っている。
ということなので、日本がなんであくまでTPPを捨てないのか。ここらへんに仕掛けがあったってことでしょうか。アメリカ、アメリカといっているけどそれはアメリカ人が住んでるアメリカのことじゃなくて、アングロ・シオニスト・アメリカ的な共同体みたいな感じのことを言っている、と。
まぁ、資本家さんこそ重要というグループにとってはTPP、わけてもISD条項はおいしすぎて捨てられないでしょう。ということは、なんとしても待って、待って、どうにかしてひっかけたいと考えるのは無理もない。
あとなんでイギリスが大陸製+一部アメリカとうまくいかないというと、おそらく、オフショア金融じゃないんですかね。ここを女王の名の下に「治外法権」的にしていることによってイギリスっつか、まぁそれに群がる大金持ち集団は隠し財産が持てる仕様になってるわけですね。そして、これを供給することによってイギリスはその地位を保ってる。
だから、どうしてEUから離れようとするのかも、いろいろいろいろ理由をつけているが、本当の理由はこのへんなんじゃないかと私は疑っている。他国に自国の法域を触られることをなんとしても拒否しようとしているんじゃないのか、と。(王様を作るってのも結局は王権という私的権利を盾にあらゆる問題で公表を拒否するって話なんだが、その前の防御としてUKは機能しければならない)
ということで、全体としてますます日清戦争前夜のような、しかし、ルーズベルト登場あたりのようなといった情勢になってきた。
