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ドーピングスキャンダルとメルドニウム

2018-02-28 20:06:47 | 太平洋情勢乱雑怪奇

どうでもいいと言えばいいんですが、ロシアのドーピングの話とその真ん中にどんと座ってるらしい「メルドニウム」の話。

ここのコメント欄のやり取りをご参照ください。

ロシアのアイスホッケー選手が国歌を歌いました、の反応

ロシアものウォッチャーの石井さんのご紹介によるとモスクワではこんな放送があった由。

メルドニウムが (石井)2018-02-28 16:48:34WADAの禁止リストに入った経緯が、昨晩の放送(モスクワではお昼の番組)で話題になっていました。
https://www.youtube.com/watch?v=uHRTJEsIp-k&index=5&list=PLAe6Au-aKEc9TYn9Gdyqn3aivM4qMwAaE&t=0s
この23分過ぎから。2015年秋、シャラポワの翌年のオリンピック出場を巡り、米国籍に変えアメリカからの出場という要請を断り、ロシアからに決めたことからその報復だったということらしいです。(製造会社の社長の談)あくまでシャラポワ個人を狙ったもので、その目的は達したので、薬品自体と運動機能の関係は無いことから、近々リストから除外されるのではという意見が大半のようです。

 

メドニウムがWADAの禁止薬剤リストに載ったのが、2016年1月。

wikiのメルドニウムの項目で、メルドニウムで上げられたプレーヤーのとっぱじめがシャラポアというのが、まさになんてかって感じですよ、ほんと。

 

でね、まったくの悪戯だと思ってるのであんまり考えてなかったけど、要するにこんなレトリックで人を騙していると考えればいいと思う。

メルドニウムを摂取しているアスリートが多くみられる

これらのアスリートはパフォーマンスの向上を意図してこの薬剤を使している

だからこの薬剤は禁止すべきだ

 

このロジックはほとんどすべてのものに使える。

アスピリンを接種しているアスリートが多くみられる

これらのアスリートはパフォーマンスの向上を目的としてこの薬剤を使用している

だからこの薬剤は禁止すべきだ

 

パフォーマンスの向上というなら、歯痛の予防も頭痛の予防もみんなそうでしょう。どうもはっきりしない、若干悪寒がする、アセトアミノフェンを飲んで寝ようという行為もパフォーマンスの向上のためでしょう。

メルドニウムは旧ソ連圏で広く使われている薬剤だったようで、今でも売ってる。効能としては、血管拡張系の効用が主たる効用みたいですね。

市販されて、普通に今でも売ってる、人々が服用していることを見るに(これそのものが要するに実証データのようなもの)、血管拡張が見込まれる薬剤だからといって、1回はおろか、複数回服用しようが、もりもりに元気が出るなどということがほとんど考えられないものではありますまいか。

長期の摂取でいいことがあるという実証データはあるんだろうか? まぁアスピリンのむと元気になる、はっきりする、すっきりする、とかいう効用を効用と認めるのかとか、心臓疾患の予防にアセトアミノフェン(市販薬ならタイレノール)を無駄でもいいから飲むといい、という話をする人もいますからね。そういうのも含めて「パフォーマンスの向上」といえばそうなんでしょう(笑)。

わけがわからん。

 

WADAはもう解体。IOCもロシアに謝罪すべきだと思う。

でなければ、ロシアはギリシャでも誘って本家オリンピック機構でも立ち上げたらいいんじゃないの? もはやアトランティスト(大西洋主義者)がからんだものに公正など期待できないんだから。

で、最初は、や~い孤立してるぅとか言われても、何年かして、古いオリンピックにも出るけど、本家大会にも出ようかなとインドやらチャイナやらが出始め、中東勢も多少はスポーツに興味を持ちみたいなことになったら、50年後には、あの決断はユーラシアのために良かったという話になるかもよ。

スポーツというのはもともと余暇を楽しめる特権階級的な人たちのものだったもの。それが広く一般人が参加するようになったのは20世紀の後半の話だから、なにも現在の形がすべてではない。

 

■ オマケ

ドーピング担当エージェンシーのWADAは、ロシアのWADAの支部がWADAの規約に違反している、だからロシアには国際競技会を開催する権利はないと主張しているようだが、ロシア(というかクレムリン)は、そうは考えていない、ときっぱり言っている。

Kremlin unaware of limitations for Russia on hosting international sports events

http://tass.com/sport/991921

ここから考えるに、ひょっとしてFIFAの開催をダシに、またロシアに何か仕掛けようとしているんだろうか? それとも、ロシアが他に競技会を開く可能性を前に、絶対潰してやる、という発想なのだろうか。

いずれにしても、WADAはもう、あれだ、CIAとかアルカイダ(要するに同じものだが(笑))とかの仲間だなって感じ。ストーカー行為をして、脅しあげて、なんかを達成しようとするそのメンタリティーのいかれっぷりが凄い。

 

となると、オリンピック前にプーチンが発言した(ロシア28選手の処分取り消し→オリンピック参加へ

  • オリンピック組織がいくつかの国の省庁にならないことを望む
  • このままいくとクーベルタンのオリンピック運動(または、オリンピック精神)は終わりだな

という発言には、含意があったとみるべきかも。

 


  

 


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3 コメント

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ウィリアムズ姉妹はどうなのよ (私は黙らない)
2018-03-01 04:57:36
ウィリアムズ姉妹が〇で、シャラポアがXって納得いかない。じゃぁ、シャラポアも「治療のため、連盟所属の医師に処方」してもらえばよかっただけの話?いっそのこと、皆喘息になって、メダルをかっさらえばいい。
個人的な意見ですが (Rolling Stone)
2018-03-01 22:54:18
セリーナ・ウィリアムズ選手は、シャラポワ選手の「ドーピング違反」事件に関し、NYタイムズのインタビューで

“Like everyone else, most people were surprised and shocked,” she said. “But most people are happy with the fact she was upfront with what she had done in terms of what she had neglected. With that being said, she’s taking responsibility, which she was ready to do.”

(Serena Williams Says Sharapova’s Announcement Surprised Her
By FILIP BONDYMARCH 8, 2016
ttps://www.nytimes.com/2016/03/09/sports/tennis/serena-williams-says-sharapovas-announcement-surprised-her.html?smid=tw-nytimes&smtyp=cur)

と、比較的冷静なコメントを出していたのが、まだ救いだったと思います。


ジェニファー・カプリアティ氏など、

"I didn't have the high priced team of drs that found a way for me to cheat and get around the system and wait for science to catch up. The responses are exactly what i am talking about. Everything based on illusion and lie driven by the media for over 20 yrs. Beyond unfair."

(Ex-champ Jennifer Capriati's fury after Maria Sharapova's positive drug test
Last updated 15:26, March 8 2016
ttps://www.stuff.co.nz/sport/tennis/77646849/maria-sharapova-admits-to-failed-drug-test-at-australian-open)

と、感情論剥き出しでしたから。

日本の匿名掲示板でも、

・何故シャラポワが服用していたメルドニウムが、2016年1月1日、突如として薬物禁止リストに入れられたのか、
・リストに入れた後の周知メールが、何故あのような「解読」に手間がかかるお粗末なものだったのか、
・錦織圭選手が指摘しているように、世界ランキング10位以内の選手は検査も格段に厳しくなるのに、故意にドーピング違反を犯すのは不自然ではないか

といった点を検証せず、シャラポワ選手のすることは何が何でも許さない!と言わんばかりのコメントが目立ったのは非常に嘆かわしいことでしたね。

自戒も込めてですが、他人を批判するなら、根拠のある発言、根拠が未だ不明確ならば、せめて冷静な発言を心がけたいものです。
勇気のある人は確かにいた (ブログ主)
2018-03-02 18:32:08
Rolling Stoneさん、
書いてくれてありがとうございます。そうそう、テニスプレーヤーたちは結構疑惑を示していたことを私も覚えています。

でね、ということはやっぱりオリンピックがとりわけ「不自由」なんじゃないですかね。連盟に逆らって自国の選手が不利になったら困るからと長いものに巻かれてしまう傾向が目だつ。多分、オリンピックが著しく政治的になってる証拠かもしれない。

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