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正教クリスマスとトルコストリーム開通

2020-01-09 13:07:39 | アジア情勢複雑怪奇

親族の葬儀があったので小忙しく出かけている間に、イランによる報復ラウンド1とでもいうべき事態になっていた。朝出る時すでにミサイルをイラクの米軍基地に向けて撃ったというのは見たが、帰ってきたらウクライナで飛行機が落ちていた。

この件については後でもう少し詳しく中身をみたいと思っているけど、昨日1月8日はプーチンとエルドアンがイスタンブールでトルコストリームの開通を祝う式典をすると前々から決まっていた日で、その式典が滞りなく行われいたことをまずは思い起こしたい。

その前に、プーチンは7日に、ロシア国内で正教徒カレンダーのクリスマスを祝って、その後シリアに行ってシリアの古い教会でアサド大統領と一緒にクリスマスのミサに出ていた。これら古い教会やらパルミラの遺跡やらといった非常に古い遺産を西側テロリスト軍団に破壊されなくて本当によかった。

http://en.kremlin.ru/events/president/news/62545

 

■ トルコストリーム開通

Full stream ahead: Russia & Turkey launch TurkStream gas pipeline 

https://www.rt.com/business/477097-russia-turkey-turkstream-launch/

 

Full stream ahead: Russia & Turkey launch TurkStream gas pipeline

開通の式典の、左からブルガリア首相、プーチン、エルドアン、セルビア大統領

(この写真を見ると左の3人がこじっちゃい爺みたいだけど、エルドアンは6フィート男、つまり180+の大きめの男。セルビアの大統領が並外れた大男だからこうなる。この人がいると基準がわからなくなる^^;)

下の動画は、イスタンブールで開かれた開通式の様子。

Putin and Erdogan launch TurkStream natural gas pipeline (STREAMED LIVE)

プーチン大統領とエルドアン大統領 「トルコストリーム」開通式出席

https://jp.sputniknews.com/business/202001086996456/

「トルコストリーム」はロシア・トルコの近年の最大共同エネルギープロジェクトの一つ。同プロジェクトは2ライン(各157億5千立方メートル)で構成されるガスパイプラインの建設であり、1ラインはトルコへの送ガス、もう1ラインは南・南東ヨーロッパへの供給を予定している。

プーチン大統領はパイプライン開通式典におけるスピーチで、これはロシアとトルコだけではなく、欧州全体にとって重要な出来事であると指摘した。


トルコストリームは、黒海を通るプロジェクトで、黒海は結構深いところがあるので非常に難しいプロジェクト。トルコとロシアの関係者にはその意味での喜びもあるでしょう。

そして、上の動画の中でプーチンがスピーチの中で言及している通り、政治的に難しい局面になった時にトルコ側が必要な判断をしていった、「政治的意思」も称賛されるべきなにかですね。

"The supply of Russian gas through TurkStream will undoubtedly be of great importance not only for the economy of Turkey and the Black Sea region, but will also have a positive impact on the development of many South European countries, and will contribute to improving the energy security of Europe in general,” Putin said. He also thanked his Turkish counterpart for thepolitical will that was necessary to implement such a massive initiative.

https://www.rt.com/business/477097-russia-turkey-turkstream-launch/

 

こういうことをすることによって、互いの政治機構がよく理解できるようになるし、互いに信頼関係ができ、あるいは逆にここはヤだなといった部分も見えるようになる。こうやって自他の区別がついて、関係の仕方がわかるようになっていくといったところでしょう。

ロシア人はもちろんだけど、トルコ人にとってとっても良いプロジェクトだったと言えるんじゃなかろうか。金にもなるし、自信にもなるでしょう。

だって、ロシア大使を死なせたり、ロシア軍機撃墜騒ぎがあったり、エルドアン倒しのクーデター未遂事件があっても尚ここまで漕ぎつけた代物だもの。(ロシア側の辛抱強さにも驚かされるわけだけど)

 

 

 

■ 三本のパイプライン

そういえば、「三本の矢」構想はどうなったのだろうか? もう誰も言わなくなりましたが、まぁそんな「ふかし」で舞い上がることもある中、ロシア産天然ガスのパイプラインは「ふかし」や煽りの後、誰も別に何も言わなくなった時に安定の柱として機能するという代物ですね。パイプライン供給ってLNGとの比較で値段が安いし、安定してるし。

で、去年の終わりから今年にかけては、中国との「シベリアの力」、ドイツとの「ノードストリーム2」、トルコとの「トルコストリーム」の3本が開通する予定だった。

このうち、中国とトルコのは予定通り開通。ドイツのノードストリーム2は、ご存じの通りつい3週間ぐらい前に、アメリカの制裁によって最終コーナーに入ってる工事が中断させられている。

NS戦況:ドイツ持ちこたえる、ロシア工事続行

だがしかし、ドイツがまるまる諦めるような話ではないと思われるので(というか、既にノードストリーム1はずっと使用されている)、これはアメリカが欧州向けに仕掛けた条件闘争というところなんだろうと思う。(現在の西側はテロリストメンタリティーが濃厚なので、何をしでかすかわからないが)

 

ということで、というべきなのか何なのかわからないけど、ドイツのメルケル首相が1月11日にモスクワを訪問する予定になっている。

Angela Merkel to visit Russia

https://tass.com/world/1105871

 

この話が出たのが1月6日。スレイマーニ暗殺事件の後に発表されたことも記しておきたい。

 

■ オマケ

プーチンがシリアを訪問したのは、スレイマーニ暗殺の後の葬儀の人の波の最終局面。

この時プーチンはどこを通ってシリアに行ったのだろう?

常識的には、十中八九トルコに行って、そこからシリアのダマスカスだろうと思うが、シリア戦でカスピ海からシリアに発射したのと同じコース、すなわちカスピ海→イラン→イラク→シリアというのだって利用できなくはない。ミサイルと同じようにプーチンが飛ぶというのはどうかとは思うが、いやしかし、まったくないというものでもないだろう。

そして、シリアでアレッポが陥落する前、大騒ぎの最中、アサド大統領が密かにモスクワを訪問して、ダマスカスに戻ってから発表されということがあった。

「カスピ海は俺らの海」宣言の効果確認

 


 

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1 コメント

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Unknown (ローレライ)
2020-01-10 11:02:45
サンタクロースはトルコ出身だがフィンランドに攫った話が創作された。
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