今日会った知人は、米大統領選挙について一言吐き捨てるように「みっともない」と言った。どちらかというと、というか恐らく間違いないくいわゆる「保守」を自任している人で、大企業勤めだったおじいさんだから生涯ずっと自民党支援だっただろうと思うので、この場合、そのみっともない米にくっついていて、もはや離れることすらできなくなった日本についてはどう考えるのだろうかと思ったのだが、ちょっと話がそれて聞けなかった。
で、それはそうと昨日わくわくさせられたアサンジュ、またはアサンジのインタビュー、
アサンジュ:ISとクリントン財団の金主は重なる
の本編にあたるビデオを見ました。これからアメリカ時間の土曜の昼間になっていく時間なので見る人はそれにつれて増えるでしょう。
Secret World of US Election: Julian Assange talks to John Pilger (FULL INTERVIEW)
で、私としては概ね、特にもう目新しいものはないインタビューなんだよね。
とはいえ、少なからぬアメリカ人にとっては、インパクトがあるんだろうと思う。
なぜなら、ヒラリーがらみのwikileaksの話は多少は話題になっていたけど、なにせ主流メディアが正面から取り上げないから、何がなんだかよくわかっていなかった人は大勢いる。
そこにFBIが乗り出しているという話題が来たことで、これは「おおごと」なんだと認識した人も結構いると思うわけです。
その上で、手短なストーリーを聞けば、そういう話か、となる人はいるのではないかと想像する。
つまり、多くの人はwikileaksのリークを見ても、それが何を意味するのかよくわからんわけですね。
例えば、昨日から見てたアメリカ人の反応の中に、wikileaksはいつになったらトランプのリークを出すんだ、ばかやろーみたいなのがあったりするわけ。
トランプは公職についたことがない人なのね。だからせいぜい出てきても脱税かエッチな話ぐらいしかないわけ。
それと、公職についている人間が外国からの資金提供によって、政策を動かした可能性があり、しかもそれが大量の人間の殺人に係るかもしれない、という話とは比較にならない。
しかし、それがわからない人が大勢いるのが世の中なんですね、はい。
ということで、wikileaksのリーク→FBI→ストーリーの提示、というのは多くの人に訴える手続きとしてはよかったのじゃないかと思う。逆に、メディアってのの凄さを思い知るとも言えますね。
メディア業界のプロからしたら、どれだけリークがあっても大衆は食いつかない。なぜなら彼らの多くはそれを評価できないからだ、彼らはかみ砕いたものしか呑み込めないのだ、みたいな冷徹な読みがあったのかも、なんても思う。
■ メモ
一応、記憶していることをメモしておく。
全文は、RTにスクリプトがあるので、興味のある方はここ。
Assange: Clinton is a cog for Goldman Sachs & the Saudis (JOHN PILGER EXCLUSIVE VIDEO & TRANSCRIPT)
https://www.rt.com/news/365405-assange-pilger-full-transcript/
★「マスコミに載らない海外記事」さんが訳しておられたのでリンクさせていただきます。
・Wikileaksはずっと前からリークをやっているので、今回のリークがロシアに関与しているなんてことはない
・サウジとカタールがISISとヒラリー財団に資金を出してる
・ヒラリーが国務長官になってから、サウジ向けの武器輸出が激増した
・リビアはヒラリーの戦争だった。リビアの安い石油の話なんてのではない。これは最初からヒラリーはカーダフィーを倒し、リビア国を倒し、その成果をどうにかして大統領になることに結び付けようとしていた。(リビアがらみではヒラリーの1700通のメールがある)
・といってヒラリーがセンターだということではなくて、ヒラリーはゴールドマンやらサウジやらといったプレーヤーたちが作り出すマシンの歯車の歯にすぎない
ここまでは、まぁ私としては既報って感じ。
ここからは、ほぉ、だった部分。
・(最近ずっとリークが続いている)Podestaメールで、最も大きいことのひとつは、オバマの閣僚たちがどう選ばれたかだろう。オバマの閣僚の半分は、基本的にシティバンクの代表が指名したもの。
これは、オバマが出て来た時から噂はあった。オバマは金融業界の利益を代弁している、石油はそうでもない、と。それにエビデンスが付いていくわけですね。
・トランプは当選を許されないんじゃないかと思う。なぜなら、彼は、すべてのエスタブリッシュメントを敵にしているからだ。例外は福音派(Evangelical)、ただこれをエスタブリッシュメントと呼ぶならばだが。
これも、多分そうだろうと思っていたところ。ネット上で元気な右派の多くはエバンジェリカル系なんじゃないかなって気は私もしてた。で、彼らには、キリスト教徒を保護してきたアサドを倒して、イスラム過激派を支援するオバマ、ヒラリーは許せないという、非常に強いロジックがあるからぶれない。
■ 周辺の観察
面白く思ったのは、Assangeとtwitterに入れると、ずるずるとあっという間に何百もの未読が積まれていたのね、夕べ。で、それが続いていた。
にもかかわらず、trendには入らないのね。
さらに、googleのニュース検索で、Assangeと入れると、このRTのインタビューを報じていたのは、ロシア以外では、主にイギリスの、The Independent、Daily Mail、Mirrorとあといくつかのちょっとマイナーなところのみ。
アメリカ勢はどうも本当に無視をしていたみたいだ。
ヒラリーとIS、サウジの話題って、こんなwikileaksがやる話じゃなくて、本当ならアメリカのメディアの仕事でしょ? そもそもおかしすぎるし、それがもう目に見えてから4年、5年経ってる。にもかかわらず、一度もちゃんとできない。そしてやるつもりもない。
何度も何度も言ってますが、アルカイダと米軍が組んでしまう形になっていることについて、一言半句の疑念もわかないかのような現状を放置する米メディア、または西側メディアはもはやモラルがないとしかいいようがない。
その上、東アレッポはそのサウジやらトルコ、そしてアメリカ政府が陰に陽に支援してきた「穏健派」、含むアルカイダという集合体が一般人を人間の盾としている状態をどうするつもりなのか、にまったく答えていない。テロリストを分離して引き離せというロシア政府の言うことは、ほとんど voice of reason(理性の声)にしか聞こえないわけですよ。それを、史上最悪のロシアの空爆が~とかいっているのが脳みそが耳からたれてる西側メディア。
これってどこまで続けられるものなの?
むしろ、この先のメディアの行方が気になる今日だった。
■ 続報
昨日、ちょうどほぼ21か22時間前に私が書いていた時、確か5万ビューぐらいだったが、今みたら95万ビューになっていた。アメリカ人が気合い入れるとなんかすごい勢いがあるんだなと改めて思った。
'Trump won’t be permitted to win' - Assange interview with John Pilger (Courtesy Darthmouth Films)