DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

ウィルスとの戦い:人海作戦&包囲戦

2020-02-03 16:29:11 | アジア情勢複雑怪奇

新型コロナウィルスはここ数日でいっきに感染者が増えたような感じがする。巨大都市を封鎖して収束を導こうという原始的な(悪いといってるのではない)対応なので、この先どうなるのかは実は見えてない。

その間に、10日間で仮設病院はできあがった。

10日間で建設の新病院、中国軍に引き渡し 3日に稼働へ

https://www.afpbb.com/articles/-/3266351

「10日間で建設の新病院中国 病院」の画像検索結果

いやほんと、ものすごい対応力。いろんな見方ができるけど、でも畢竟現代の人海作戦。ハイパー人海作戦みたいなもの。

 

で、展開は、保健衛生の問題でもあるけど、まぁなんてか政治経済の問題なんでしょう。

それは別に細かい情報をみなくても多くの人がそう感じているでしょう。だって、米の報道や書き方には、ともあれ、どういう経路、経過であろうと多数の一般人が現在ただいま病気で、それに中国政府と医療従事者が懸命に対処しているという事態に対するシンパシーがゼロだから。

もちろんそれを敏感に感じ取るのは中国人なわけで、中国政府のセミオフィシャル、よく言えば愛国的、平たくいうなら、たいていの場合どこに対しても喧嘩腰が出ちゃうGlobal Timesは、アメリカがイヤなことばっかり言ってるその態度を責める、責める。

ウィルス問題を使って中国を貶めようとするような奴らの試みは裏目に出る、覚えておけぇ、みたいな感じで発破かけてる。

Using virus to smear China will 'backfire' 

https://www.globaltimes.cn/content/1178284.shtml

米のウィルバー・ロス商務長官が、新型ウィルスのおかげでサプライチェーンが崩れて、アメリカに製造業が戻るかもしれないと発言したことなどは、もう、恰好のネタとして何度も取り上げられてる。

 

この発言はしかし、アメリカ国内でも評判は悪い。さすがに、おかしいだろう、どこまで下に行けば気がすむんだよ、うちの国は、みたいになっていた。

米商務長官、新型肺炎で「米国の雇用が拡大」と発言し炎上

https://forbesjapan.com/articles/detail/32095

 

■ ユーラシア統合 vs the West

ロスの発言は、現実的にいって、短期的には、多分部分的に正しいところもある、ぐらいのものではあるでしょう。中国での生産体制がなかなか復活できないことで、他に工場を移転させる企業やプロジェクトも出てくる。

だがしかし、その移転先がアメリカである保証はない。

そもそも、アメリカの製造業が低調だ、それは中国に仕事を取られたからだ、というのは選挙のためのアピールとしてはいいとしても、実際にはもっと複雑で深刻。製造業を支えるための教育とか資質、社会的な合意事項みたいなのがまるごと壊れているから今のアメリカになってんだよ、というのを見直すところから始めないと意味ねーよ、ってこと。

 

他方、一定の効果があるのは、このウィルスをきっかけにユーラシア内部での航空機、鉄道輸送、人の流れが止まること、でしょうか。疑心暗鬼も生むしね。

でも、これも永遠なのかというとそうではないでしょう。中世までだったら武漢は半世紀ぐらい打ち捨てられるわけだけど(日本で津波にあった津がしばらく歴史に登場しない、みたいな)、そんなことが起こるとは到底思えない。

ロシアはHIVが蔓延しているから民族としてもう終わりだ、みたいなこともよく読んだけど、終わらなかった。

 

単純に、各国ともウィルス対策を含む緊急事態をビルトインして国境対策を考えましょうという話になるんじゃなかろうか。

ロシア極東部の2州は緊急事態宣言をして新型ウィルス対策をしているが、その中で国境を超えてきた人たちのquarantine(検疫、隔離)のための施設を立ち上げたりしている。

隔離施設って、無茶苦茶聞こえが悪いわけだけど、でも結局必要には勝てないという方向で行くと思う。

 

■ ロシアの対応

新型ウィルスに対するロシアの対応は、基本的にHIVと同様のものである可能性を排除しない、といった感じかと思う。だから非常に慎重だったし、今もそう。

ロシア国内で現在確認されている感染者は2名で、いずれも中国国籍の人。場所は極東側のバイカル湖の南東部あたり。日本が昔ここは日本の支配下にしてやると騒いでいたあたりですね。

ということなので、数字から見ると深刻になるグループには一応見えないわけだけど、

新型ウィルスは、ロシアにおいてはHIVやペストと同様の危険な疾病に指定された。

Russia ranks coronavirus among dangerous diseases along with HIV and plague 

https://tass.com/society/1115481

 

併せて、上の極東の2州は緊急事態宣言下で、隔離施設を作って国境管理を厳重にしてる模様。

State of emergency declared in two districts in Russia’s Far East 

https://tass.com/society/1115477

 

その上で、ようやく、今日明日、130名のロシア人を武漢から連れ出すことになっている。空軍が関与して対応にあたるオペレーションになっている。後でまた何か出てくるでしょう。

 

ついでにいえば、ロシア安全保障評議会は前から西側の生物がらみの対応には警戒心を持ってる。

つい11月にも、安全保障評議会のパトルシェフさんは、アメリカがロシアの周辺のいわゆるCIS諸国に、生物兵器を製造できるラボを作っていっているのは何故なんだ、と疑念を示していた。

US creating network of labs where bio weapons can be made, says Russian security chief

https://tass.com/defense/1088116

 

■ この先の想像

懸念はなんら解決されていないんだけど、私が思うに、多くの人は当然にウィルス等を敵として戦ってもらいたいと各国政府に期待するわけだから、CIS諸国は、遠くのアメリカの丁稚になってる場合じゃなくなるオッズが高まったのではなかろうか。

つまり、ソ連邦崩壊後、実は西側と通じて利益を得てきたCIS諸国の「エリート層」は正念場を迎えることになるかも。お前ら詰んでるぞ、みたいな感じ。

そして、実をいえばウクライナ等のロシアからの引き離しに利益を見ていた中国の勢力もいたと思うので、そこも崩れるのかもな、って気がしてる。

ロシアの中の大西洋主義者(親西側) vs ユーラシア主権派(ロシアはロシアだ派)の対立は有名だけど、これはロシアに限らない。イランにも中国にも当てはまる。

 

■ 人殺しに鈍感な人たち

総じていえば、新型ウィルスはある勢力が人為的に開発して撒いたって話なんじゃないのか、といった疑いを私は持ってる。確証はない。

で、そういうことをいうと、そんな酷いことするわけないわ、みたいに言う人がいるのかもしれないけど、アルカイダ作ってそこら中で人殺しをしても何も反省できない、何の痛痒も感じない人たちが、なぜ生物兵器で人殺しをしようと考えないと思えるのだろうか?

不思議だ。


 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1943年2月2日:スターリング... | トップ | 1945年2月4日、ヤルタ会談始まる »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事