「マスコミに載らない海外記事」さんがEUに提案されたロシアのニュースはISISのニュースと同じぐらい嘘なんだ、虚報なのだ、だから制限すべきという法案の話を訳されていた。
EUの 'ロシア・プロパガンダ' 決議はマスコミの自由に対する攻撃で偽善の匂い
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/eu-4421.html
(中略)しかしながら最も奇想天外なのは、決議が、ロシア・メディアを、いわゆる「イスラム国」のようなテロ集団が流布する類のイスラム主義プロパガンダと一把ひとからげにしていることだ。かくして、ロシア・メディアは、ISISによる斬首や大量虐殺扇動ビデオと同じレベル扱いされる。
決議によれば、ロシア・メディアは“客観的情報、倫理的ジャーナリズムという考え方を損なう”ために存在しており、手法の一つは、他の全ての情報を“偏っている、あるいは、政治権力の道具”として描くことだ。
とか言ってるわけですよ。
一方、アメリカの方でも、オバマが積極的で今や完全なる政権媒体と化したワシントンポスト紙がいかにロシアのニュースとそれを真に受けたダメな偽情報サイトがあるかの、なんてかこう、あははははの記事を掲載して、ちょっとしたってかかなりの騒ぎになっている。
Russian propaganda effort helped spread ‘fake news’ during election, experts say
https://www.washingtonpost.com/business/economy/russian-propaganda-effort-helped-spread-fake-news-during-election-experts-say/2016/11/24/793903b6-8a40-4ca9-b712-716af66098fe_story.html#comments
驚くのは、ここに13500とかいう凄い数のコメントが付いていることか。この数を見ても、なんてことない問題とは言えないでしょう。
で、ぱっと見るに、ワシントンポストは自分たちが世論動向を誤ったくせに、それをブロガーのせいにするのか、バカかお前みたいなのとか、外国機関の影響があるというのなら、よーし今すぐ調べて対策とれよ、とかいうのがかなりある。
この多さは批判の多さ、と言っていいんじゃないかな。
この記事は他にも興味深いことを示してるなと個人的には思う。それは手法。ある意味、最近のエスタブリッシュメントの得意な方法。
「エキスパート(専門家)」はこう言っている、というんだけど世の中専門家はいっぱいいるが、問題にするのはその内容の真偽、精査じゃなくて、彼らが良しと思う専門家かどうかで、その言を垂れ流すことをひたすら求めている。
これはつまり、
御用学者、御用メディア、御用エキスパート、御用コメンテーター、御用ブロガー以外を信じるな宣言
ですね。
時代が日本に追いついた!! あははは。
で、御用ブロガーに入らない、つまり彼らが言うところの「ソフィストケートされたロシア情報工作」の対象であると、御用団体が認定したサイトは実に200。
ここ。
http://www.propornot.com/p/the-list.html
この中には、世界中のあちこちで翻訳されまくっているPaul Craig Roberts氏のサイトもあれば、ゼロヘッジも入ってますし、ロン・ポール氏も堂々の入賞! もちろん、infowar.comもある。ベテランズtodayもあるね。unz.com、consortiumnews.comあたりも入ってる。
で、この中のブロガーさんの一人が、このように影響力のあるサイトに認定されて光栄だ、自分はロシア政府はおろか、ロシアがらみの利益には何の関係もなく、このようなサイトを立ち上げたのは自分の興味範囲の問題と倫理的な動機だ、と宣言するなかなか凄い文章をアップしていた。
で、この人が言っていることが、実に現在の状況の一端を表していると思う。彼が言うに、自分は結構な仕事をして結構な稼ぎを得ていたが、それを止めてこういうサイトに没頭するようになったのは自分の興味範囲の問題と倫理的な問題だ、ネオコンとネオリベラルに我慢ができなかった、だと。
前にも書いたけど、この手の人がアメリカ社会にはかなりいるわけですよ。
で、この人がどういうバックグラウンドなのは私は知らないですが、おそらく、投資、金融関係で金を稼げる人じゃないですかね。
アメリカでは投資家っていう肩書ってか職業の開示が普通によくあるので、そういう人なんじゃないかと思うんですよね。彼らはサラリーマンじゃないし、金はあるし、金の稼ぎ方もわかってるわけですね。で、よくわかるからこそ、このインチキな世渡りがだんだん我慢ができなくなってきて、最初金融業界の話に、しかし、同時並行でネオコンの基地外沙汰に目がいって、だんだんと国際的な政治的話題にも触れるようになるって感じ。
で、こういう人たちには、そんなことを言うと首になるぜ的な脅しが効かない。マジものの命の危険ぐらいでしょうね、真実問題になるのは。
しかし、数が多ければ、雨後の竹の子のごとしとなれば、そうはヤレナイでしょ、それ(笑)。
抑えられるのは公務員だけ、ってなわけで、ああいう異常なワシントンが出来上がる、ってことかもしれません。
■ ロシアはカバーだろうと思う
で、私はこのリストのうち、ざっと見て多分20かそこら見たことがある。他もサイトを開けてら、ああ来たことある、ってのがきっともっとあるだろうと思う。
で、そこから見て私が思うのは、これって、ロシア問題じゃないなということですね。そもそもほとんどがアメリカ人のサイトじゃんかよ、なわけだし、ロシアメディアを入れることでごまかしてるけど、私は違うと思う。
ずばり、FRBと911にまったく忌憚のない意見を堂々と述べてるところ、あたりじゃなかろうか。
まぁネオコン、ネオリベ、イスラエル、中央銀行、fx、金銀鉱物資源取引等々、入口はいっぱいあるが、みんなだんだんと収斂していくって感じ?
ポール・クレーグ・ロバーツなんかは本職の経済学博士でありレーガン政権の補佐官であり、ウォールストリートジャーナルの編集者の一人だった経歴を持った人でウォールストリートに書いていた人だが911に疑義を持った人となり、主要メディアから干されたという経緯までよく知られているし、infowar.comのアレックス・ジョーンズはCPRとはまったく毛色が違うが911に対しデカい声でものを言うラジオホストから今や大量のビュアーを抱えるネット上の有名人。他のポータル的なメディアも、911への疑義を呈した論考を躊躇なく載せてるし、時にはそれについて何百ものコメントで争いつつ、なかなか実りのある議論をしていたりするところも含まれてる。
そう、EU&USAの措置は、アメリカは自由に語れないブツが、特に、そこに、そこに、そこにあるんだーーーーと叫んでいるも同然ではなかろうか。
もう、なんてか、どうしてこんなおバカな展開をするんでしょうとして言いようがない。肩の荷を下ろして自由になれよと言いたい。
でもって、こんなことをすればますますアメリカ一般大衆が強硬にというか、決心を固くするばかりだと思う。アメリカを取り戻さにゃ、お前らの好きにはさせない、と。
■ ロシアはカバー(2)
思い出した。クリミアとかウクライナとかをきっかけとしたロシアの話でもっとも重要な証言のいくつかを確実に残しているのは、コーエン教授が出演して話したデモクラシーNOWとかthe Nationだと思うが、そこは載ってない。
また、ミアシャイマー氏も同様の認識をし、さらに他国で講演まで行っているんだから、もし本当にロシアの偽情報(ロシアがらみの認識が西側通説から外れているの意味ですよ)が問題だというのなら、氏のサイトも問題にせねばなるまい。というか、氏の論考を載せたのは、Foreign Affairsなのだが。あはは。
ウクライナ危機は西側の過失 by ジョン・ミアシャイマー
さらにいえば、西側の著名人で最も早く、クリミアどころか、「ウクライナはロシアと切ってもきれないことを西側は理解しろ」と断言したのは、キッシンジャー氏なのだが、彼は詰問されるのだろうか? そして、2014年3月6日という、ものすごく早い時期に提出された氏の論考を載せたのはワシントンポスト。ジョークのようだ。
ウクライナ危機をどうやって終わらせるのか/キッシンジャー
結局、ロシアはカバー、口実でしかないのだと思う。アメリカあるいは西側の体制に内在する問題が解決できないからこそ、外に敵を作っているのでしょう。
ロン・ポールの連邦準備銀行を廃止せよ | |
副島 隆彦,副島 隆彦,佐藤 研一朗 | |
成甲書房 |
公共貨幣 | |
山口 薫 | |
東洋経済新報社 |
ざっとリストを見たら、毎晩読んでる戦況ニュースのSouth Frontまで入っていて、思わず笑っちゃいました。あのくらいでもダメ認定なんだ…すごい。
私も思わずほくほくしてしまいました。これまで知らなかったところを見に行けるんだわ、うれしー、とりあえず「入賞」サイトを一回は全部見よう!と思いました。
South Frontはビジュアル的にわかりやすいので、プロパガンダに支障をきたすんじゃないでしょうか(笑)。
アメリカは好きなだけやってみればいいですよ。異論を持つアメリカ人は従わない権利がある、と来るでしょうし、付いていくのは日本とポーランドぐらいですから。
逆にばらされなくても済んだものをばらされるのがオチじゃないですかね。
ところで、緑の党のステインって、一体何者でしょう?再集計したところで、ステイン自身が当選することはありえないのに、なぜ、攪乱するのでしょう?背後に何かある?クリーガー氏も、ネオコンとネオリベに我慢ならないと言ってますが、ステインは違うと思っていた。でも、私の認識が甘かったのではと思っています。ブログ主さん、どう思われますか?
ジルの話は別途エントリーをしましたので、よろしければご覧くださいませ。お返事の代わりというのもなんですが。