政府、THAAD本格検討…防衛相グアム訪問も
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20161124-OYT1T50051.html
THAAD日本配備の検討委員会、副防衛相を長とし夏までを期限に
https://jp.sputniknews.com/politics/201611253048667/
ということだそうです。配備検討はもう少し遅いはずだったが前倒しになったらしい。
いずれにしても配備するつもりはあったわけです。
一石二鳥のサード?
で書いた通りになってきましたね。
でもまぁ、私が思うに、これってだいぶ前に想定されたんじゃないですかね。
つまり、日米韓が組んで、中国&ロシアを圧迫する、って発想でしょ、これ。
これやってどうなるわけ? そうやったところで、実際に反目しあうのは、日・韓 vs 中・露であって、アメリカは関係なく中米関係を作るわけでしょ?
ということです。
北朝鮮向けとか言ってますがそうじゃない。北朝鮮はアメちゃんの工作員みたいなもの。だから、もしこれを日本人が信じるのなら、日本人はポーランド人よりずっと愚かだということでしょうね。ポーランドへの配備計画の時は、ミサイル防衛網はイラン向けだとネオコンのあのライスは売り込みましたが、ポーランド人は誰も信じてなかった。直ちに対ロシアだと考え、なにもここで波風を立てる必要はないと最初は反対していて、国民の賛成を取れず暗唱に乗り上げた。
しかしオバマになって、クリミア危機が来て、危機を拡大させもっと上手に騙した結果、最近本格的に配備されたのね。
いずれにしても、日本は自分のいる地域をどうしたいんでしょうね。
ぶっちゃけ、ここ数年の朝鮮半島をめぐるグダグダって要するにここにミサイルシステムを売りつけて、これでかっちり北東アジアにおいては、ロシア&中国 vs 日本&アメリカ&韓国にしたいという筋書きがあるってことじゃないかと思うわけですね。
で、韓国は一時振り切ってたんだけど、現在政権が壊れてる中、
日本と韓国、「軍事情報包括保護協定」に署名
http://toyokeizai.net/articles/-/146535
(中略)両国の軍事情報協定はもともと2012年に締結される見込みだったが、世論の反発などに配慮した韓国が延期を申し入れた経緯がある。
が、あっさり成立していることも同じ文脈だと思われます。これを拒否するということは、日本との軍事的一体化運用の阻止なわけですよね。それができたってことは、日韓を現地民に、上から米がコントロールする体制がついにできましたということでしょうね。
この成果はこんな感じじゃないのかな。
・日本や韓国はアメリカへの臣従以外許さなさい
・しかし、アメリカは今も強いけどでもバランスオブパワーになりつつあると認識してるのでロシアや中国と是々非々でやる
ロシアも中国も、前から、THAADは極東域の安全保障のバランスを崩すし危険だから反対だと言ってましたが、日本はこの方向に行くつもりだったろうし、現に進んでいるのでしょう。
さてそうすると、日露で平和条約を結びたいという話は、基本的にはまぁ両国ともそう考えていたとしても、そう簡単にできる話でもありません、としか言えない話だったし今もそうだということでしょう。
だって、はっきりとした敵対モードになるわけですから。
さらに、悪く考えれば、2014年夏に日本は日露の対話から一方的に抜けたわけですが、それをもう一度経済パッケージをもってプーチンを誘い出したのは安倍政権。これは、こうした動きに対するカバーだった可能性もありますね。
もしそれが正しければ、プーチンが何度も何度も、領土問題は交渉してないと言っているのにもかかわらず、日本の政権とマスコミが、何度も何度も、ロシア側が何を言おうとおかまいなしに日本の国民に期待をもたせたことの意味もここにあるでしょう。
つまり、一方的に期待を膨らませて、現実には何も起こらないという状況こそ望ましいってこと。日本国民は、ロシアはやっぱり信用ならない、というでしょう。
で、しかし、それで日本に何のメリットがあるのかというと、何でしょうね。
まぁ、やっぱり冷戦だよね、みたいな感じ?
でも、実はそれすら嘘なんだよね。だって、冷戦は、基本的にアメリカもその属国群も同じくソ連に対してたけど、今回は、アメリカはバランスオブパワーを受容する、つまり中露と是々非々だが、属国群はアメリカに臣従せよ、だから(笑)。
■ 上海協力機構 vs NATO+日韓
そういうわけで、数日前に書いたこの感じが、今後見えてる体制ってことだと思いますね。そこに、極東側として日韓が加わるだけ。
さらにさらに、もしどうしてもNATOが自分たちだけが唯一許された強盗組織みたいな態度を変えないなら、この上海協力機構をもっと公式のものにしていくのであろうと思う。既に様々なところで活動はしてるから、残りは国連が公式の機構として認めるか否かなのだが、しかし、現在のところ米がこの機構を絶対に国連と関わらせないと踏ん張ってる。
ここから、なぜああまでして一部軍人らがトランプを推したのかの理由もこのへんに関係があるだろうと推測できるかな、とも思う。もう遅いと思うけど。
イラン加盟に向かて進んでいますという結構詳しい記事がスプートニクにあった。まだ山あり谷ありではあるんだろうけども。
Growing Alliance: Shanghai Bloc Taking Steps Toward Iran
https://sputniknews.com/politics/201611251047826169-sco-alliance-iran/
■ オマケ
ふと思うに、なぜウチの政権の人たちはああまでしてTPPにアメリカを連れてくるのだと言い張っているのかと考えるに、まぁ単純にいったん決めたら止められない日本の風土病ってところもあると思うけど、この、アメリカはフリーハンドだってな状態が、約束(思い込み?)と違うや~ん、なのかも。
つまり、ソ連に対した冷戦と同じように、さすがに全部そうでないにせよ一定程度経済も含めてアメリカも同じく中国、ロシアに立ち向かう、と考えて、うっしっしとか言いながらミサイル防衛網構想を陰で進めてたりした。
ところが、開けてみると、日韓が臣従するならそれを受けましょう、しかし私はフリーハンドです、とトランプ(またはアメリカ財界?)に言われちゃった。
これが、え??なのではなかろうか。
多分ね、日本の政治家、財界の人たちって様々なハンドラーに騙されてんだと思うよ。アベノミクスで経済を大きくすれば、日本とアメリカ2国の大きさをご覧なさい、どこも太刀打ちなどできないのです、そーだー、我々は勝ったも同然だみたいな。
グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命 (朝日新書) | |
エマニュエル・トッド | |
朝日新聞出版 |
公共貨幣 | |
山口 薫 | |
東洋経済新報社 |
わたしも、プーチンさん来ないでと言いたい。そんなこと今さら気にしてはいないだろうけど、悪役にされるだけですよ。それに危ない。トランプさんも公約に忠実であるほど、身が危なくなりそうだけど、プーチンさんのほうがさらに危ないと思います。
極東、欧州のミサイル防衛網は別にどこかを防衛するために置かれているものではないでしょう。それはセールストーク。
まぁ、日本に朝鮮半島を取らせたのと同じだと思えばいいんじゃないかと思います。
私もそれを考えました。別に今発表する必要もないことを発表しているわけですから、来日停止に向けた足掛かりなのかと。
これからどう展開するのか楽しみです。
ちゃんと政府に抗議する韓国人は偉い等と書いている人もありましたが・・・・・
どうもへんな騒動だし、日本のメディアが面白がってず~っと報道しているということは日本にとって不味くないからなんだろうなとは思ってますが、まぁ誰が仕掛けたものはわかりません。