1日遅れになったけど一応メモしておこうと思って日本語記事を探した。
国連安保理 シリアの内戦終結目指す決議採択
12月19日 7時48分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151219/k10010346411000.html
国連の安全保障理事会は18日、シリアの内戦の終結を目指す決議を全会一致で採択しました。決議では、アサド政権と反政府勢力が、年明けの来月初旬をめどに対話を行い、半年以内をめどに新憲法の制定などの手続きを始めるとしていて、4年以上にわたる内戦の収束につながるのか注目されます。
(中略)
安保理ではこれまで、アサド大統領の処遇を巡って欧米とロシアが対立してきましたが、シリアから大勢の難民がヨーロッパに押し寄せていることや、過激派組織IS=イスラミックステートによるテロの脅威が高まっていることを受けて、各国が歩み寄り、内戦の終結を目指す初めての安保理決議が採択されました。
ということで、大本営NHK的には、なぜ国連安保理決議までこぎつけることができたかの主要な要因を、シリア難民が欧州に押し寄せたこと、ISのテロの脅威が高まったこと、に求めることにしたらしい。
ことこうなるまでに、
- ロシアが本当にISを攻撃した(アメリカは攻撃していなかった)
- ISのスポンサーには40カ国からの個人と団体がかかわってます、
- ISの石油泥棒のスケールは、既に商業レベルになってます、とロシア国防相が発表
- その中でトルコが一番かんでます、ときて、これに欧米各国の識者、政治家が、実は知ってたと言い出した。
という経緯があったことは無視なんでしょうね。
でもって、この経緯の公表と共にシリアにS-300、S-400を配備し、ある意味で事実上のノンフライゾーンをロシアが設定した。これも大事。
さらに、その間に、シリアのアサド大統領のインタビューがいくつかの国で放映され、また、アサド大統領を密かにモスクワに連れ出してひと騒ぎというか、ビックニュースを作った。この作業の目的は、シリアという国家がまだ存在していることのアピールということでしょうね。
こうやってシリアの主権という問題が、よーーーーーやく俎上に載ったんですよ、大本営の人!
とはいえ、決議が国連で行われたのはシリア・ロシア・イラン・一部イラクという体制としては一歩前進だろうけど、こんな約束をしようがすっとばすのが西側流なので、今後またいい加減な事件を作ってジハードがどうした、ISがどうしたで騒乱を拡大する可能性はまったく消えていない。
■ 振り返ってみるにメディアですよ、メディア
振り返ってみるに、西側なる体制にとって、要するに、もっとも重要かつ極悪なユニットは、メディアなんだよなとしみじみ思う。
つまり、本当はAさんがBさんを刺した、といった話でBさんが瀕死の重傷を負っていても、Bさんが狂人で自殺を試みたのだ、と報道してそれを貫けばそうなっちゃう。
この仕組みこそがまさしくガンであり、そして肝なんだなぁと改めてそう思う。プロパガンダなんていう生易しいものじゃない。
シリアの一件は本当にそう。あんなの内戦じゃない、最初に外人部隊が入ってきたところから始まってるだろうという、いってみれば目撃者みたいな人たちがいたわわけだけど、大報道が真っ逆さまに逆を報道しつづければ私たちは知らない間にそっちに流され、むしろ目撃者を変人呼ばわりするようなことになる。
で、シリアのサリン問題はこの手の話であった可能性が大きい。
この間はトルコの議員さんが告白をした記事を書いたけど、この人は現在トルコで国家反逆罪をちらつかされている模様。どうなったのか続報がよくわからないけど、「偽証」じゃなくてtreason(国家反逆罪)で脅すってどうなのそれ、と思わず笑ってしまった。
シリアのサリンはトルコ経由 byトルコ議員
一週間ぐらい前に、コリン・パウエルの幕僚長だったLawrence Wilkersonさんという元軍人さんのインタビューを見たけど、そこでこの人は、シリアのサリンについて、当時、自分が知っている限りいろんな人に聞いたけどインテリジェンス・コミュニティーの誰もアサドがサリンを使ったという証拠は持ってなかった、という話をしていた。このインタビューは他にもいろいろ見どころ満載なのでいずれまた言及したい。
The Empire Files: 'This Ship is Sinking' Says Former Bush Official
で、成り行きからすると、シリアのサリン問題は蒸し返されるおそれがあるんだろうと思う。というかロシアはその用意をしているわけでしょ、多分。で、そうなってくると、シリアの「内戦」の再解釈に至る可能性は、まぁ「メディア」が頑丈である限り難しいけど、オールタナティブでの定説化は見えてくるかも。
そういうわけで、なんとなく来年はそれら主要メディアとはなんぞや問題に移っていくんじゃないのかという気がした。いうまでもなく、トランプ人気もこの流れにある。
それかあらぬか、RTが、これはうちの解釈ですよと控えめな態度ではあるにせよ、欧米主要国の各主流メディアの持ち主、株主、傾向などをまとめたプログラムを作っていた。かなり面白い。
ULTIMATE GUIDE TO MSM
私としては、いわゆるMSM(main stream mediaの略)って、西側教を支える機関紙の位置づけですね、もう。
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