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シリア・アフガンの整理整頓&主流メディアの壊死

2018-12-26 14:50:29 | アジア情勢複雑怪奇

クリスマスから新年にかけては何をやってもなんとなく落ち着かないのは一体どういうことなんだろうと毎年思う。一つには冬至付近であることの影響ではないのかとも毎年思う。不思議だ。

ともあれ、そういう騒々しい感じの中で株価が大幅に下がり、来年からの経済の先行き、というより経済の仕組みの一部さえどうなるかわからないののが今というところ。

トランプ大統領「FRBは米経済の唯一の問題」

https://www3.nhk.or.jp/news/special/45th_president/?utm_int=news_contents_special_006

民主党の下院トップ、ペロシ院内総務と上院トップのシューマー院内総務は、24日、共同で声明を発表し、「クリスマスイブにもトランプ大統領が国を混乱に陥れている。大統領はFRBと個人的に戦っていて、株価が大幅に下落している。トランプ大統領は政府機関の一部閉鎖を望んだが解除の仕方を知らないようだ」と述べ、トランプ大統領が政府から独立しているFRBを繰り返し批判しているうえ、政府機関の一部閉鎖を解除する対策を講じていないとして、厳しく批判しました。

これはだって既にここまでの間に金利を上げさせて、ある程度トランプの方針に沿ってるんだから、本来的な問題とは言えず、そういうことではなくて、そもそもFRBはということを示唆しているように思う。

次のフェーズに向けて石を打ちつつ、一方で、FRBと戦っていることをトランプは支持者に再度アピールしているもの、というところではなかろうか。

トランプ支持者の中には、連邦準備制度こそこの世のガンという人たちが力強く存在しているから、実のところ立派に支持獲得運動とも言える。

先に行ってニクソン的なものが出て来る可能性なしとは言えないのが現状って感じ。

 

で、その一方で、ニクソン時代がまさにそうだったように、「サイゴン陥落」が一方で起こっている大問題なのだが、ああいうアメリカの落ち方だと昔と違ってホントに滑り落ちるようにシステムが壊れるかもしれない。

それを避けるために、ホントは侵略戦争、違法な戦争をしてごめんなさいと言うフェーズであるというのに、引き上げるアメリカは「正しい」などと言われ、褒められる始末。爆笑ものだが、しかし、アメリカにとってという意味ではうまくやってるというべきでしょう。

しかしながら、問題はシリアも無論そうだが、アフガニスタンこそ大問題でしょう。

アフガニスタンは別にオサマ・ビン・ラーディンおじさんがいたからという理由で攻撃したのではなくて、あそこを占領することによって中央アジア戦略と中東戦略を繋げて、一気に世界支配という構想だったんだろうと思う。もちろんイランのレジームを変えて、都合のいい通り道にすることがこのプランには含まれていたといっていいでしょう。

だから、アフガンを捨てるということはこのプランを捨てるということなので、そりゃやっぱり簡単には終わらないと思うな。

米のダンフォード統合参謀本部議長がアフガニスタンにいって、君らが今日すべきことは昨日と同じ、ミッションは何も変わらないと発破をかけた模様。

また、いろんな噂があるが現地のリーダーシップには届いていないと言っているという記述もある。スターズ&ストライプスなのでここらへんは米軍の公式みたいな感じと受け取っていいんじゃなかろうか。

Dunford addresses talk of Afghanistan pullout at holiday USO show

https://www.stripes.com/news/dunford-addresses-talk-of-afghanistan-pullout-at-holiday-uso-show-1.561929

 

■ 911が必要なぐらいの事情

どれぐらい「おおごと」かというと、911という事態を作るほどにおおごとだったわけでしょ。

この問題をタブー化しているのがこの野蛮な20年だと思ってみてれば、事態が根本的に変革しそうな今がどんだけ大変かわかるというもの。

多くの人はこの問題のタブー化に従ってしまってもうどうでもいい問題みたいに思ってるかもしれないけど、まだわずか17年前の話なのですべてが現役世代の問題でしょう。

で、その解決がなるかならないかはともあれ置くとして、ここをタブー化していることの直接的な不利益は他にもある。それは、西側のほぼすべてのジャーナリズムが機能不全に陥っていることではなかろうか。

だってこの人たちが隠し事の当事者、防波堤になってるんですもの。

もともと、前から書いているように西側の主要メディアはネットワーク化されていたと言っていいんだと思う。しかし、大人の人は記憶にあるように、今ほどジャーナリズムが機能不全というよりフェイクニュースの発信源になって、異論を刈り取るような時代は2000年以前には存在していない。

それはちょうど、ロシアに関する言論は冷戦時代より酷い、この状況を改善しないと大変なことになると過去4年、ものすごい勇気をふるしぼってあちこちで講演しているスティーブ・コーエン氏などのいう通りでしょう。

コーエン教授は、冷戦時代はデタント派というハト派の人で、ハト派はいつも負けたけどしかしアメリカの世論、マスメディアの中には少なくとも討論はあったと言っている。しかし、今それができない。完全にマッカーシズムの世界になっちゃったのが米のメディア業界。

なんでこうなるかというと、そりゃもう、メディアをネットワーク化している人たちこそ、ロシア→ソ連→ロシアを取って食おうと泥棒を重ねている人たちだからだろう、と、私などは単純にそう思ってるが(笑)、しかし、現実にそこをなんとかしないことには、アメリカの言論界は壊死するばかりというのも本当でしょう。

そもそも一般人に見放されてるもの。

 

■ 次の10年

で、こういう事情って別に誰かが逮捕されたからとか、誰かがゲロったからとかいう一事では終わらないと思う。

壊死して、一般人から見放されている、ドイツ人ジャーナリストの言葉を借りれば「買われたジャーナリズム」になってる状況は一夜では終わらない。

ドイツ人ジャーナリスト、プロパガンダ報道に加担してきましたと告白

ドイツ人ジャーナリストの告発本、ベストセラーに

 

ちなみにこの問題の本は、

Gekaufte Journalisten: Wie Politiker, Geheimdienste und Hochfinanz Deutschlands Massenmedien lenken
Udo Ulfkotte
Kopp Verlag

 

英語版の用意ができて出版されたのだが、販売ができないというより置かせてもらえないといった問題があるらしくある。最低でも、Amazonは、ハードカバー900ドルという表示をずっと出していることが過去半年ぐらい知られている。10万円出せよ、と。

Journalists for Hire: How the CIA Buys the News

https://www.amazon.com/Journalists-Hire-How-Buys-News/dp/1944505474

 

こうなると逆に、やっぱりマズイんだろうなと笑えてしまう。

さらに、訳者がサイトを作ったがそれが消えたとかいう話も半年ぐらい前見たような気がする(現在の状況は私はよくわかってないので、古い話として聞いてください)。

 

でまぁ、どうやっても人の口に戸は立てられないわけで、圧殺すればするほど人々は出口を求めて動き回る。

この様子って、SWIFTと似てると思う。SWIFTという銀行間決済を通さないと交易の決済に不自由が出る仕組みを利用して、イランをここから外して経済を混乱させようとした。

それに対して中国、ロシアはいろいろ手を変え品を変え対抗手段をつくり、むしろ外部圧力から身を護る経済を作ってる。

同様に、西側各国内の情報を締めて統制しようとすればするほど、人々は自由に話せる空間を求め、そこで「俺だけじゃなかった」と安堵し、そこから対話が生まれ、そうしているうちに様々な情報が集まり、事実関係が確定されていく。結構なことじゃないですか(笑)。

ロシアのメディアは今回楽なゲームをやっている、あまり嘘を書かないで事実ベースを書くだけで西側読者の信用をゲットできる、と言われていたのはもう3年ぐらい前だが、この状況は今も持続している。

そして見回してみればイランやら中国のメディア、アラビア語メディア、トルコメディアも西側メディアと異なる視点でものを書くのが、かつてよりより深く、より上手になってそして普通になった。

この反・西側グループにおけるロシアの特異性は、反発するにせよ、肯定するにせよロシアの声は欧州および欧州由来の人々≒アメリカ人に非常によく届くこと。このへんは文明圏の問題だわな、とかねがね興味深く思ってる。

 

ということなので、今起こっていることは、冷戦終結を喜んだ人々を騙して、世界制覇に向かう作戦を立てちゃった人々、および、それを信じて付いていっちゃった人々が、30年遅れで本確的な世界構造の仕組みを考えざるを得なくなっているという話だと思う。

で、世界制覇に向かう作戦というのも、実はかなりちゃちかったというのが実に大問題で、いろんなところが穴だらけだったために、逆に、世界各地にアホな集団をかき集めるしかなくて、それが故にそれに反駁する人々が勢いを持つ、みたいな機序のようにも見える。

具体的にいえば、八紘一宇を語って神武以来の日本の大義がどうしたこうした、みたいなことを言う馬鹿がこれほど表に出なかったら、日本人の多くも危機感に目覚めない。同様に、欧州ではネオナチグループの末裔が跋扈するに及んで、なんだこれは、となってる。アメリカの場合は、「リベラル」の好戦性に呆気に取られてる。

 

■ で、日本なわけですよ

で、日本の中が問題だわ、ほんとと思うのは、シリア、アフガニスタンの撤退がどんなに深刻な問題なのか全然理解されていないし、ちゃんと報道しないし、政治言論の中にはほとんど入ってなかったし、今もない。

せいぜい、トランプはロシアと結託してるぅみたいなアホな話がまことしやかに語られたぐらい。この話をさも深刻な問題のように語った人たちはジャーナリストなんてなタイトルは外して、ただのデマの片棒担ぎだと人々は呼ぶべき。

 

で、ですね。ジャーナリズムおよび国家機構のデタラメを責めるのを一方として、しかしながら他方で少なからぬ日本人にも問題があると思う。100年前は、大半が貧しく教育もない人たちだったから彼らを責めるのは酷に過ぎるが、現在の私たちは豊かな国で好きにいろんなものを読んだり書いたりできる時代にいる。にもかかわらず、世界情勢に対する認識があまりにも幼稚。これは誰を責めてもはじまらないわけで、国民各位の問題ということになるでしょう。

私が心底心配しているのは、政治経済、社会システムなどに関する言論がこのままこの戯言レベルを維持していくんだとしたら、次の次の世代の日本人で比較的頭が痛んでない親から生まれた人たちは、政治経済等に関する言論を日本語で読まなくなるだろうとうこと。

これは日本語が立派です、とかいう話をどれだけしても意味はない。

で、結局これはどこかに狙ってる人たちがいてこうなったのかなと思わないこともない。つまり、英グループの準加盟にしようという算段かなぁと思ってる。オーストラリアと組ませて南シナ海、西大西洋を守らせるってなスキームともあうでしょ。

とかとか、いろいろ考えると、いやほんとこの20年ぐらいは日本にとって大きかったなぁと思わずにはいられない年の瀬でございます。50年後にフォーカスを置いて再生せなならんでしょう、やっぱ、とも思う私は置文伝説派。

カラー革命と置文伝説

2016-06-08 13:14:45 | 参考図書-鎌倉

 


 


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3 コメント

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忖度フェイク情報社会化の完成した日本の病 (ローレライ)
2018-12-26 15:56:38
忖度フェイクニュースのヒラメ社会化した西側軍国主義では情報は忖度されて統制される。
その中で、忖度フェイク情報社会化の完成したのが日本の病である。
理想の忖度社会 (ブログ主)
2018-12-26 16:11:46
ローレライさん、

昔、ナチに地政学を売りこんだと言われてるハウスホーファーーが、日本(大日本帝国)をうらやましたがってたというのを思い出します。
何がうらやましいって、政府が国民をハンドリングするその手さばきが素晴らしい、と。それにひきかえドイツは云々とありました。

ファシストに羨望されないような集団にしたいものです。
連銀の株主 (私は黙らない)
2018-12-27 06:01:24
そうか、そうですよね。景気の悪化もFRBとの闘いと評価するのが、トランプ支持者でしたね。
私も最近まで、FRB=アメリカの日銀と思っていました。12ある連銀は、それぞれ株主が違うようですが、試しにNY、SF連銀のサイトを見たけれど、株主情報が載っていない。株主が公開されない民間銀行に景気を左右されているのは、納税者としてあまり気分がよろしくない。日銀は政府出資が55%、一部の民間資本がその決定を左右できないような仕組みに一応なっている。(政府からの独立性については、甚だ怪しいが。)
連邦準備法の発足には、ウィルソン大統領が大きく関わっているが、彼が民主党だったことと、ヒラリと金融業の癒着が符合するように思う。
それにしても、この婆さん(ナンシーペロシ)早く辞めてほしい。チャックシューマーとかナンシーペロシが牛耳っているから、いつまでたっても民主党が変われない。バーニー路線に舵を切らないと。

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