一昨日私は北朝鮮に関してコメント欄にこんなことを書いたわけだが、
日本にも支配層というものがある (ブログ主)2018-03-30 04:56:22私は黙らないさん、
多分ね、日本だけが知らされていない、んじゃなくて、日本の中に「知りたくない」人々がいるということだろうと思う。
この話って本筋は日本は北朝鮮という国家を認めるのか、ですから、外交的にもちろんですが、国内の認識を整えることも同様に重要でしょ?60年以上北はないものとして来ているわけだから、本当に大問題。
しかし誰もこれを切り出せない。否定する、だっていいんですよ(それがどんな意味を持つかはともかく)。しかし、誰かが話を開けないとならない。でも誰もいないの(泣)。プーチンどころかトランプすらいないのが日本なんだなぁと嘆かわしい思い出ございます。
誰か、元気のいい女の人の方がいいような気がする。あなた、そんなこと言ったってできないものはできないんですから、今あるもので考えるしかないんです的な言い方で説得できる人。
中国王さん、ロシア モルグロフさん、忙しく立ち回る
その私からすると、今日の宗純さんのエントリーは考えさせられるところ大すぎて大変。
韓国大統領イ・ミョンバク(李明博)の大失敗
https://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/739440100eeab765985ee247ff133d95
イミョンバクが大失敗したことの帰結が今の文さんを支える韓国人になっているんだなというところはよくわかるし、この路線を中露・トランプ政権も支持しているといっていいのでしょう。韓国の流れはよくわかる。peoples of Koreaのための韓国(というか朝鮮)を奪取しようという試みが続いているとも思う。何を見ても、やっぱり、光州事件のインパクトは巨大だなとそこに目がいく。
で、宗純さんの記事は、そこというより、天安事件の際の日本の反応がまとめられていて、いろいろ思い出させてもらって助かると同時に、あの時誰もなんにも反論できなかったし、そこから軌道修正したグループもいないんだから、改めて隘路に陥った日本を見る思い。
韓国軍哨戒艦「天安」沈没が起きた2010年当時の日本側政府は民主党の鳩山由紀夫首相だったが、『権威や信用力が一番高い国家や国軍が真っ赤な嘘を平気で垂れ流し、平気で人々を騙す』との大人の常識を失念していた。(何百万人もの尊い日本人の命であがなった真理が、短時間で失われていたのである)我が日本国ですが右も左も全員で『北朝鮮が~』で一致していた。
ところが韓国では朝鮮日報など与党保守系紙は『北朝鮮が~』で一致していたが野党系のハンギョレ新聞とかNPO組織や有識者たちが矛盾点を指摘して反論。国を二分する大論争が起きていたのである。
韓国では直後の統一地方選で与党が大敗北。この勝負は完全に決着がついていた。
韓国民ですが韓国政府(李明博大統領)が大嘘をついている事実を見抜いたのである。(選挙民に見放された保守与党は党名をハンナラ党からセヌリ党に変え、党首を『右でも左でもない』と主張したパク・クネに変えて再出発する)
可哀想なのが韓国政府(李明博大統領)の嘘を信じた日本国で、与党の民主党は大敗北していわゆる『ねっじれ国会』になるは日本共産党までが歴史的敗北で志位和夫までが反省らしい言葉を述べる大騒ぎになっている。(北風で得をするのは保守系与党だけ。左翼や平和勢力が大敗北するとの常識が無い鳩山由紀夫とか志位和夫ですが、政治的判断が出来ないのですから、これは政治家とは到底呼べない)
簡単にいえば、日本の政界はおしなべて、韓国の路線を支持にするのが日本の務めだ、みたいな無邪気な反応をした。
これって、今話題の欧州における、イギリス政府発表のロシア疑惑が嘘八百で、あまりにもあからさまに馬鹿げていて(そして恐ろしく)イギリス国民とて動揺しているようなものなのに、米・仏・独その他あわせて20カ国ぐらいの国が、それを
convincing(説得力がある)とかいって、無条件に追随し、その理由としてsolidarity(連帯)をあげたというのと同じだ。
要するに、グルーピングしようとしている「奥の院」の策謀にまんまとひっかかっているという話なんですかね。
イギリスのケースだと、イギリスはEUを出ようとしているんだから、本当はEU諸国に号令をかけるようなポジションではない。が、この嘘、嘘、嘘の連打によって、まんまと、EU+英、そして米が連帯しているという恰好を作った。それは、明らかに、ロシアを敵とする恰好。
2010年の天安沈没事件の日本の反応も、何がなんでも韓国とのsolidarity(連帯)を優先させて、当事国の韓国人が疑惑を感じているのに、外国である日本の政府は、convincing(説得力がある)だ、とか言ってた。
実際、日本の政治の中では、日本と韓国は一緒でなければならないという強いドライブがある。さらに、話し合いをすべきだ、という場合にも、日本・中国・韓国が連携すべきだ、とかいう。
これはつまり、北朝鮮とロシアに対立すべき日本という構造を前提にしてる。
これが世界に展開する米軍基地のマップ。この大きな丸を維持できるのなら、話はなんだっていい。
世界中の米軍基地のマップ
という状況から考えると、冒頭で書いた、
日本は北朝鮮という国家を認めるのか
という問いを日本国内で発してくれそうな人たちは、自民党にもいないが、民主党にもいなかったし、今もいそうにないということなんでしょう。
■ 北朝鮮非承認派に未来はあるのか
いやしかし、私自身、日本でまさかここまで北朝鮮を承認することのハードルが高い人々がいるとは考えられませんでした。
ちょうど一年前私はこんなことを書いていた。
最終的に2つしかとる道はないないわけでしょ。
1. 北朝鮮と南朝鮮が別の国として相互に認める
2. 南北一体化する
で、2にオプションが二つあって、
2A. 一体化するが、今は別々に→ 相互承認の道へ(短期的には1と同じ)
2B. 一体化するので今無理くり一体化→ 相互承認飛ばす(実質的には戦争が不可避?)
朝鮮・トルコ、渤海湾・黒海と「不可欠」
この見取りでいえば、現状1と2Aの方向に向かっていると言っていいんだろうと思う。もちろん、アメリカの中にはどうしても極東情勢を安定させたくないという強いドライブがあるから、今後の成り行きは優しい道だとは言えないかもしれない。が、しかし、
この体制が作られた以上、もはや、2Bは、もともと危険すぎたし、米の統合参謀本部が本気でそんなことを考えていたとも思えないが、今ではさらに遠のいたということではなかろうか。
そういえば、誰が考えたかしらないけど、中国の北東部の軍が協力して北朝鮮を倒す、みたいな噂半分の話が出て来ていたが、これは、2Bを中国あるいは中露を敵視した恰好でやると危険すぎるので、中国を巻き込んでしまえばいい、みたいな発想か?
しかしそれは中国本体の大混乱へと結びつくことは容易に想像できるので、中国本体が本気で取り組むとは思えない。
そこで、北朝鮮は代替わりで親中国派を切っていって、習近平氏になって中国内部の統制も違ってきた。日本の主要メディアは「中国と北朝鮮がぎくしゃくしている」と書いてきたが、結果は、
これは、中国の一部と北朝鮮の一部の禍根によりぎくしゃくしていた、という話だったと考えるのが順当ではあるまいか。
さてしかし、前から何度か出しているけど、北朝鮮というのは国家になって既に長年月を経ており、世界中の大半以上の国は国家承認して外交関係がある。緑が承認してる国。グレーが承認してない国。
アメリカ、日本、フランス、サウジアラビア、イスラエルという、まぁなんてか独自色のある連帯ですね(笑)、ここが承認してない。
にもかかわらず、日本の河野太郎は、北朝鮮との外交関係を断絶しろとか言ったそうだが、到底本気とは思えない。そして、今イギリスがやってることと非常に似てる。この男はボリス・ジョンソン相当なんですかね。あっちの方が面白そうだけど。
1月にバンクーバーにいってナチシンパのカナダの外相と並んで北朝鮮批判をしていた。これをしかけたのはティーラーソン。英ジョンソンももちろんいた。朝鮮戦争と国連の関係を使って、なんとか打開策?を得ようとしていたようなのだが、その後ティラーソンは首になった。
北朝鮮:中露のいないバンクーバー会合
この気持ち悪い会議は、今ジョンソンが欧州でやっているような、無理くり英米とその子分を固めて、大陸側との緊張関係を維持しようとするものだった、って感じなんでしょう。
アメリカは、北朝鮮がアメリカとの関係を持ちたがってることを知っている人たちは以前から大勢いる。また、米朝間に国交ができて結構仲良くなったとして、それがすなわちバルト三国やポーランドのように口を開けばロシアをののしり、火をつける当番になるという話でもない。
だから、NATO東方拡大ならぬ、極東NATO北方拡大さえしなければ、ある程度落ち着いた関係も可能だろうという考えがあっても別に不思議ではない。朝鮮の場合は2国とも相対的にいえばしっかりした軍を持っているので2つが連合したらかなり大きく、頭もあるから武装中立も可能ではなかろうか。
となると、日本の中に、北朝鮮と国交を樹立して、極東地域全体の安全を考えましょうと言える人口が絶望的に小さいのは困った話。
しかもこれが、例えば安倍ちゃんの応援団みたいな、軍事で勝つことしか道はないみたいな寝ぼけたことを言ってる妄想派だけがそうならまだいいんだが、日本の場合、リベラル側も反・北朝鮮だし、反・中国みたいな人もいる。
現在の問題のほとんどをラインナップしたのは民主党政権後半だし、
枝野さんは、2010年にこんなことを言っていた人。
中国は「あしき隣人」「法治主義通らぬ」 講演で枝野氏
2010年10月2日17時25分
http://www.asahi.com/special/senkaku/TKY201010020190.html
民主党の枝野幸男幹事長代理は2日、さいたま市で講演し、尖閣諸島沖での中国漁船の衝突事件に触れて「中国との戦略的互恵関係なんてありえない。あしき隣人でも隣人は隣人だが、日本と政治体制から何から違っている」と、中国を強く批判した。
まぁ、前原と似たりよったりだとは前から言われてるけど、河野太郎と似たところもある。いずれにしても、体制が違うから組めない、という発想をするのは日本では左右を問わず、もう脳みそに染み込んでるレベルのスタンダードでしょう。
(私はこれを、無自覚な差別主義と考えている)
じゃあなんで体制の違うサウジアラビアから石油買ってんだよ、とか、体制の違う米中は始終話し合いしてるじゃないか、と考えれば、言ってることが無茶苦茶だし、そもそも、隣国の体制が自国と違うことをもって互恵関係を持てないというのは、ほとんどネオコンみたいな発想でもあるし、現実的には、これは、上位プレーヤーが下位プレーヤーに課した「約束」みたいなものでしょう。お前は俺の組みだから、俺の許可なくあっちと付き合うな、でも俺は付き合うが、みたいな。
しかしこれを整理、総括できないのが現在の日本ですね。だから、嫌がられようとも毎回言ってますが、安倍を倒せば明るい未来があると考えるのは間違い。別の隘路に突っ込むだけ。だから、もう矢が折れてる安倍を前線に立たせて弾除けにして、後ろで作戦会議をしようと言ってるわけだす。
■ 今後の見通し
ロシアが過去10年ぐらい言っている、相互信頼、対等のパートナーとして関係を築きましょう、というのは、多分今後各国が語る文言になっていくんじゃないでしょうかね。
別の言い方をすれば、the West のようにみんながなるんだ、the Westの仕組みは至上のものだ、というある種のthe West教みたいなのを否定している。フランシス・フクヤマはトンデモだったとも言いますね。
最近は、口で言うだけでなく、トルコ、イラン、中国といった国々との関係が大きな比重を持ってきたので、かなり本気で、相互信頼、対等のパートナー路線をばく進してると言えるでしょう。
そして、トランプが来た。トランプは、政体が違うからあいつらは敵だ、といった発想では仕切っていない。単純に、アメリカにとって不利だからそれはしない、あれはしない、という仕切り方をしてる。
この流れから思えば、少なくとも2010年の枝野では、この先の日本を任せられないし(その後変化したかもしれないが)、「あしき隣国」もその隣の国も安心して付き合おうとはしないでしょう。
日本に必要なのは、グループから離れてものを見る訓練をするという、かなり大変なタスク。
でも、こっちの方が、嘘の証言を偽の連帯で通すより、よほどやりがいがある楽しいタスクだと思う。なによりdignityがある。
安保体制にすがっていれば楽なんだと思う。一番左の共産党も例外じゃない。
極東情勢の激変は不都合な現実ではなく、日本にとって千載一遇のチャンスではないかとさえ、私は思う。
安倍が日朝会談を模索してるらしいが、一体、何を話すつもり?拉致問題?アホ?