まずは、いずれにしても、何はともあれ、
大阪市廃止に関する住民投票にノーを突きつけて、この詐欺話に一旦ケリをつけたらいいと思う。大都市1つが何年も何年も分割騒動にパワーを取られているのは実に無駄。
学者さん集団によるtwitter。
大阪都構想の「危険性」132人学者所見
https://twitter.com/osakascholars
ざっとですがいくつか集会の様子も見ました。勉強させてもらいました。
■ なぜカジノ
それはともかく、この話は学者さんたちが主に行政機構の大混乱を想定していない恐るべき素人行政に危機感を持ったことや、大阪市廃止やて??そんなん聞いてへんわ、という驚きの人が増えるにつれて、廃止にはノーという傾向が強まるだろうと期待してる。油断はできないけど。
でも、同時に、だけどこれはカジノ問題の一局面でしょ、とも思う。
日本には、どうしてだか、とにかくものすごい熱意でカジノ構想を進めようとする国会議員が大量に、はいて捨てるほどいる。
そしてそれらの人々の尽力というよりほとんど横車で、カジノ解禁!とかいう段階につい2年前に到達した。
2018年の夏のこと。
カジノ解禁、IR法成立で2020年代半ば最大3カ所開業へ
https://www.sanspo.com/geino/news/20180721/eco18072105030007-n1.html
カジノ解禁を含む統合型リゾート施設(IR)整備法は20日夜、参院本会議で自民、公明、日本維新の会などの賛成多数により可決、成立した。カジノを刑法の賭博罪の対象から除外し、解禁するのが柱。全国の最大3カ所で整備され、2020年代半ばにも第1弾が開業する見通しだ。
今頃開業の目途が立ってるはずだったらしいわけですよ。
だがしかし、全然そんなことにはなってない。
しかも、今年になって、コロナのせいで、人が動かなくなった。外国人旅行者なんか99%減った。
9月の外国人旅行者 6か月ぶり1万人超も 去年比99%超の大幅減
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201021/k10012674081000.html
日本政府観光局のまとめによりますと、先月、日本を訪れた外国人旅行者は、推計で1万3700人で、6か月ぶりに1万人を超えましたが、去年の同じ月と比べると99.4%の大幅な減少となりました。
99%を超える減少は、ことし4月以降、6か月連続となります。
いいんだ、日本人がカモなんやから、と言えるかもしれないけど日本人だって動けない。
ホテルと一緒になったカジノ施設が建設されていたら、今頃さらに大赤字、大赤字の大騒ぎだったと考えれば、できてなくてよかったと言うべきなのかもしれない。
そして、今回の「大阪都構想再び」という事態は、折からのコロナ騒ぎもあって、大元の推進勢力から、前回拒否した住民をイエスと言わせなければ、これで本当に大阪は中止だからなと言われて、お尻に火が付いた、みたいなことなのだろうかと思ってみたりする。
できなくなったら、このビジネスプランのために注ぎこんだ役者衆は首だし・・・。
■ 日本じゃできそうにない
今年の5月には、日本のカジノについて興味を示していたといわれるラスベガス・サンズのアデルソン爺さんが、直々に、もう日本じゃできそうにないので、マカオ、チャイナ、シンガポールでやると言っていた。
Las Vegas Sands plans in Japan are ‘unreachable,’ Adelson says
言うまでもなく、このおじいさんは共和党への献金で知られ、殊にトランプを熱烈に支持してお金を入れてる人で超有名。
もちろん、他の企業もあるのでこの会社だけで動向を決めることはできないけど、でも、多分重要な話。
さらに、今年の7月には、日本語でカジノ関連ニュースを流し続けているABGジャパンさんというサイトによれば、アデルソンは日本のカジノ解禁じゃビジネスにならんとも言っていた。
アデルソン氏、日本の「ネガティブな規制」を批判
https://agbrief.jp/headline/44313/
何がネガティブなのかというと、
「外国からプレイヤーが来て、そしその人はカジノで勝つ。日本政府は、事業者が日本政府に支払う税金を源泉徴収することを望んでいる。それでは一人の外国人も呼び込めるわけがない。そして、税金は30%のゲーミング税、30%の法人税があり、そこから更に税金を引き上げないという保証はなかった。そのため、私たちが受け入れられる範囲を超えた否定的な規制が多すぎた。」
https://agbrief.jp/headline/44313/
私は日本の法令の中身を読んでないんだけど、いやしかし、これは、ここら解決までやってくれなければ撤退するぞ、という脅しなのか、それとも5月の決定で撤退したので好きなことを言っているのか。どちらなのか私にはわからない。
だがしかし、これは日本の財務省グッドジョブなのではないのか?!
と思ったりはする。租税は逃しません、少なくとも通常の日本国民と同様の処置を取りますという態度なんでしょう、多分。
そらまぁ、カジノってマネーロンダリングとセットみたいなところは最初っからあるわけだから、設置側からすれば、後ろで丸め込めないような財務省じゃ話にならんということだろうか? いやぁ、面白い。
ついでにいえば、カジノとホテルが一体になっているということは、暴力関係者とか売春組織が伴われる可能性は必然的に高い。
つまりね、一種の租界みたいな場所ですよね。
多くの国で、こういう施設は、国内法の適用外として特区扱いされている。多くの国の国法で賭博は違法だが、(公共のお金を違法性阻却事由みたいなものにして)そこでだけやっていい、という建付けで許可される。
もちろん、多分多くの人にとっては無問題で過ごせるところなのでしょう。だけど、ヤバい人たちがヤバく使うこともできる。そこがお泊りしないゲームセンターとは訳が違うと思う。
■ 世界のカジノ
下のようなデータを見るとますます、こんな業界を日本に持ってくるために国会議員が大挙して賛成していた日本は一体何なのだろうかと思わずにはいられなくなる。
英語版のwikiのカジノの項にあったもの。
出典は、世界最大級の会計屋さんであるプライスウォーターハウスクーパースのこのレポートである模様。
https://www.pwc.com/gx/en/entertainment-media/pdf/pwc-playing-to-win.pdf
収益を大きい方から並べたもの。ただしデータは2011年といささか古い。
順位に変更はあっても、だいたいは今でもあっているんじゃないかと思う。
マカオはとっても大きい。
それはそれとして、この表をぱっと見て何を言いたくなるかというと、
マカオはポルトガルのコロニー時代から、シンガポールは英のコロニー時代からカジノが合法化され、マカオなんてつい20年前までスタンリー・ホーの会社の独占だったわけで、何かとっても外からはわからない世界としか言いようがない。
その他は、NATO臭いというか、ヨーロッパ植民地主義者連合というか、新しいコロニーみたいな感じがしてしまうわけですよ。
管轄者はアングロ、チャイニーズ、ジューイッシュみたいな感じ?
そういえば、そのマカオのカジノ王として名高いスタンリー・ホーさんという人は、オランダ系ユダヤとイングランド、チャイナの血統の人。特殊な一族としかいいようがない人でしょう。
そこから、マカオ政府が2002年にカジノの独占権を解体して、新規参入ができるようになって、そこに、シェルドン・アデルソン率いるラスベガス・サンズなども入って大規模展開した。
■ なぜカジノ?
日本の中の是が非でもカジノ解禁というのは、一体いつから始まった話なの?
何年か前、カジノ議員連盟のトップはあんたになってるんですよと国会で指摘されて、安倍ちゃんが、じゃあ辞めますといってあっさり辞めた事件があったけど、その時麻生さんも止めていた。聞くところによると歴代自民党のトップが兼ねていたから安倍ちゃんもなっていた、というものだったらしい。
その連盟がこれ。
抜き書きできないほど多数の自民党議員が名を連ねる。
中に、国民民主の名前があるけど、要するに、昔の民主党の一部は確実にカジノ推進派でしたという話。東日本大震災の後に、津波かぶったところの土地を安く買ってカジノを、という話もあった。異常だと思う。
一体全体どうしてこんなことになったのか。謎は深まるばかりだ。
だがしかし、それはそれとして、都市の自治権が剥奪されると聞いて、驚いて抗議にまわらない日本人、殊に大阪人ってヘンだ。私たちの社会教育からは何か重要なことが欠けていたんだなと思う今日この頃。
■ オマケ
で、どうしてなのか。思いつくままにピックアップすると(順まったく不同)
- 中国(マカオ)とアメリカを離したいので日本でカジノ利権を作ってやりたいと誰かが思いついた
- 中国のマカオ統治によっては西側勢が不利なので、代替地が欲しかった
- 国内で、パチンコ利権の代わりにカジノ利権をゲットしようとした人たちがいた
- アングロのコロニーになるには、アングラマネー取引が必要だった
- 射幸性を煽って、投機的な人間を育てるプログラム(国内秩序破壊の一環)
- 単に儲かるらしいと聞いたのでやってみた
ぐらいだろうか。
5なんかはそんな馬鹿なと思うかもしれないけど、日本は資本主義的に成功した国だとはいえ、人の方はつい最近までマネー至上主義者が多数派を形成できていない国だったと思う。でも、グローバリスト世界ではそれは不都合なので、まだまだ壊しがいがある、という判断がどこかにあっても不思議ではない。
■ オマケ2
堺屋太一ファクターというのも考えないとだわ。
この人が、なんだか適当に世間受けするトークを作ったことによって、維新が起こる、みたいなインチキ話に火がついた。あれは一体何だったのだろう?
サッチャーあたりの、強いリーダー率いる国家が人を直接支配するのがクールみたいな愚かしいビジョンが念頭にあって橋下擁立だったんだとは思う。
サッチャーは、社会などというものはない、there's no such thing as a societyで有名な人なので、いわゆる左派系統=socialを追及する人たちを憎むにはもってこい。中曽根もこの路線。
カジノ予定地の南港エリアは警察にとって非常に
警護しやすい特殊な環境。
南港に出入りする2,3の橋を制御すればすぐに不審者は取り締まれる。
カジノの管理は恐らく大阪府警の退職者がその要職を占めるだろう。
パチンコは日本の文化。
大阪のオッチャン、オバチャンの娯楽だが何やらかしましい連中が出てきては何やら叫んでいるが
大阪にカジノが登場すればその未熟さを理解するだろう。
文化にはでたらめさが必要です。
昨晩放映最終回だった第一チャンネルの人気ドラマ「チェルカソフ少佐の事件簿」が丁度、70年代のモスクワの地下カジノ(地下ではなく場末のビアホールの勝手口が入口)にまつわる話でした。
http://seasonvar.ru/serial-27541-Katran.html
モスクワ市警の刑事チェルカソフが超人的な捜査能力を発揮して、連続殺人事件を解決するという他愛もない内容なのですが、ソ連時代のモスクワの雰囲気がよく伝わってくるので毎回見ています。今回は、地下カジノの親玉が将軍で、普通の人の給料が100ルーブリに満たない時代に、1回の勝負で数十万ルーブリを動かし、その暴利で宮殿に住み贅沢の限りを尽くす生活をしている。金の受け渡しのもつれから、配下の殺人鬼が次々に事件を起こし、チェルカソフが殺人犯を、KGBが将軍を追い詰めるという内容です。(前回まではKGBは市警の捜査の妨害ばかりするように描かれていましたが今回は善玉役でした)このドラマのようなカジノ(オーナーが軍のトップで、客は「上流階級」、ヤクザ、外人)がブレジネフ期のモスクワにあったとしても驚きではないのですが、実際はどうだったのでしょうか。
PS:ロシアの刑事ドラマ
https://www.youtube.com/playlist?list=PL7vYqdYRCI7HzaPdtACydIbIe1fKfYXM6
一連のシリーズの中では最良の出来映えです。かなり創作が入っていますが、実話に基づく話です。おすすめしたいと思います。