墨映画(BOKUEIGA)

映画を墨彩画とコメントで紹介する。
映画好き・絵好き・書道好きなどなど。好きなこと寄せ集めのブログ。

終着駅-トルストイ最後の旅-

2010-11-03 12:27:52 | 映画(さ行)
「トルストイ主義と現実」


【STORY】(goo映画様より引用させていただきました。)
トルストイ主義者の青年・ワレンチンはトルストイの秘書に採用され、トルストイと同居する事となる。
トルストイの妻・ソフィヤと対立するトルストイの一番弟子・チェルトコフから、ソフィヤの動向を報告するよう命じられていたワレンチンだが、ソフィヤにも気に入られ、トルストイ夫妻が深く愛し合っている事を知る。
しかし、ソフィヤとチェルトコフの板挟みになり苦悩するトルストイは、娘・サーシャを連れて家出するのだった…。

「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」で知られるロシアの文豪・トルストイの晩年を描いた本作。
妻を深く愛しつつも、農奴解放運動などのため、自分の著作権を放棄し、農民たちの生活を助けようとしたトルストイと、純粋にトルストイのことを愛し、自らの生活と子どもたちの生活・財産を守ろうとする妻・ソフィヤの葛藤を、トルストイ主義者の純粋な青年・ワレンチンの目から描く。
映画はワレンチンの初々しく情熱的な初恋と、トルストイ夫妻の50年以上にわたって積み重ねられてきた夫婦愛を対比させ、男女の愛の複雑さと素晴らしさをしっかりと描いている。
トルストイ夫妻を演じたクリストファー・プラマーとヘレン・ミレンの名演も素晴らしい。


「goo 映画」こちらから

文豪トルストイの晩年を描く本作品。
彼の苦悩と妻ソフィアの関係が、しっかりと描かれた秀作。

愛する人と共に創りあげた現在の地位・名誉。
その対価を享受して何が悪いのかと言う妻。
その財すべておも、国の共産物としたい夫トルストイの考え。

しかし、お互いのことは理解できるがゆえに、現実と理想のハザマに悩む様子。
クリストファー・プラマーとヘレン・ミレンは共にすばらしい演技をしている。
少し、遠くの映画館まで足を運んでの鑑賞だったのだが、その価値は十分にあった。

とにもかくにも、トルストイの最期の映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。


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スープ・オペラ

2010-11-03 12:25:05 | 映画(さ行)
「スープとエジプトのバス」


【STORY】(goo映画様より引用させていただきました。)
独身で35歳のルイは、女手一つで育ててくれた叔母のトバちゃんと二人暮らし。
自分を産んですぐ亡くなった母の代わりに、女手ひとつで育ててくれたのだった。
そんなトバちゃんが、還暦を前に突然恋に落ち、結婚するために家を出てしまう。
一人ぼっちになったルイの家に、ある日、怪しげな初老の画家トニー、笑顔を絶やさない雑誌編集者見習い、康介がやってきて、そのまま三人の共同生活が始まるのだが…。

阿川佐和子の同名小説をベースに、一人暮らしをすることになった35歳の女性が、ひょんなことから二人の男と共同生活を始めることになるファンタジックな人間ドラマ。『犯人に告ぐ』や『イキガミ』など、骨太なドラマが特長の瀧本智行監督が本作では一転、温かくウイットに富んだ愛の物語を手掛けた。近年は『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』や『ノン子36歳(家事手伝い)』など難しい役どころに挑戦している坂井真紀が、たよりなげに見えながらも芯の強さを持つ女性を好演して新境地を見せている。劇中に登場する色とりどりの料理はもちろん、西島隆弘、藤竜也、加賀まりこらが演じるキャラクターも魅力的だ。


「goo 映画」こちらから

「このスープがあれば、生きてゆける。」
そんな、スープが繋ぐ素適な人間関係。
今の世の中、こんな人とのかかわりのもち方は、とうていできないよね。
殺伐とした世の中が、悲しく感じる。

そして、「エジプトのバス」
エジプトのバスは止まらない。しかし、乗りたい人がいるとスピードを緩めてくれる。
それに飛び乗るかどうかは、自分次第。
自分は乗らないのだけれど、周りの人をさりげなくバスに乗せてくれるルイの不思議な魅力。

そんなのが、たっぷり煮込まれた作品になっていると感じる。

とにもかくにも、一歩踏み出す勇気をくれる映画に出会ってしまった。
だから映画好きはやめられない。


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