黒い瞳のジプシー生活

生来のさすらい者と思われた私もまさかの定住。。。

情けは人のためならず

2012-04-15 23:52:06 | 思索系
大河ドラマ「平清盛」。このたびの話題は、
平家盛の死によって平家一門に内部分裂の
危機がおとずれた――とでも言うべきか。
時代は、近衛天皇が元服した時点で1150年。
清盛は33歳、源義朝は28歳、そしてこのたび
久々に登場した雅仁親王は24歳である。


ところで、これは前々回にも話題にした
ことだったが、最近このドラマは低視聴率に
あえいでいるらしく、そのための対策案として
小雪さん(清盛役の松山ケンイチさんの奥方)の
出演が浮上していたり、よっぽど視聴率が
低くなった場合はオリンピック期間中に
放送を中止するといった案まで出てきてる
らしい(こちらのニュースによる)。
くどいようだが、私自身の思いを前々回より
多く書かせてもらうと、少なくとも夫婦共演は
特に必要ないと感じるし、もし万が一
放送が中断するようなことでもあったら・・・、
少々大げさな例えになってしまうが、
日本の国土から富士山が消えたかのような
衝撃を受けるだろう。

たしかに高視聴率であればそれにこしたことは
ないだろうが、そもそも今時なぜそうまでして
高視聴率に固執せねばならないのだろう。
むしろ視聴率などハナから問題にせず、
「たとえ万人ウケなどしなくても、一部の
歴史好きに息長く愛されればそれで良いんだ」
ということにはならないのであろうか??
たとえホームラン王になどなれなくても、
イチロー選手のような底堅い活躍ができれば
それで充分――といった発想の転換は、
できないものであろうか。

上でとりあげたニュースのページにも
近いような意見がよせられていたが、
やはりテレビうけするのは戦国時代か幕末
だろうと思う。だがそれらの時代ばかり
題材になっても私は飽きてしまうし、
それらの時代に生きた人物ではないが
とりあげてほしい人たちもたくさんいる
(足利義満、保科正之、田沼意次など)。
もしいつか彼らを取りあげてもらえる
機会があれば、その時こそいっそ、視聴率など
あまり問題にしてほしくないものである。


閑話休題。前回から、常盤御前が登場している。
ウィキペディアで調べてみると、
彼女は1138年に生まれたということなので
このたびの1150年の時点でまだ13歳という
ことになる。一方、彼女を演じている
武井咲さんは今年で19歳。単純に計算すると
両者の年齢差はわずか6歳ということに
なるのだが・・・やはり、13歳には見えない。

一方、このたびの摂関家では、藤原頼長が
自分の養女・多子を近衛天皇の皇后にすえたが、
頼長の兄・忠通はこれに対抗するように
自分の養女・呈子を同じ天皇の中宮にすえた。
ドラマでは彼らの父・忠実と頼長が忠通に対して
抗議する場面が見られたが、彼らの対立の
原因こそ、以前言及した忠通の実子誕生と、
それまで忠通の養子となっていた頼長の
後継の立場の喪失であった。


前回のドラマのレビューで指摘した「清盛の
幸福」も、考えてみれば忠盛が自分の夢を
清盛に託してるからこそ、存在しうるものである
(というのもドラマの清盛はもともと
平家一門にとってよそ者であるから――)。
忠盛自身の夢がおおもとの原因となって
家盛が死んだということであれば、それは
忠盛にとっても辛いものだっただろうが、
だからといって、もし、忠盛が高野山の
普請をやらなくなれば、忠盛の夢は
宙ぶらりんになるところだったし、
忠盛の夢が宙ぶらりんになれば、本来よそ者の
清盛の立場も宙ぶらりんになるか、あるいは
もっと悪いものになっていたところだろう。
つまりドラマの清盛としては、自分の立場を
守るためにも、高野山の普請を止めようとする
忠盛を阻止せねばならなかった。
ドラマの清盛がそこまで計算していたようにも
見えないが、少なくともドラマの清盛は
忠盛の投げ出しを阻止することによって
結果的に自分の立場を守ることに成功したと
言えそうだ。


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