10月20日 パリをモンパルナス駅からTGV(日本の新幹線タイプ)で、フランス南西のバスク地方へ向かいました
フランスの新幹線を利用して、4時間ほど乗車し、サン・ジャン・ド・リュズというスペインとの国境近くの町で降りて、山間部のアイノア(Ainhoa)という小さな村へ昼には到着するスケジュールでした
その時の、日本では経験できないような事を体験した記録です
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
家を出たのは6時、雨の朝
Uberを呼んで、TGVのスタート駅のモンパルナスへ
日本のように駅に改札はなく、自分の乗る電車のプラットホームが掲示板に表示されると、ホームへ移動
ホームの入り口にゲートがあり、バーコードチケットをかざして一人一人入っていきます
ほとんどの人がスマホのeチケットです
だからゲート前は大きなスーツケースを抱えた人で物凄い混雑ぶりでした
ちなみに、私には小さなバック(ドリンクと食料入り)しか持たされず、二つのバッグバックを前後に背負うプーさん
前から刺されても後ろから刺されても、自分の体を守れるから(笑)
足元とスリにだけ注意してよ、バァバ🤣
と、時々とても年寄り扱いするプーさん
電車は横三列シートで、二席と一席のクラス1タイプで、日本で言えばグリーン車
満席で、二列シートは取れなかったと、前後の列に分かれて座りました
外は真っ暗な中を電車は発車
オレンジジュースとデニッシュタイプのパンと珈琲で朝食
その後はiPadを取り出して、YouTubeでえみチャンネルを見て、と指示するプーさん
パリを出て2時間でボルドーに到着しました
ここまでは至って順調で、電車の速度はマックス320km/h ほどでした
揺れもないし、車内は広々としているし、大声で喋る人もいないし、快適
シートもゆったりで、デスクトップPCやドリンクなども余裕で置けるテーブル
ところがボルドーを出てしばらくすると、スピードが落ち出して、徐行運転が続き、殺風景な小さな村の駅で停車しました
しばらくしてやっと車内アナウンス
電気系統のトラブルでドアが開かず、1時間ほど遅れるらしい
1時間遅れるとアナウンスがあっても、誰ひとり騒ぐ人もなし
プーさんによると、こんなことが頻繁にあるから、みんな慣れているからだと
その1時間過ぎても発車する様子はなく、次のアナウンスが
エンジニアが到着したから、ドアが開きました、これから対処しまーす! でも1時間さらに遅れまーすって
人々が電車から降り出しました
私もつられて降りると、ほとんどの人は喫煙が目的か、犬連れの乗客のみなのです
新鮮な空気を吸いたくて外に出たのに、車内の方が新鮮だったという皮肉
しかたなく車内に戻り、プーさんに外の様子などを話していたら、新しいアナウンスが入りました
予定よりさらに2時間遅れますって
そこで2人で電車を降りて長いホームを散歩
スーツケースを持って降りて行く乗客もいるし、雨は降るし、先の読めない状況です
車内に戻り、バー(食堂車)へ飲み物を買いに移動すると、ここは長い行列
車内に戻り、バー(食堂車)へ飲み物を買いに移動すると、ここは長い行列
運行予定も赤字で変更になっています
することもないので、気長に並んで列が進み、バーのカウンターにどうにか到着した頃、照明が消えました
数人前の乗客までは、バーガーをレンチンしてサービスされていたのに、前の乗客からは冷蔵庫から出したバーガーを、ほら停電だから温められないのよ‼️って平然と言って手渡していました
プーさんに言わせると、フランスあるあるの風景
私たちはビールとポテトチップスを買い、自分たちのシートに戻りました
満席だったのに、乗客は半分残っているだけ
他の人は代替手段に変更した?
4時間近く経過した頃、再度車内アナウンスが入り、電車はボルドーに引き返すって言うのです
予定では午前中にサンジャンドリュズという町で降りて、それからバスクの小さな村までバスで行く事になっていたのに
ホテルでは7時半にミシェランで星を獲得したレストランのディナーが予約してあるという、プーさん
電車のトラブルで、先の行動が全く読めなくなってしまいました
プーさんは慣れたものです
TGVのチケットは色んな料金設定がしてあるそうですが、彼女は必ず保険を付けているのだと
直前のキャンセル料がかからなかったり、遅延した時のケアがあると言って、チェックしていました
2時間遅れると、一人25€のキャッシュバックがあるとわかりました
プーさんは、今夜のレストランのワイン🍷のグレードこの金で上げられるぅ😄って、遅延を楽しむモードに
さらにバスがない場合は、最大160ユーロのタクシー代が支給
まぁあれこれ悩んでも自分たちではどうしようもないから、楽しまなきゃねえ〜って、ブーさんと私
それでもボルドーから別の電車の座席をオンラインで購入
ボルドーに戻ったのは、3時前
乗客が一斉に電車を降りて移動し始めました
みんなの流れにのって、違うプラットホームへ
まもなくパリからTGVが到着
ホームは乗客で溢れていて、駅員に色々聞いています
もちろん、プーさんもどうすればいいのか尋ねると
どこでもいいから乗って!
それ以外の事は聞かされていないし、知らない❗️
ここでもフランス人らしき職業意識
遅延して引き返して、乗客に情報ないのは、僕のせいじゃないから
そんな事を言っているらしい
そこで降りた電車と同じクラスに乗り込み、まずは席取り
半分以上の席が埋まってしまいましたが、購入しているチケットのクラスでないとわかって移動する客も
今回は二列シートに座り、通路側は女子学生
前のシートは、スペイン人夫婦と大きな息子とわかりました
この家族がまぁ賑やかな事
乗客が落ち着いた頃、車内アナウンスが初めて英仏の2カ国語で入りました
皆さんお待たせしました
これから希望者にドリンクとミールを配ります
って聞くと、車内は歓声が😄
そしてスタッフが大きな段ボールを運び込んで、ランチボックスを配り始めたのです
開けるまでは、みんなワクワク
ところが、箱を開けて、あちこちでブーイング
私もこれは災害非常食じゃない😰って、発してしまいました
左下の食品はクスクスのサラダの缶詰
他はリンゴジュース、クッキー、スティクキャンデー、シリアルバー、ミネラルウォーター
悪い物は入ってないけど、保存のきく食品ばかり
TGVがいかにこんなランチボックスを配ることが多いか、十分察せます
それでも、朝食食べて6時間以上経過していたので、ひとつの缶詰開けて、2人でつついて
隣の女子学生もあっという間に完食、スペイン人家族の息子も完食して親のシリアルバーまでもらっていました
そこへ乗務員がやってきました
前列のスペイン人夫婦が乗務員捕まえて、色々文句言い始めました
何でこんなに遅れたのに、あなた方は情報くれないのよ
いえ、私たちはいつも正確な情報を流していましたよ
とんでもない🤬
1時間遅れますってアナウンスがあって、待たして、また1時間経ったら、また1時間遅れます
次のアナウンスは、4時間遅れます
そして、ボルドーに引き返します
って、たったこれだけじゃない
と、言っていると教えてくれるプーさん
それに対して、乗務員が、色々応えるものの納得しないのです
スペイン夫婦はまたまた指を折りながら、繰り返して、なぜこれだけをこんなに時間かけてアナウンスするんだと噛みついていて
さらに、昼前に到着の予定がこんなに遅い時間にボルドーまで引き返して、その間食べ物も水もサービスしない😡
やっと、ミール配るっていうから、期待したら、何、これ‼️
こんなのミールって言わないでしょ
もっと料理したものをミールって言うのよ
ミール出すのが普通じゃない
この鉄道会社の社長は何考えてるの
と、騒ぎ立てていて、私たちは必死に笑いをこらえていました
ここまで言う乗客もなかなかの強者ですが、乗務員はもっと上手
そうですよね、食材があって、私が料理人なら、あなたの要求に応えてあげられるけど、料理する所も食材もないでしょ‼️
そして私は料理人じゃないのに、私にどうしろって⁉️
私は何も出来ない
クレームはカスタマーサービスへ言ってちょうだい
そう言って、やっとこのスペイン人夫婦のところから離れていきました
それでも諦められないスペイン人夫婦は、まるで鶏小屋の鶏みたいに騒ぎ続けています
先ほどは女性乗務員でしたが、次に男性乗務員がやってきて、対応始めました
もう同じをことの繰り返しとさらなるヒートアップだったそうです
走り始めていた電車は順調に速度を上げていましたが、前の電車が停車した駅近くからまたまた減速
そして同じ駅に停車
何やってるの!😡さっきと同じをことしてるじゃないって騒ぐスペイン人夫婦
そしてしばらくすると、またまたバックする電車に、車内は悲鳴に近い声があちこちから上がります
でもバックはまもなく止まり、ノロノロながらも目的地に向かって走り始めました
私は長時間座りっぱなしで、腰が痛くなるし、先の読めない運行に、流石に対策が必要と考えて、バーへ食糧調達に行くことに
バーのある車両は、空いていましたが、食べ物は何にもなし
スタッフがミールボックスに入っていた同じ水を渡すだけ
プーさんは、こんな0.2ユーロの最低ランクのミネラルウォーターなんていらないわ、って受け取り拒否
私は、この旅何が起きるかわからないわよーと言いながら、2本もらって自分たちの車両へ
相変わらずのノロノロ運転の電車に疲れてうとうとしていました
途中、バスクの一番美しい街に入ったから起きて‼️って言われても、うとうと
4時間ほど経過した頃、やっと目覚めて、プーさんとおしゃべり
前列のスペイン人夫婦は、その後も何かあるたびに、大きなリアクションと声高な会話が繰り返され、殆どがスペイン語なのに、内容がわかって、面白くて、退屈もせず、スマホに会話をメモっていたんだと
私って、もしかしたらマルチリンガルになったかもって😁、プーさん
時間は7時過ぎ
レストランの予約は刻々と迫ってくるけど、電車は着かず
7時半に小さなサン・ジャン・ド・リュズ庭やっと到着
雨が降り、強い風が吹いています
ホテルに電話をして、予約時間には電車の遅れで間に合わなかった事を伝えると、9時がラストオーダーだから、気にしないで、と言われたらしい
バスなどとっくになく、タクシー乗り場に移動
15分待っても一台も駅前の道を通りません
海岸が近いらしく、とんでもない強風に吹き飛ばされそうです
U bar にしようとしても、近辺に一台も走っておらず
もう一度、ホテルに電話して、9時に間に合わないかもしれないから、そちらでタクシーを手配して欲しいと頼みました
しばらくして折り返しの電話があり、ホテルでも手配できない時言うのです
寒いし雨は降るし、駅舎に戻ったり、外に出るを繰り返し、すでに1時間待ち
プーさんは、
ねぇバァバ、もうパリ初の飛行機乗ったら東京に着いてる時間になってるよ😰って、苦笑い
やっとUバーが見つかり、交渉成立
15分待って、迎えにきてくれました
おしゃべりな運転手は明日以降のセールスもしながら、結構荒い運転
9時15分にはホテルにどうにか辿り着けました
長かったなぁ❗️
パリを出て16時間経過していました
夜の食事にありつけないかもなんて心配するので、
私の過去の旅の色々な経験談を話したり、立てたスケジュール通りに物事が進まないとイライラするトトさんいなくて良かったって話したり
15時間の電車の旅は、プーさんと飲んで食べて、おしゃべりして、えみちゃんねる見せられて、嵐のような天気の中を走る電車の車窓を楽しんだり
ますます私の人生の経験値を上げるパリからバスクの小さな村までの旅でした