これってやはり化石? 私のライフスタイル!

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和裁のお稽古 事始め … 袷の仕立てに挑戦 その5 表の素縫いはあっという間なのに

2009-12-17 | 着物
背縫いと繰り越し揚げが終わった後は、脇縫いですが、ここではじめて後ろ幅を印していきます。

繰り越し揚げから下の部分の後ろ身頃に 背中心から 物差しで後ろ幅を印します。

間隔は 1尺おきぐらいです。

浴衣の時は そのヘラ付けした印を反対側(表地側から)折山をつけていきました。

最初の折山を掛け針で止めて、次のヘラの折山を左手で握り(持つというより、しっかり握るという感じでした)

左手と掛け針の間の布を右手で挟んで左右にしごくようにして布を折るのです。

その折山が 縫う位置です。

谷を手前にして縫うから、表から折をつけますよ」が ポイントでした。

ところが 紬地での仕立てでは この折山がよく見えません。 色がダークな灰色だということも あったのでしょう。

そこで、先生のまたも出番です。

「どれ かしてごらん」と言って 私の布を取ると、裏側を上に出して、チョークを右手に持ち 布の手前を滑らせ始めました。

『 えーっ! チョークなんか絹の反物につけて やばいじゃない』とびっくりしながら、

「チョークを使ってもいいのですか?」と 穏やかに尋ねます。 

すると 

「大丈夫ですよ。 チョークは自然に消えますから」 との お答えです。

私は その昔 母の着物の仕立ては傍らで見ていましがた、電気コテの先でヘラ付けするだけでした。

切り躾も(することもあったでしょうが)母がするのを見たことがなかったので、

和裁の印は ヘラだけでするものだと思っていました。


そして チョークで布の折山をなぞったものを私に渡して、

「このチョークの一番上の位置を縫っていきなさい」 と言われました。

手前に後ろ身頃を その向こうに前身頃を置き、耳をそろえて 待ち針を打ちます。


私は それまでは、待ち針打ちは 裁ち台に布を平らにおいてしていました。

ところが それは 素人の仕立て方らしく、掛け針で片方をとめて、左手でもう片方の端っこを持ち、

二枚の布(後ろ身頃・前身頃)の布の張り具合を同じにして二等分していく のが 

先生から習った待ち針の打ち方でした。

この待ち針の打ち方だと 確かに二枚の布のつり合いは取れるのですが、

宙に浮いた状態の二枚の布に 縫う方向に直角に待ち針を打つことが出来ないのです。

この待ち針打ちが うまくできないのが、まっすぐに縫えない一つの原因だと解るのは 

かなりお稽古も進んでからのことです。


何回も何回も縫い直しをしました。

まさに 体で覚えたというところです。


また、1本縫うと、平ごてかけて 5分のキセで折りをつけますが これもこてで。

(こてといっても ミニアイロンでしたが)

そして 開いてもう一度 片方の折山を消すためにこてかけ。

(都合3回かけるのも サンカイ サンカイと口で唱えながらの作業でした)


両脇を縫って、縫い代を始末し、衽付けです。


5本の縦のラインを縫い終わると、先生は、ミニアイロンを使って、耳を伸ばしはじめました。

「アイロンを耳に当たるように置いて、軽く押さえ、空いている左手で、耳を手前上に引き上げるようにして 耳を伸ばしなさい」 

と 背縫いでお手本を示した後、私の番です。

その耳を伸ばすということ、見ているだけでは、どこに力が入っているのか、またその力加減がわかりません。

「だめだめ、そんなに力を入れて布を引っ張っちゃいけないよ」 何度 言われたことか。


両脇、衽で4本ですが、耳は 8本です。

長ーい距離の耳のツレを取る作業は 最初の私には 重労働でした。

「ここで、しっかり 耳を伸ばしておかないと、合せた時にツレて 仕上げが綺麗に収まりません」というのが、

この作業の理由。


私は それまで、身頃の袖付けから身八つ下までぐらいしか、耳の癖とりをしたことがなかったので、これも初めての経験でした。


耳を伸ばした後は、「裾の縫い代を躾で止めなさい。荒い並縫いでいいですよ」と の指示です。

先を急ぎたい私には こんなことが 大変面倒に思えました。

そこで またも 小生意気な発言です。

「先生も ご自分で仕立てられるときは、こうして裾の縫い代を身頃に縫いとめるんですか?」

すると 先生

「はい、私も しますよ。そんなに面倒なことではないでしょう」とのお言葉。

慣れれば 大変ではないらしい


この日 新しく習ったことは



★ ヘラの印が解りづらい時は チョークを使う

(チョークを使うのは紬などの場合で、縮緬などの柔らか物は、

左手で布を引っ張ると一本の縫う線が沈んで見えるから、そこを縫うのです)とのことでしたが。

★ 縫った後は、こてをあてるが、ほとんどの場合は、3回

★ 耳はよく伸ばしておく

★ 縫い代は 縫いずれが生じないように 躾でとめる


どれか一つでも気を抜く(手を抜く)と 綺麗に仕上がらないし、後々 狂いが生じます というのが、先生のお言葉でした。
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