大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

薬害肝炎訴訟弁護団―正体見たり

2007年12月27日 20時40分40秒 | Weblog
 薬害肝炎訴訟は,与党の政治的決断で一律救済に近い議員立法により解決に近づくようです。しかし,記者会見に現れる女性原告達と,この訴訟を支える薬害肝炎訴訟全国弁護団のホームページから,一種の違和感,背後に特定イデオロギー集団の存在を嗅ぎとり,前のブログに書きました。
 原告団は福田首相との会見,政府の謝罪を要求しておりましたが,これも昨日実現して原告団は所期の目的の多くを達成したはずです。
 ところが,こともあろうに原告団は,今日日本共産党の志位和夫委員長に面会したのです。自民党,公明党,民主党の幹部に会って今後の一層の支援を求めるのならばともかく,なぜたかだか3%前後の支持率しかない消えかかった共産党の委員長と会うのでしょう。
 これこそ,薬害肝炎訴訟が共産党系の弁護団による,きわめて政治的な訴訟であることを示す証左にほかなりません。原告団は,共産党の旗幟鮮明な「薬害肝炎訴訟全国弁護団」の支援に感謝するため,なにはさておき共産党を訪れたのでしょう。もう少し,このつながりを隠しておけばよかったのに。拙速でした。
 福田首相が,支持率低下に拘って人気取りのために安易に妥協すれば,将来に禍根を残すことになるのではないかと懸念されます。

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薬害肝炎訴訟の政治性

2007年12月25日 19時51分43秒 | Weblog
 フィブリノーゲンなどの血液製剤経由でC型肝炎に罹患された被害者の方々にはまことにお気の毒ではありますが,NHKなどのテレビで見る限りでは,原告団の記者会見に何となく違和感をおぼえておりました。この種の訴訟に関しては,一律救済というのは無制限に近い補償を許す可能性があるわけですから,国税をもってそれを行うのは一般市民に許容しがたい負担を伴うことに危惧を抱かざるを得ない,と考え「なにか変だ―薬害C型肝炎訴訟原告団」と書きました。私が記者会見でおぼえた違和感とは,記者会見に現れたのがほとんどすべて女性であったこと,首相,政府の責任追及と謝罪に固執したことです。さらに大阪高裁の和解案に対しては,1人当たりの補償額を2000万円から1500万円に減額してもいいから1000名の被害者(目下の原告団は約200名)を一律救済せよ,と要求していました。
 女性だけを原告団の前面に立たせたのは,出産時の大量出血に起因する輸血によるC型肝炎感染が多いから,と理解できないことはないのですが,男性だって被害者のはずです。現に私の親友の一人の元国立大教授は,昭和30年代初期の大学卒業直前に,かつての国民病でもあった肺結核が悪化して半肺切除の大手術を経験し,その時の輸血が元で約10年前にC型肝炎を発症して現在もインターフェロン療法を受けています。副作用が激しいため,その都度短期入院を繰り返しています。ただし,訴訟に加わっているわけではありません。
 ですから,なぜ女性被害者を前面に立てて,記者会見の最初から涙,途中から涙を見せるのでしょうか。ふと気がついて「薬害肝炎訴訟全国弁護団」なるホームページを開いてみました。
 そのホームページの構成の立派なこと,まさにプロのホームページ作者によるものであることは歴然です。
 私は,そこに特定のイデオロギーをもつ弁護団の存在の匂いをかいだのです。たとえば共産党系の青年法律家協会(ただし,現在はかなり衰退したようです)もしくは自由法曹団(所属弁護士約1700名)です。このホームページに見る弁護団の主張は,1. 薬害肝炎問題の早期全面解決 2. ウイルス性肝炎(C型肝炎・B型肝炎)患者への治療費支援(特にインターフェロン治療費)と書いてあります。つまり,弁護団の目的は薬害肝炎そのものの指弾,政府の責任追及に加え,薬害に限定されないすべてのウイルス性肝炎患者に対する治療費支援にあり,すぐれて政治的なものです。しかも,私の試算に誤りがなければ,この和解案で弁護団が受け取る合法的弁護報酬額は,原告1人当たり327万円,総額で32億7千万円になります。プロのホームページ作者を雇うことなど何の負担にもならない額です。この弁護団が原告に同情して手弁当で引き受けたとは到底思えません。なにしろ全国規模なのですから。
 はたして記者会見で涙する女性達は心底政府の責任追及などに固執しているのでしょうか。それに,薬害を引き起こしたのは数十年前の政府であり役人であったのです。彼女らはインターフェロン療法の費用が必要なのです。厚生労働省の役人の怠慢が薬害を拡大させたことは確かかも知れませんが,自分が受け取るべき補償額を減額されてまで,よく分からない一律救済を主張するでしょうか。弁護団が主張する1000名というのもなにを根拠に線引きするのかはっきりしません。

 福田首相は,自民党支持率の低下を懸念して議員立法で一律救済のための法律を提出し,原告団代表と会見もするようですが,将来に禍根を残す前例とならないでしょうか。残念ながら今日の医学薬学分野において開発された医薬品に副作用はつきものなのです。しかも今回の訴訟の弁護団の究極の目的は薬害に限らない全てのB型C型肝炎患者の救済なのです。無限の救済という泥沼に陥らぬよう,あえて疑問を呈するものです。






なにか変だ―薬害C型肝炎訴訟原告団

2007年12月19日 20時12分32秒 | Weblog
 出産時の大量の血液製剤フィブリノーゲン投与などが原因でC型肝炎を発症された方には大変お気の毒なこととは思いますが,このところの薬害C型肝炎訴訟には,首を傾げざるを得ないところがあり,あえて書きます。
 薬害C型肝炎訴訟原告団(以下,原告団)は,大阪高裁において和解勧告が示されたのに対して無条件の一律救済を主張して勧告を拒否していますが,政府は一定の線引きを主張して現在のところ妥結していません。政府の主張は,無制限の救済はできない,という常識的にはもっともなものと思われます。
 にもかかわらず,原告団が一律救済に固執して,福田首相の政治決断を迫るのはなぜでしょう。失礼ながら,原告団のバックになにか特定団体が存在するのではありませんか。本日夕刻までの情報では,大阪高裁が原告団に1人当たり2000万円の支払を勧告しているのに対し,原告団は1人当たり1500万円でもいいから一律救済せよ,と主張を一部トーンダウンしています。これも理解できません。
 原告団は,未提訴の人たちが800人ぐらいに止まる,としていますが,線引きはどうするつもりなのでしょうか。
 私は,薬剤の副作用に関連した薬害訴訟(風邪薬に配合されたPPAなど)について,アメリカの状況を数年間調査した経験がありますが,その訴訟のすさまじさには驚きました。インターネット上にはこの訴訟専用の弁護士のホームページが多数設けられ,所定のフォームに服用薬剤,服用時期,期間,副作用発症状況などを記入しさえすれば,あとは弁護士が立件する,という自動化まで行われていました。注目すべきは,訴訟の多くがヒスパニックなどに偏っていたことで,訴訟内容の不自然さも感じられ,明らかに金目当ての訴訟であることが推察されました。
 日本の薬害肝炎訴訟が金目当てだとは思いません。そんな邪推はしませんが,線引きできない無制限一律救済に固執するのはなぜでしょうか。





豚肉をいくら食べてもヒトはブタにならない―いい加減にしたら,遺伝子組み換え食品の誤解

2007年12月18日 19時38分24秒 | Weblog
 動植物のDNAの働きの詳細が明らかになるに従い,遺伝子を人為的に組み換えて動植物に新しい性質を与えようとする試みが数多くなされるようになりました。動植物の性質を改変する遺伝子の変化は,遺伝子の理解が無かったり貧しかったりした時代には,自然発生的突然変異,世代間品種改良などで実現していたわけですが,DNAの構造の詳細が明らかになった今日では,顕微鏡下の作業でごく短時間に達成されます。それが遺伝子組み換え技術です。
 遺伝子組み換え技術の実用化の初期に,BTトウモロコシが誕生しました。これは,バチラス・チューリンゲンシス(BT菌)という土壌細菌が出す毒素が特定の昆虫,とくにガ,チョウ,蚊,カブトムシなどのある種だけを殺す,という知見から,この毒素を出す遺伝子部分を,トウモロコシの遺伝子に組み込んだものです。もともとBT菌は,生物性殺虫剤として広く利用されてきたものですから,その殺虫能力,選択性もよく理解されていました。この遺伝子を組み込んだBTトウモロコシ(通称BTコーン)の葉や茎を昆虫が食べると昆虫が死ぬことが確認されました。
 この研究が画期的なことは,トウモロコシを植えても害虫に対する殺虫剤を散布する必要が無くなるか,回数を減らすことが可能になったことです。
 ところが,意外なところから反対の声が上がりました。アメリカのコーネル大学の研究者が,BTコーンの花粉をオオカバマダラというアメリカの典型的渡り蝶の幼虫に振りかけたら死んでしまった,と報告したのです(発表はNature誌だったと記憶しています)。トウモロコシは風媒花で花粉が広く飛び散ります。この報告はBTコーン実用化の出鼻をくじきました。当時,必要があって私もこの研究の報告者に連絡を試みましたが,すでに問い合わせが殺到しており,とうとう連絡が取れませんでした。
 この報告だけが原因ではありませんでしたが,その後日本では遺伝子組み換え技術に対する感情的とも云える拒絶反応が起き,今日にいたるまで遺伝子組み換え食品に対するアレルギーが持続しているといっていいでしょう。
 しかし,このBTコーンに関する報告には異論が唱えられるようになり,研究者が花粉をオオカバマダラの幼虫に実験室内で無理矢理大量食べさせたことも明らかになり,研究者も実験室内の結果が野外での結果を予測させるものではないと注釈をつけて,その後この騒ぎは沈静化しました。
 その後欧米,とくにアメリカでは大規模農業の必要性からつぎつぎと遺伝子組み換え作物が開発され,実用されています。
 一方,温室効果ガス削減と称して,化石燃料の使用を制限する動きが,ここ数年異常に高まっています。この動きに伴い,自動車ガソリンに植物発酵によって製造したエタノールを混入することが行われるようになり,バイオエタノールと呼ばれて急速に生産量が伸びています。
 バイオエタノール自体の使用に反対するわけではありませんが,現実には食糧や飼料としてのトウモロコシや大豆などの生産を減らしてでも燃料用バイオエタノールを生産しようとする動きが世界的に盛んになり,開発途上国などでは食糧不足さえ起きています。
 日本は大量のトウモロコシや大豆を,主としてアメリカから輸入しています。これらの穀物の国内自給率は5%程度です。ところが日本では遺伝子組み換え食品に対するアレルギーが続いているため,日本の商社は「遺伝子組み換えでない穀物」をアメリカなどで特別に生産して貰っているのです。
 しかし,アメリカの穀倉地帯などの農家には,バイオエタノール生産の方が利益が上がり,さらに遺伝子組み換え穀物の方が生産効率がよいため,日本向けの遺伝子組み換えでない穀物の生産を拒否する傾向が出てきました。
 それでは,日本人の遺伝子組み換え食品アレルギーは本当に科学的根拠に基づいたものなのでしょうか。どうもそうではないようです。
 最大の誤解は,ヒトが摂取した食品のDNAが,そのままヒトの体内に取り入れられるか,ということにあります。長くなりますから詳細には触れませんが,もっとも明らかなのは,「豚肉をいくら食べてもヒトはブタにならない」という事実です。ブタの細胞には,ブタをブタとする遺伝子が含まれていますが,その遺伝子はそのままヒトの体内に取り込まれることはないのです。そうでなければ,ヒトがブタになったり,マグロになってしまいます。
 結局,日本人は根拠のない遺伝子組み換え食品アレルギーで,高い食品を買っているのです。
 誤解のないように付け加えておきますが,かつて石油を原料とするタンパク質を食品にしようという動きがあり,これは発癌性などの安全性に疑問があって沙汰やみになりましたが,これは発癌性物質の混入が避けられないという事実によったものでした。遺伝子組み換え技術とは根本的に違うのです。
 もういい加減に遺伝子組み換え食品アレルギーから卒業すべきではありませんか。そうしないと,納豆も豆腐も食べられなくなることになりかねません。本当に危険なのは過剰な農薬使用と,食品に添加される化学物質の方ではありませんか。






国を売るのか民主党―なぜこの時期の訪中か

2007年12月08日 08時22分12秒 | Weblog
 民主党の国会議員約40名と民主党シンパ多数を率いて,小沢一郎が中国を訪問しました。菅直人代表代行,山岡賢次国対委員長まで含まれています。7日には胡錦涛主席との会見も果たし,8日に帰国します。
 しかし,なぜこの時期に大挙して訪中する必要があるのでしょう。差し当たって中国との間に緊張関係が存在するわけでもありません。
 小沢一郎の意図ははっきりしています。新テロ特措法の審議妨害です。そもそも国会開催中の外遊は議会の承認を必要とするはずです。ところがその規定を無視しての暴挙です。これは国会軽視,審議サボタージュでしょう。それと,大名行列を見せつけたのは民主党の優位を誇示したかったのでしょう。程度の低いパフォーマンスです。
 出発前,小沢一郎は記者会見で「これまでのように米国,中国にニコニコするだけの日本では駄目になってしまう。これからは毅然とした態度で云うべきことは云わなければならない」と大見得を切りました。しかし,胡錦涛主席と握手した小沢は相好を崩して「主席と一緒に写真を撮れるなんて感激です」などと,それこそニコニコどころか卑屈な顔でヘラヘラしていました。福田首相は,他国の首脳の前でこんなみっともない笑い方をしませんでした。
 権謀術数の国中国において百戦錬磨の胡錦涛主席にしてみれば,こんな男なぞ赤子の手をひねるよりも簡単,ころりと手中に収めたようなものです。それに,これも名だたる情報機関をもつ中国首脳は,とうの昔に日本の民主党の国内支持が急速に凋落していることは把握済み,ただ政治家ですから腹中は相手を嘲笑していても顔には満面の笑みをたたえるくらいは簡単です。
 それにしても,クライン孝子氏の言葉を借りれば「参院選挙で舞い上がった民主党」は救いようもない暴走を続け,断崖絶壁から転落するでしょう。





インフルエンザ・ワクチン―本当に効くのか

2007年12月06日 20時31分36秒 | Weblog
 今年の冬は,早くからインフルエンザが流行しているようです。11月下旬にはすでに学級閉鎖が報じられています。厚生労働省は,ワクチン接種の実施を強く推奨しています。
 しかし,ちょっとお待ちください。最近の報道によると,今年のウイルスは昨年まで流行した種類と異なり,「Aソ連型の新種」だそうです。数日前のNHKニュースでは,国立感染症研究所の責任者がインタビューで今年のインフルエンザの特長について,上記のAソ連型の新種であることを指摘しており,記者の質問に対して「現在生産しているワクチンはソ連型,香港型などこれまで流行したインフルエンザに有効であり,今年のインフルエンザにも「ある程度効くでしょう」と述べていました。この「ある程度」が問題であって,要するに今年の新種Aソ連型の流行は想定外で,準備していたワクチンは直接の対象となっていなかったことを図らずも告白しているようなものです。
 ご承知の方も多いと思いますが,インフルエンザ・ワクチンの製造は,次の流行期のタイプ,つまりA香港型とかBソ連型とかを過去の推移から予想して行っているのです。最近は,複数種類の型に対処できるようになっているようですが,予想が外れればワクチンの有効性は疑問になります。今年の新種Aソ連型の流行はその例でしょう。今年の流行型を確認してからではワクチンの製造は間に合わないのです。
 とすると,厚生労働省はなぜワクチン接種を勧めるのでしょうか。それは,流行期終了後の在庫を少なくしたいからです。ワクチンには有効期間が決められており,来年の流行期まで在庫しておくわけにはいきません。効力が低下しますし,来年度にどのタイプが流行するかも分からないからです。結局,流行期の終了と共に廃棄処分とします。
 廃棄量を少なくするために効くかどうかも分からないワクチンを接種ざれてはたまりません。「接種しないよりはまし」程度の理由で推奨するのもいい加減な話ではありませんか。税金が使われ,副作用も皆無とは云えません。
 おりしも最近,「効きません,インフルエンザワクチンは打たないで」という単行本が刊行されました。著者は,母里啓子さん,元国立公衆衛生院疫学部感染症室長とあります(双葉社,1050円)。
 私もまだ読んだわけではありませんが,これだけの経歴の持ち主が書いているのですから,かなり信憑性が高いものと思われます。それに,インフルエンザ・ワクチンの有効性については,これまでにも何度も疑問が出されていました。
 ウイルスや細菌は,人間よりもはるかに適応性が高く,どんどん変化していきます。細菌で云えば「多剤耐性菌」の出現がそうですし,ウイルスではHIVウイルスの変幻自在とHAART療法無効ウイルスの出現がその例です。今後鳥インフルエンザのヒト・インフルエンザへの変異による新型インフルエンザの世界的大流行が予想されています。この大流行は必至であり,おそらくは20世紀初頭,1918~1919年のスペイン風邪をはるかに超える被害をもたらすものと見られています。
 私自身,これまで毎年インフルエンザ・ワクチン接種を受けてきましたが,今年はまだ受けていませんし,受けるつもりもありません。かなり前から接種をしてこなかった友人もいますが,彼の先見性を見習わなければならないかも知れません。





亡国政党に成り下がった民主党―これでは拉致問題も解決しない

2007年12月01日 08時32分46秒 | Weblog
 目下の民主党は,「直近の国政選挙の結果で,国民の民主党支持は明らかである」とばかりに専横を極めています。しかし,その専横に同じ野党からも警戒信号が出ています。守屋次官夫妻の収賄容疑事件に関連しての,額賀財務大臣の参院証人喚問を野党多数で強引に決定したことに,国民新党,さらには共産党からも疑問の声が上がったことです。不思議に魔女サイレンの社民党からは疑問の声も出ていないようです。(→12月1日の新聞によると,遅ればせながら反対に回ったようです。社民党の小判鮫体質がここにも表れています。)
 このように,7月の参院選挙で「野党全体として」勝利を獲得したことを,民主党は自らが国民の信任を得たように勘違いしてはしゃぎ回っているのに,それに気付かないのです。
 問題は,新テロ特措法の行方です。他の法案審議では多少の歩み寄りも見せているのに,新テロ特措法に関しては小沢一郎が頑なに憲法違反を言い立てて,法案成立の絶対阻止を唱えています。
 しかしよく考えてみてください。過去に行ってきたインド洋での給油活動は,日本としてはもっとも安全な国際的対テロ協力活動でした。イラク派遣よりもはるかに安全であったと思います。にもかかわらず,この給油活動に対する国際評価は高いものでした。
 今回,野党の反対のために従来の活動の根拠であったテロ特措法が11月1日をもって期限を迎え,給油艦も帰国してしまいました。これが,「日本はテロ対策に熱心でない」と世界から見られる結果を招くことは明らかです。
 一方,北朝鮮による拉致問題の被害者家族が,ブッシュ政権の拉致問題への支持継続を取り付けるべく,アメリカを訪問しました。ブッシュ政権は,残された1年の任期に外交問題での実績を上げるべく焦っており,なかんづくライス国務長官の一派はイラクでの失敗も含めて責任を問われています。拉致問題なぞ面倒くさいと云わんばかりのオオカミ少年ヒル国務次官補の曖昧な前言撤回もその轍の上にあります。
 その時に,日本が給油活動を停止してしまったことは,日本は要求ばかりで協力しないではないか,との批判に反論できない弱みをつくってしまったのです。
 小沢氏の出自にはある種の伝聞がネット上に拡がっています。もしそれが本当ならば,北朝鮮に弱い対応しかできないのは無理ないことかも知れません。しかし,しかし日本人であるならば,30年間の拉致被害者のご家族の苦しみを終わりにして差し上げることが,いやしくも政治家を自称する人間の義務ではありませんか。
 小沢氏と民主党,「日本人」であり,日本の公党であるならば,この論理は理解できるはずでしょう。

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