大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

インフルエンザ・ワクチン―本当に効くのか

2007年12月06日 20時31分36秒 | Weblog
 今年の冬は,早くからインフルエンザが流行しているようです。11月下旬にはすでに学級閉鎖が報じられています。厚生労働省は,ワクチン接種の実施を強く推奨しています。
 しかし,ちょっとお待ちください。最近の報道によると,今年のウイルスは昨年まで流行した種類と異なり,「Aソ連型の新種」だそうです。数日前のNHKニュースでは,国立感染症研究所の責任者がインタビューで今年のインフルエンザの特長について,上記のAソ連型の新種であることを指摘しており,記者の質問に対して「現在生産しているワクチンはソ連型,香港型などこれまで流行したインフルエンザに有効であり,今年のインフルエンザにも「ある程度効くでしょう」と述べていました。この「ある程度」が問題であって,要するに今年の新種Aソ連型の流行は想定外で,準備していたワクチンは直接の対象となっていなかったことを図らずも告白しているようなものです。
 ご承知の方も多いと思いますが,インフルエンザ・ワクチンの製造は,次の流行期のタイプ,つまりA香港型とかBソ連型とかを過去の推移から予想して行っているのです。最近は,複数種類の型に対処できるようになっているようですが,予想が外れればワクチンの有効性は疑問になります。今年の新種Aソ連型の流行はその例でしょう。今年の流行型を確認してからではワクチンの製造は間に合わないのです。
 とすると,厚生労働省はなぜワクチン接種を勧めるのでしょうか。それは,流行期終了後の在庫を少なくしたいからです。ワクチンには有効期間が決められており,来年の流行期まで在庫しておくわけにはいきません。効力が低下しますし,来年度にどのタイプが流行するかも分からないからです。結局,流行期の終了と共に廃棄処分とします。
 廃棄量を少なくするために効くかどうかも分からないワクチンを接種ざれてはたまりません。「接種しないよりはまし」程度の理由で推奨するのもいい加減な話ではありませんか。税金が使われ,副作用も皆無とは云えません。
 おりしも最近,「効きません,インフルエンザワクチンは打たないで」という単行本が刊行されました。著者は,母里啓子さん,元国立公衆衛生院疫学部感染症室長とあります(双葉社,1050円)。
 私もまだ読んだわけではありませんが,これだけの経歴の持ち主が書いているのですから,かなり信憑性が高いものと思われます。それに,インフルエンザ・ワクチンの有効性については,これまでにも何度も疑問が出されていました。
 ウイルスや細菌は,人間よりもはるかに適応性が高く,どんどん変化していきます。細菌で云えば「多剤耐性菌」の出現がそうですし,ウイルスではHIVウイルスの変幻自在とHAART療法無効ウイルスの出現がその例です。今後鳥インフルエンザのヒト・インフルエンザへの変異による新型インフルエンザの世界的大流行が予想されています。この大流行は必至であり,おそらくは20世紀初頭,1918~1919年のスペイン風邪をはるかに超える被害をもたらすものと見られています。
 私自身,これまで毎年インフルエンザ・ワクチン接種を受けてきましたが,今年はまだ受けていませんし,受けるつもりもありません。かなり前から接種をしてこなかった友人もいますが,彼の先見性を見習わなければならないかも知れません。